服部幸應の『食育の時間』

最近話題の『食育』。食文化の改善のため、『食育』の必要性を訴え続けてきた服部栄養専門学校校長・医学博士の服部幸應が、「食」にまつわる幅広い知識や常識を『食育』という観点からたのしくわかりやすくお話します。
※音声ファイルがダウンロードいただけます。 方法は、各回テーマ部分(DOWNLOADのマーク)をクリック、または右クリックで「対象をファイルに保存」を選び、ダウンロードの後お楽しみください。

Index
食育に関する質問や番組への要望など、みなさんからのメールをお待ちしております。
メールを送る
(297)「食育どこまで進んでいるの?」  
(296)「第8回食育推進全国大会より」
(295)「食育月間での重点事項〜今取り組むべき食育」 
(294)「野菜をもっと食べよう!」 
(293)「早寝・早起き・朝ごはん」 
(292)食育、何をすればいいの?
(291)食育、進んでいますか?
(290)第7の栄養素・ファイトケミカル
(289)2012年・食のシーンを振り返って
(288)子どものしつけと共食の関係
(287)動き出した!子どもの味覚教育
(286)食にまつわる意識と現状
(285)できることから始めよう!食育ガイド
(284)第7回食育推進全国大会より
(283)和食を食べない日本人
(282)7年目の食育
(281)子どもの食が危ない!
(280)見直そう!家族で共食
(279)TPP参加で、どうなる日本の食卓?
(278)安心・安全な食材選び
(277)食育とは? 〜食育がすぐにわかる3つの柱〜
(276)子どもの食生活改善!
(275)Wa-shokuの実力
(274)栄養成分表示を活用しよう!
(273)食品安全委員会の「被曝基準」を受けて
(272)学校給食と地場産物の活用
(271)震災時の食の情報提供について
(270)最新版食育白書より
(269)「共食」が重要課題!
(268)食育推進全国大会パネルディスカッションより
(267)講演「大切なものを失った日本人」C
(266)講演「大切なものを失った日本人」B
(265)講演「大切なものを失った日本人」A
(264)講演「大切なものを失った日本人」@
(263)「お酢を使って元気に」
(262)食への判断力を養おう
(261)今、見直そう!食育
(260)細菌性食中毒に注意!
(259)健康につながる正しいダイエット
(258)野外食のすすめ
(257)震災の米への影響
(256)水産業への被害について
(255)野菜と放射性物質
(254)ガンを予防する食生活
(253)料理にはツボがある!
(252)食料価格の高騰について
(251)食の安全保障について
(250)新・食育推進基本計画のポイントは?
(249)食育の新しい目標値 その2
(248)食育の新しい目標値 その1
(247)新・食育推進基本計画の基本方針
(246)新・食育推進基本計画の概要
(245)中学生・高校生の食育
(244)お弁当と食育
(243)体重管理について
(242)最新版 国民健康栄養調査より
(241)「遺伝子組み換え作物」について
(240)イクメンも食育!
(239)海外食育ニュース
(238)薄味が味覚を呼び覚ます!
(237)最重要課題は食料問題!
(236)変わりゆく行事食
(235)「もったいない意識」を忘れずに
(234)食も時間短縮!? 
(233)一般知識としての食育-これまでとこれから-
(232)地域での食育-これまでとこれから-
(231)社会での食育-これまでとこれから-
(230)学校の食育-これまでとこれから-
(229)家庭の食育‐これまでとこれから‐
(228)家計の中の「食費」について
(227)食習慣とこころの関係
(226)大人気!市民農園
(225)余剰米と食料自給率の矛盾
(224)家族の食育Q&A
(223)最新版「食育白書」が指摘する問題点
(222)家畜のエサ(飼料)の自給も緊急課題!
(221)子どもに料理をさせてみよう!
(220)食育推進全国大会 パネルディスカッションより D
(219)食育推進全国大会 パネルディスカッションより C
(218)食育推進全国大会 パネルディスカッションより B
(217)食育推進全国大会 パネルディスカッションよりA
(216)食育推進全国大会 パネルディスカッションより@
(215)ナイトキッズにご用心…
(214)日本は水も大量輸入
(213)食品表示Update
(212)調理用語のビジョーシキ !?
(211)食の習慣と規範意識の結びつき
(210)公のマナーと食のマナーの関係
(209)だいじょうぶ?食事のマナー違反
(208)嫌い箸と規範意識の関係
(207)食事に関する習慣&傾向と問題点
(206)日本型食生活の取り入れ方
(205)食育推進ボランティア
(204)食料・農業・農村基本計画について
(203)食育の現状と意識に関する調査
(202)地球規模で食を考えよう
(201)衣食住の伝承と食のしつけ
(200)食育の基本は「選食力」
 

「番組からのお知らせ」

番組サイトが引っ越しました。
ブックマーク等の変更をお願いいたします。

http://www.jfn.jp/owj_shokuiku

(297)「食育どこまで進んでいるの?」 2013年08月12日

文部科学省が「スーパー食育スクール」を指定することになりました。
食育に熱心な小・中・高校を全国から50校程度指定し、大学や企業と連携して
食育プログラムを開発します。食育のモデル校が誕生することになります。

「平成25年度版食育白書」が発表されました。
白書によりますと、「食育に関心を持っている人」は74.2%。
「食生活で関心のある事」では、1位「食の安全性について」94.5%。
2位「生活習慣病予防のための食生活」91.8%。

「普段の食生活で心がけていること」は、
「野菜を食べること」92.4%。次いで、「食事の前に手を洗う」
「朝ごはんを食べるなど規則正しい食生活」さらに「食事を楽しむこと」と続いています。

白書では、食生活へ関心がある人や食事に気を使っている人が多いという結果でした。
8年目にしてようやく、食育の成果が表れてきたのではないかと思います。

一方、進まないところは、年齢で言うと20〜30代の男性。
「主食・主菜・副菜の3つをそろえて食べることが1週間で何回ありますか」という質問に
「ほとんど毎日」と答えたのが25.7%。4人に1人しかきちんとした食事をしていません。
また、朝ごはんの欠食率も改善が見られず32.4%。これでは良い仕事はできません。

この他、改善が見られない点は、
「メタボの予防・改善のための適切な食事・運動を継続的に実践すること」など。

今回の食育白書では、特集として「食育の環」が取り上げられています。

今、ようやく市町村単位での「食育推進計画」が進み、
食育を地域経済や食文化、環境整備などと うまく結びつけて進めるところが増えてきました。
「生産から加工・販売・食文化、さらに、食卓からリサイクルへ」。
また、「子どもから高齢者、そして次の世代へ」と、循環してつながるのが「食育の環」。

このような地域のつながりを強める食育の在り方が、今、注目されています。

<食のカッティング・ボード>
「保護者の食育」

今、子どもへの食育は、学校・地域社会・民間などで進めていて、やり方もいろいろあります。
ただ、食育の基本は「家庭の食卓」にあります。
食のしつけは、親から子へ、家庭の食卓で教えるべきものです。

ところが、今、家族の時間の使い方がバラバラで、そろって食事をすることが減っています。
親子での食事が減り、「団らんの場」がなくなると同時に、大切な「しつけの場」も減っています。

そんな中、しつけをする方のおとうさん・おかあさんが、
「テレビを見ながら…」「携帯でメールをしながら…」…こういうご家庭が多いんですね。

96%の家庭が食事中にテレビをつけて、親子でいっしょに見ています。
テレビがついていると、しつけはできません。
その上、大切な食事に何を食べたか さっぱりわからない。
欧米では、食事中テレビを見ている家庭は32%。これは下層階級の家庭です。

携帯電話は、食卓に持ち込まないようにしましょう。

このところ、「家庭の教育力が落ちている」と言われますが、まさに食育もその通り。
しつけ以外の「バランスの良い食べ方」にしても
親のほうの知識がなくて、偏った食事をしているお子さんが多い。

これまで食育の指針では「家庭に対しては一律に進められない」という理由で
保護者への食育は後回しになってきました。
つまり、ライフスタイルや家族の形態、家族関係が様々となり、
一辺倒に指導できないというわけです。

保護者の方へ食育をうまく伝えるにはどうしたらいいか、
食育にたずさわる方は、検討していただきたいと思います。

(296)「第8回食育推進全国大会より」  2013年07月08日

6月22日・23日、広島県広島市で第8回食育推進全国大会が行われました。
今回は、その模様をお届けします。

会場の皆さんへのインタビュー「あなたのまわりの食育、進んでいますか?」に続き、
パネルディスカッション「つくる人、売る人、食べる人、みんなの力でつなげる・広げる食育の輪」から、
食育の成功事例を発表されたお二人のお話をご紹介します。

お一人目は、広島県呉市のお医者さんで、市民に「減塩」を呼び掛け、
「減塩サミット」の代表を務める日下美穂先生。(3分頃〜)

お二人目は、新潟県立大学で、健康的な「食環境作り」の指導・研究をされている村山伸子先生。(10分30秒頃〜)

食育の成功事例を参考に、皆さんのまわりでも食育を進めましょう!

(295)「食育月間での重点事項〜今取り組むべき食育」  2013年06月10日

6月は、「食育月間」です。
政府は、毎年、「食育推進全国大会」を開催しています。
今年で8回目。今回は、内閣府と広島県が主催です。

6月22日(土)、23日(日)の2日間、
会場は、広島市南区文化センター、県立広島産業会館、広島大学などです。

食育に関する色々なシンポジウムやワークショップ、
トークショーや出展ブースなどがたくさん出ます。
食育の事例が多く紹介されていますので、
食育を知りたいという方、そして、食育を指導される立場にある方、
この全国大会で、食育の最新事情を仕入れていただきたいと思います。

私は、22日午後2時20分から、広島市南区民文化センターでのパネルディスカッションに登壇します。

4月30日、政府から6月の食育月間で取り組むべき「重点事項」が発表されました。

1「食を通じたコミュニケーション」家族の共食で生まれるコミュニケーションを通じ、
食事のマナー、食文化、食習慣の知識を習得すること

2「バランスの取れた食事」生活習慣病の予防や改善のため

3「望ましい生活リズムの育成」早寝早起き朝ごはんなど生活りズムを向上させること

4「食を大切にする気持ちを育む」食に関する体験、環境への配慮、食料問題への理解

5「食の安全」。安全性への意識と関心を高める、食に対する判断力や食を選ぶ力をつけること

中でも1つ目の「食を通じたコミュニケーション」は大切です。
家族の共食、一家団らんの食事は、子どもの人間性を育む大きな役割があります。

共食への環境整備と共に、食育を指導する方は、「その場で教えておしまい!」とならないよう
家族そろって、楽みながら進めていかれる方法を考えてほしいと思います。

<食のカッティング・ボード>
「良く噛んで、味わって食べよう!」

日本人は世界でも屈指の「早食い民族」。
お昼ごはんの平均時間は10分〜20分程度。3食合わせても1時間10分というデータがあります。

時代とともに、かむ回数も減っています。
1回の食事で、弥生時代は3990回、戦前は1460回、現在は620回。
その背景には、やわらかく口当たりの良いものがごちそうであるという風潮があります。

よく「1口30回噛みましょう」といわれますが、30回も噛むと口の中に残っていません。
ただ、それくらいの気持ちで、良く噛みましょうということです。

良く噛むことは、意識すればできます。逆に、意識しないとできません。

噛むことの効果は、歯の健康(歯周病などの予防)、血糖値の上昇を防ぐ
食べ過ぎ、メタボを防ぐ
脳の血流が良くなり、ストレスの軽減、記憶力のアップ、老化防止
よく味わえて味覚も発達、ガン予防(消化器官の負担を減らす)などいろいろあります。

特に、お子さんをお持ちの方は、小学校入学前までは一品、小学生以上なら二品程度、
噛みごたえのある献立を用意してほしいと思います。
アゴの発達が悪く、歯並びの悪い子が増えています。

「良く噛んで、味わって食べる」これを意識して、健康的な食べ方を身につけて下さい。

(294)「野菜をもっと食べよう!」  2013年05月13日配信

農林水産省のデータでは約52%の人が「野菜不足」を感じています。

現在、日本人の野菜の平均摂取量は、1人1日277.4gです。
厚生労働省の目標値は、1日350g以上。70gほど足りない計算です。

今から25年ほど前の昭和60年と比べると、
野菜を食べる量が2割も減っています。
かつては、野菜を煮炊きして食べていました。火を通すと野菜のカサが減ります。
今は、サラダなど生で食べることが増えました。

「国別」の野菜の摂取量(2005年のデータですが)
韓国1人1日602g イタリア497g フランス326g アメリカ314g
日本 277gですから、アメリカよりも野菜を食べていません。

日本人の野菜不足は、若い人の方が深刻です。
20代〜30代の摂取量は、目標値の7割程度。
野菜を食べない理由は「調理に手間がかかる」「買っても食べきれない」「外食が多いから」。

特に、小さいお子さんをお持ちのおかあさんは、
小さい頃から野菜をしっかり食べるという食生活を身につけさせましょう。

野菜を食べる理由
1.野菜は、ビタミン、ミネラルの供給源。これらは健康維持に欠かせない栄養です。
2.ポリフェノールやカロテノイドなどのフィトケミカルが含まれ
健康効果が期待されている
3.肥満予防
4.最近はガンを予防することもわかっています
(緑黄色野菜を食べない人ほど、胃がんにかかりやすい)

野菜70gといいますと・・・
トマトは大きいもの2分の1個分。ほうれん草は2束。ビーマン2個。
ブロッコリーは4房、もやし1つかみ、アスパラ3本、キャベツは1枚分。

野菜を選ぶ時は、地元の旬のものを!「地産地消」でお願いします。

<食のカッティング・ボード>
「健康食の情報に要注意!」

○○ダイエットや○○を食べると体に良いなど、こんな情報が溢れています。

たしかに、データやエビデンス(=科学的根拠)が取れているものもありますが、
1つのもの、同じものばかりを食べるのは、偏食です。

偏食をすると、食事のバランスが悪くなり、健康でいられなくなります。
昔は1日30品目と言われていました。
同じものばかりを取り続けると、万が一のリスクも高くなります。

たとえば、
●肉や魚など、動物性のタンパク質が体に良くないといって食べない人
●朝食は野菜ジュースだけ
●サプリメントで栄養をとる
●今人気の「低糖質(低炭水化物)ダイエット」

これらは、果たして体に良いのでしょうか?

答えは、本編をダウンロードしてお聞き下さい。

(293)「早寝・早起き・朝ごはん」  2013年04月08日配信

新生活のスタートは、朝ごはんから!
朝ごはんを食べないと、脳がエネルギー不足となり、午前中の作業効率が落ちます。
子どもの場合、学習の効率が下がる、運動でのケガが増えるなど。
 
先月発表された「国民健康・栄養調査」によりますと、
朝ごはんを食べない子の割合は、
1歳〜6歳の平均で7.15%。7歳〜14歳で5.65%。中学生高校生で11%。
さらに、20代の男性は 34.1%。20代の女性は 28.8%。
朝ごはんを食べない年代のピークは、20代です。

朝ごはんを食べるためには、その分、早く起きないといけません。
そして、早く起きるには、早く寝ることが肝心です。
今、小学生の消灯時間の平均は10時45分。もっと早く寝ましょう。

最近は、朝ごはんを食べていても、内容が菓子パン、ヨーグルトやプリンだけ、
果物だけ、冷凍食品で済ませるという‘偏った朝ごはん’も増えています。
栄養バランスの悪い食事は、体調不良の原因となります。

理想的な朝ごはんは、
1.温かい飲み物があること
2.ごはんやパンなどの主食を食べること
3.卵や豆類、乳製品などタンパク質のおかずを食べること
4.野菜や果物で、ビタミン・ミネラルをプラス

朝ごはんは「食事の大黒柱」。きちんと食べて出かけましょう!

<食のカッティング・ボード>
今回は「生鮮食品の摂取状況について」。

野菜・果物・魚介類・肉類などの生鮮食品。
最新の「国民健康・栄養調査」によりますと、野菜・果物・魚介類の摂取が減っています。
野菜の平均摂取量は、1日277.4g。前年比 -18.4g。
「1日350g野菜を食べましょう!」と運動を続けてきましたが、
改善させるどころか、減ってしまいました。

果物の平均摂取量は、1日110.3g。前年比 -22.1g。
魚介類は、1日78.6g。前年が102.9gでしたので、-24.3g。
タンパク源の取り方として、日本人は魚から取ることが体に合っています。

肉類の摂取量は、増えています。
1人1日平均80.7g。前年比プラス6.7g。食べ過ぎに注意。

年齢別では、20代〜40代の「野菜」「果物」「魚」の摂取量が少なくなっています。
また、20代が最も「生鮮食品」を買わない年代です。
買わない理由のトップは、「価格が高い」こと。
さらに、所得の低い世帯は高い世帯に比べて、野菜の摂取が少ないという結果も出ています。

外食、中食の広がりで、食材そのものを買う機会が減っています。
健康を維持するためには、鮮度のよいものを選び、作って食べることが大切です。
毎日の食事で「どんなものを選んだら、安心か危険か健康になれるか」
これを意識していただきたいと思います。

(292)食育、何をすればいいの? 2013年03月20日配信

「食育って何をすればいいんですか?」
こういう質問をいただくことが今もよくあります。

食育は、
1.どんなものを食べたら安全か・危険か・健康になれるか、食べ物を選ぶ力を養うこと
2.食の伝承を家庭における共食の中で育むこと
3.食料問題、環境問題など
これらを学校教育、家庭教育、社会教育の中で進めていくことです。

これまで家庭では、一家の団らんの席で、食のしつけが行われてきました。
家族で食卓を毎日囲むという家庭は43%もいます。
ところが、週に2,3日程度が23%。1年間で10日間あまりという家庭が9.8%。
これが段々増えていることが、問題です。
子どもが孤食をしていては、親から習う機会もありません。
ぜひ、この団らんの時間をもっともっと増やしたいと思います。

食育は、今、学校で習っている子どものほうが進んでいます。
子どもが家に持ち帰った時、家の親御さんが知らないというのは、問題です。
本当は、最初に親御さんに教えるべきものでした。
今後、親御さんに教えるシステムを考えていかなければならないと思います。

<食のカッティング・ボード>
今回は「牛肉」。

2月1日から、牛肉の輸入規制が緩和されました。
政府は、BSE対策が世界的に進んだと見なし、これまでの「月齢20カ月以下」から
「30か月以下」に拡大しました。

実際、2月中旬から、規制緩和で入ったアメリカ産の牛肉を並べているスーパーもあります。
アメリカ産の他、カナダ産、フランス産の「月齢30カ月以下」の牛肉も入ってきます。
また、オランダ産だけは、オランダからの要望で「月齢12カ月以下」のものが
入ってくる予定です。海外では、子牛は豚肉のような味がするとして好まれます。

牛肉を食べるメリットは、
肉には、脳を刺激して幸福感をあたえる「アナンダマイド」という物質が含まれています。
女性は50代、男性は60代から、牛肉を少し多めに食べたほうがいいと思います。
肉はプロテインスコアが100。植物性の豆腐などは68。
体を維持するためには高タンパクなものが必要です。ただし、脂肪は避けること。

今後、日本国内に、海外からの安い牛肉が多く出回るようになります。
日本の牧畜が苦しい思いをすることは避けられないと思います。
TPPへの参加も加速していますので、
選食力=食を選ぶ力を養うことが、益々必要となります。

(291)食育、進んでいますか? 2013年02月20日配信

皆さんのまわりで「食育」は進んでいますか?

食育は、平成17年に「食育基本法」が公布され、平成18年4月から
「食育推進基本計画」に基づき、国民運動として進められています。
現在は、第2次の基本計画推進中。ここには「共食」が重要課題として挙げられています。

かつてイギリスでは多くのニートが生まれました。英国病といわれる社会問題の1つです。
私は、この英国病が日本にも入ってきているのではないかと感じました。
ニートが増えた一因に「共食」が失われたことが挙げられます。
その後、イギリスでは「共食」を推進し、30年かかり今、ニートが減ってきています。
日本は30年遅れで「食育」という形で、この問題にようやく気づき始めたところです。

「食育」という意識がお住まいの地域にありますか?
市区町村により食育の窓口は、農政課や農務課、産業振興課、保健所など様々です。
食育を扱う人は、もっともっと意識していただかないと国民運動にならないと思います。
また、皆さんも関心をもち、地域へ意見を言うことも大切だと思います。

<食のカッティング・ボード>
今回は「減塩について」。

塩分の摂りすぎが体に良くないことは、もう ご承知ですよね?
高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、慢性の腎臓病などになります。

日本では、今、5000万人が高血圧症といわれています。
日本人の塩分摂取量は、成人男性で1日11.9g、成人女性で10.1g。世界ナンバー1。
これに対し、厚生労働省の目標は、男性1日9g未満。女性7.5g未満。
実はこの目標、 欧米の先進国と比べると、まだまだです。
たとえば、WHO(世界保健機関)の目標量は、1人1日5g未満。男女の区別なし。

減塩には、調味料とだしを工夫することをお勧めします。
調味料は、酢1対醤油1で。酢の酸っぱさが塩味を増強されてくれます。
また、だし5・醤油3・酢2。これは何にでも使えて便利です。

ソフトドリンク類にもナトリウム(塩分)が含まれていますので要注意。
調理済み加工食品は、加工食品の中の塩分を塩味にして食べましょう。
日本の医療費は今年38兆円。来年は39兆円。
要介護、医薬品、透析にかかる費用が増えています。これを他に回せるといいですね。

(290)第7の栄養素・ファイトケミカル 2013年01月16日配信

体に良いという栄養素を耳にする機会が増えました。

「ポリフェノール」は、植物が光合成で作る糖分の一部が変化したもの。
植物の色素や苦み、アクなどに含まれ、カテキン、アントシアニン、ルチン、
カカオマスポリフェノール、クルクミンなど、6000種ほどあるといわれています。
赤ワインに含まれるポリフェノールがきっかけとなり注目されました。
白ワインのポリフェノールは赤ワインの1/10、ロゼは半分、ブドウジュースは1/3〜1/5。
ポリフェノールは熱に強く、加熱して食べるのがおすすめです。

「リコペン」はトマトの赤い色素成分。強い抗酸化作用があり、トマトが赤く熟すに従って
含有量が増えます。熱に強く、油を使った調理法で吸収率が高まります。
トマトジュールやケチャップ、ピューレ―など加工品を使うのも手軽です。

「アスタキサンチン」は、鮭やエビ、カニなどの魚介類が持つ赤い色素。
魚自体が作り出しているのではなく、魚のエサになるヘマトコッカスという藻が
作り出しています。抗酸化力が強く、脂質異常症や高血圧など血流を改善。
鮭ならオレンジ色のサーモンより、色の濃い紅鮭のほうがおすすめです。

近年、5大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)に加え、
「食物繊維」が第6の栄養素として注目されてきました。
最近は、上記の栄養素などが「第七の栄養素・ファイトケミカル」と呼ばれ、
注目を集めています。ファイトとは、ギリシャ語の「植物」。
ファイトケミカルは、複数を組み合わせると機能性が高まります。
サプリメントで摂るよりも、野菜や果物をまんべんなく食べることをお勧めいたします。

<食のカッティング・ボード>
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)について。

現在、40歳以上の中年男性の2人に1人、中年女性の5人に1人がメタボか
メタボ予備軍といわれています。
内臓脂肪というのは、本来、誰にでもあって、ホルモンの分泌など大切な役割を果たしていますが、
多すぎると「死の四重奏」(肥満・糖尿病・高血圧・高脂血症)を引き起こす元凶となります。

どうしたら内臓脂肪を減らすことができるのか、本編をお聞き下さい。
(289)2012年・食のシーンを振り返って 2012年12月19日配信

今年は食べ物の価格が上がり続けました。
アメリカで起きた大干ばつで、トウモロコシや小麦が打撃を受け、国際価格が上がりました。
2007年〜2008年の食糧危機が再来するのでは?という声も広がりました。

この先、日本の食卓への影響も避けられません。
油がすでに値上がりし、さらに、豆腐・味噌・しょうゆ・マヨネーズなどの
日常食品の値上がりが予想されています。大震災の影響で魚の価格も上がっています。

そんな中、この秋、食品のロスをもっと減らそう!という動きが始まりました。
たとえば、賞味期限が製造から6カ月の食品の場合、
お店への納品は、製造から2カ月以内。賞味期限まで残り2カ月=賞味期限まで製造から
残り3分の1を過ぎたものは店から撤去。これが業界の慣習でした。
これを見直し、緩和しようという検討会が今年秋、スタートしました。

また、今年10月から、生食用の牛肉に新しい基準が施行されました。
生のブロック肉を密封して、表面から1p以上を60度で2分以上加熱。
熱を通した部分を規定の施設と器具で削り取り、牛刺しやユッケに加工するというものです。
現在、基準が守られているか、厚生労働省が調査中です。

来年には、アメリカ産牛肉の輸入規制緩和で、新しい条件でのアメリカ産牛肉が輸入される
見通しです。TPPの問題もあります。

食の情報収集は、安心・安全な食育につながりますので、
常に関心をもっていただきたいと思います。

<食のカッティング・ボード>

「日野原重明先生による講演〜食べて元気!」

服部栄養専門学校の学園祭のゲストとして、日野原重明先生が登場!
その講演の一部をご紹介いたします。
日野原先生の食生活、食べ方の極意をお聞きください。

(288)子どものしつけと共食の関係 2012年11月21日配信

味覚の秋。正しい味覚を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか?

それには「8歳〜12歳が勝負!」といわれています。
8歳〜12歳は、様々な味覚を覚え、スタンダードな舌を作る時期なのです。 

ところが、今、味覚障害が増えています。
味覚障害というのは、食べ物の味が薄く感じる、微妙な味の違いがわからないなどの症状。

特に子どもは、「コ食」などの偏食に注意し、加工食品の利用頻度に気をつけましょう。

大切な味覚を「子どものうちから養おう!」という試みがあります。
フランス生まれの「味覚の授業」。昨年から日本でも本格的にスタートしていました。
日本では「味覚の一週間」といいます。

地域のシェフやパティシエが小学校を訪れ、子どもに味覚を整理して教えます。
具体的には、甘い、しょっぱい、すっぱい、苦いの4味。

授業の効果は、味わって食べるようになる、食べ物への関心が高くなる、
味を表現することを覚えるなど。

「味覚の一週間」、今年は10月22日〜28日の1週間で、
全国65校ほどの小学校で授業が行われる予定です。

<食のカッティング・ボード>
今回は「日本人の米離れ」について。

日本の食料自給率Upのためにも「お米を食べましょう」と何度も申し上げてきましたが、
「お米を食べる理由」は、それだけではありません。
‘健康のため’にも、お米を食べていただきたいと思います。

日本人が摂っているお米の量、農林水産省のデータでは、
昭和40年1人年間111.7sでした。
平成22年では59s、そして、最新データの平成23年度は57.8s。

この57.8sを1日にすると、158.3g。これを‘炊いたご飯’の状態にすると、
1人1日「茶碗2杯分」しかご飯を食べていないことになります。

パン食は、洋風のおかずやバターなど、高カロリー・高脂肪で、肥満の原因に。
和食が減ると、根菜・海草・キノコなどに含まれるミネラルと食物繊維の不足、
みそ汁・漬物・納豆など、発酵食品を食べる機会が減り、日本人の長い腸には
好ましくない状態となります。

結果的に、ご飯を食べる量が減ると、生活習慣病のリスクが高まることになります。
健康でいたいなら、まずはご飯を食べること、これが肝心です。

(287)動き出した!子どもの味覚教育 2012年10月17日配信

味覚の秋。正しい味覚を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか?

それには「8歳〜12歳が勝負!」といわれています。
8歳〜12歳は、様々な味覚を覚え、スタンダードな舌を作る時期なのです。 

ところが、今、味覚障害が増えています。
味覚障害というのは、食べ物の味が薄く感じる、微妙な味の違いがわからないなどの症状。

特に子どもは、「コ食」などの偏食に注意し、加工食品の利用頻度に気をつけましょう。

大切な味覚を「子どものうちから養おう!」という試みがあります。
フランス生まれの「味覚の授業」。昨年から日本でも本格的にスタートしていました。
日本では「味覚の一週間」といいます。

地域のシェフやパティシエが小学校を訪れ、子どもに味覚を整理して教えます。
具体的には、甘い、しょっぱい、すっぱい、苦いの4味。

授業の効果は、味わって食べるようになる、食べ物への関心が高くなる、
味を表現することを覚えるなど。

「味覚の一週間」、今年は10月22日〜28日の1週間で、
全国65校ほどの小学校で授業が行われる予定です。

<食のカッティング・ボード>
今回は「日本人の米離れ」について。

日本の食料自給率Upのためにも「お米を食べましょう」と何度も申し上げてきましたが、
「お米を食べる理由」は、それだけではありません。
‘健康のため’にも、お米を食べていただきたいと思います。

日本人が摂っているお米の量、農林水産省のデータでは、
昭和40年1人年間111.7sでした。
平成22年では59s、そして、最新データの平成23年度は57.8s。

この57.8sを1日にすると、158.3g。これを‘炊いたご飯’の状態にすると、
1人1日「茶碗2杯分」しかご飯を食べていないことになります。

パン食は、洋風のおかずやバターなど、高カロリー・高脂肪で、肥満の原因に。
和食が減ると、根菜・海草・キノコなどに含まれるミネラルと食物繊維の不足、
みそ汁・漬物・納豆など、発酵食品を食べる機会が減り、日本人の長い腸には
好ましくない状態となります。

結果的に、ご飯を食べる量が減ると、生活習慣病のリスクが高まることになります。
健康でいたいなら、まずはご飯を食べること、これが肝心です。

(286)食にまつわる意識と現状 2012年09月19日配信

内閣府が毎年発表する「食育白書」から、人々の食生活への意識を垣間見ることができます。

「今の食生活に満足している」人は、87.5%。
他の生活面での満足度(収入・所得40%、レジャーや趣味60%、住環境80%)と
比べると、食生活への満足度が高いことがわかります。
ただ、問題はその中身です。

「今後の食生活で力を入れたいこと」は、
1位「栄養バランスのとれた食事の実践」58.4%。
2位「食品の安全性への理解」、3位「食品廃棄の削減」。
健康でいたいことから、食事バランスを気にする人が多いようです。

最近は、「家族や友人と食卓を囲む機会を増やしたい」
「自分で調理する機会及び家族で調理する機会を増やしたい」という意識を持った人が
増えています。

5歳児の家庭では、父親と食事をする機会が少ないこともわかりました。
「家族といっしょに食事をすることは重要だ」と答えた人は、9割に達するものの、
「家族との食事に自分のスケジュールを調整しようと思う」人は、4割。
行動の難しさが表れています。

「食品を選ぶ時に重視すること」は、1位「鮮度」2位「価格」3位「安全性」。
安全性を重視すると、高くつくのが現状です。

<食のカッティング・ボード>
今回は「最新データ・日本の食料自給率」について。

2年連続で4割を切った日本の食料自給率。
国は、『不測時の食料安全保障マニュアル』を用意していますが、その中身とは?

(285)第7回食育推進全国大会より 2012年08月15日配信

内閣府から、「できることから始めよう!食育ガイド」が発行されました。
これには、今後の食育の進め方が詳しく書かれています。

A4判30ページ。「食べることは生きること」という序文に始まり、
ライフステージごとの食育のポイント、食べ方や食べ物について、
食品表示、災害時の備えなど、書かれています。
また、自分の適正体重の計算方法も紹介されています。

「共食」については、
共食とは、単に「いっしょに食べる」だけでなく、
「どんな食事にするか皆で考えること」から始まって、
「買い物」「料理」「配膳」そして、「食事の後片付け」まで、
食事のすべてプロセスに家族がかかわることが、「共食」と定義されています。

これまでは、農業体験なども重視されてきましたが、
今回からは、「食べること」という食育の原点に重きが置かれるようになりました。

この食育ガイドは、内閣府食育推進室ホームページ
http://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/guide/index.html
からダウンロードできます。

<食のカッティング・ボード>
今回は「食べものでアンチエイジング!?」。

アンチエイジングは、日本語にすると「抗加齢療法」。
2012年の上半期ベストセラーを見ても、アンチエイジングに関する本が並んでいます。

食べ物や食べ方で、アンチエイジングはできるのでしょうか?
高齢者がアンチエイジングを期待してサプリメントを取る効果は?

そして、「アンチエイジングは腹七分目」。
一体どれくらいがいいのでしょうか?

アンチエイジングブームについても、一言、申し上げます。

(284)第7回食育推進全国大会より 2012年07月18日配信

6月16日(土)17日(日)の2日間、
神奈川県横浜市で第7回食育推進全国大会が開催されました。

大会では、講演会やシンポジウムの他、228団体による食育活動の展示、
東日本大震災の被災地復興応援ブースも設けられました。
2日間の来場者は3万6800人。 入場制限も出るほどの大盛況でした。

前半は、来場者の「声」をご紹介します。
「あなたのまわりの食育。進んでいますか?遅れていますか?どんな様子ですか?」 
「これからのもっと食育が必要なところはどこですか?」
会場からは、様々な答えがかえってきました。
詳しくは、本編をダウンロードしてお聞き下さい。

後半は、私・服部幸應とさかなクン、キャスターの内田恭子さんによる
「鼎談」の一部をご紹介します。
こちらも本編をダウンロードしてお聞きください。 

来年の食育推進全国大会は、広島県で開催予定です。

(283)和食を食べない日本人 2012年06月20日配信

和食を‘世界無形文化遺産’へ登録しようという動きがあります。

和食は、実はずいぶん前から、世界の注目を集めていました。
そのきっかけが、1977年、アメリカで発表されたマクガバンレポートです。
そこには、アジアに健康的な食生活を送っている民族がいると記されています。
これが日本に該当すると言われています。

海外では「和食」のお店も増えています。3万2千件ほどあります。
しかし、日本人が関わっているのは、たった7%。
これを正しく指導しようというJROという組織もできました。

世界無形文化遺産への登録は、すし・天ぷら・お刺身などではなくて、
‘ごはんにみそ汁、お浸しや煮物’など、日本の普通の食卓に上るようなものを
「和食」と定義しています。

ところが、肝心の日本はどうでしょうか?
農林水産省の資料によると、「和食」つまり「日本型食生活」を実践している人は18%。
2割にも満たない現状です。

和食を健康的にいただくコツに「塩分」があります。
塩分をだしやスパイス・ハーブなどでカバーするようにすると、塩分が控えられます。

また、今の時代、多くの人が「外食産業」に頼っています。
料理人は、塩をきかせないとおいしくないといいますが、お店を利用した時に、
「ちょっとしょっぱいよ」という一言が、外食での減塩に繋がります。
職人さんにも意識してもらい、皆がやらなきゃいけないと思う事が大切だと思います。

<食のカッティング・ボード>
「水」の問題について。

先月、水道水からホルムアルデヒドが検出されて問題になりました。
日本の下水処理能力をご存知ですか?
東京では1995年に100%になりました。ところが、まだ30%台の地域もあります。
地域格差が大きく、平均で約72%。

では、地球は「水の惑星」と言われていますが、
地球上の水のうち、私たちが使える水はどのくらいだと思いますか?
97.5%は海水、淡水は2.5%。その中でも0.004%の水しか使えません。

世界の人口は、増え続け、2025年には80億人になるといわれていますが、
その半数の40億人が水不足に直面すると言われています。
作物も育てられなくなり食料不足も起こります。

また、日本は「水の豊かな国」といわれていますが、
今、その水を外国からの投資で買われてしまっています。
水源地を含む森林が買収されています。
欧米では、このような所有や売買を規制している国が多いそうですが、
日本も早く手を打たないと大変なことになります。

水は地球の中をぐるぐる循環しています。
「今、自分が使っている水は、今度は自分の口に入る」という意識を持ち、
大切に使いましょう。

(282)7年目の食育 2012年05月16日配信

内閣府による「食育に関する意識調査」によりますと、
東日本大震災後、「食品の安全性への不安が広がった」と26.1%の人が答えています。
特に30代の女性では44.2%という半数近くが不安を感じているという結果です。
一方、「家族といっしょに食事をする頻度」は15%増えています。

国の施策として食育がスタートして今年度で7年目となりました。
5カ年を1単位とした「食育推進基本計画」も2期目の2年目を迎えています。

私も国の食育推進評価専門委員の1人として、先日、見解を述べました。
学校の先生方、生産者の方、企業の方、それぞれをどうつないでいくか、
また、農林水産省、厚生労働省、文部科学省の報告もばらばらで、つながっていない状態です。
今後は、情報を交換し、手を組んでいく体制作りが必要だと申し上げました。

2期目の「食育推進基本計画」の重要課題の1つが、
「ライフステージに応じた間断のない食育の推進」。
子どもから高齢者まで、継続しながら食育を進めていくこと、
中でも、子どもを育てる親・お母さんは、子どもの精神状態に大きな要素を持っていますので、
それを意識してほしいと思います。

国や全国の地方自治体が、どのような食育を進めているか、
それを知る機会として、今年も「食育推進全国大会」が行われます。

今年は、神奈川県の横浜市で6月16日(土)17日(日)の2日間。
みなとみらい地区のパシフィコ横浜とヴィアマーレというホールの2カ所に分かれて
行われます。私は16日のパネルディスカッションでお話しします。

いろいろな食育の進め方が紹介されていますので、どうぞお越し下さい。

<食のカッティング・ボード>
今回は「家庭菜園のすすめ」。

ご自宅の庭やベランダで、植物を育てていますか?その中で食べられるものはありますか?

作物を育てることは、物を作るプロセスを自分の目で確かめ、
物事の順番をわきまえていくという感覚につながりますので、
ぜひ、栽培に取り組んでみて下さい。

「ベランダ菜園」や「市民農園」など、日本でも増えつつありますが、
ドイツには、クラインガルデン(=小さな庭)という市民農園制度があります。
猫の額ほどの大きさのところで、家族が食べる分の野菜を育てています。
これらの作物は、ドイツで収穫される野菜の3割に該当します。
日本もこのようにできるといいですが、なかなか難しい状況です。

二十四節季の暦では、「立夏」を迎えています。
中国には こんなことわざがあります。「立夏には土地をすべて耕せ」。
まさに今、土地を耕して、作物を植える季節。
ご家庭で少しずつでもいいですから、食べられるものを育てましょう!

(281)子どもの食が危ない! 2012年02月15日配信

ある雑誌の調査で、小学5,6年生に聞きました。
「疲れやすい」と答えた子は58%。「体がだるい」と答えた子は53%。
最近は、低血糖症、低体温症、骨粗鬆症の子どももいます。
低体温症は、離乳食の時期に原因があるといわれています。

そして、「朝ごはんに野菜料理が一品もない子」は91%。
「晩ごはんに野菜料理が一品もない子」は47%。
野菜が必要な理由は、ビタミンと食物繊維の補強のためです。

野菜不足の他にも、子どもの食の問題は、「おやつの食べすぎ」「甘いものの食べすぎ」があります。
この結果、「カルシウム不足」「ビタミン不足」が起こります。

まずは、親が子どもの食事に配慮し、日常の食生活に力を入れることが大事です。
最近は、「○○ちゃん、何が食べたいの?」とオーダーを取る親もいるようですが、
「これを食べなさい」というのが、本来の親の姿。
親は子どもを指導するという立場に立って、ものを決めてほしいと思います。

嫌いなものをなくすのは、親の腕の見せ所。
食べやすい形にしたり、においを消したり、他のものと混ぜるなどして
好き嫌いをなくしてあげましょう。
子どもの体に良いものを選んで、健康な体作りをすすめて下さい。

<食のカッティング・ボード>
今回は「食品を囲む化学物質ついて」

食品添加物は、天然のものが400品目、化学合成のものが380品目ほどあります。
1人1日23品目を食べ、多い人で年2s、少ない人でも800g食べています。
調理済み加工食品に使われていることが多く、
カタカナやアルファベッドで表示されているもの、また「酸味料・保存料・着色料・酸化防止剤」など
働きがまとめて書いてあるものも食品添加物です。

食品添加物は厚生労働省が基準を決め、何種類もの添加物をかけ合わせる実験が行われていますが、
結果が出るまでに5年10年かかることもあります。
1つ1つは安全でも、いくつか添加物が重なった時がこわいということを
覚えておいて下さい。

農薬は、500品目ほどあります。
最近は、低農薬や有機栽培も増えてきました。
有機農法はお金がかかりますので、その分、国が面倒をみてもいいと思います。
また、農薬を使っている所と使わない所が隣接すると、使っていない所が大変な目にあいます。
横並びで農薬を使わないところが増えれば、害虫なども分散でき、望ましいわけです。

化学物質は、体に及ぼす影響が否定できない以上、厳しい目でチェックすることが必要です。

(280)見直そう!家族で共食 2012年01月18日配信

政府の食育調査によると、
同居している家族がいても「ほとんどいっしょに朝食を食べない」という人が25.5%。
この数字に、家族と食べるのが「1週間に1回程度」という人と「週に2,3日」という人を合わせると、
40%以上の人が「家族と毎日は朝ごはんを食べていない」という結果でした。
夕食の場合は、30%ほどの人が毎日はいっしょに食べていません。

家族といっしょに食事しないで一番問題なのは、子どもです。
子どもにとって、食卓は‘人間形成の場’。
親と一緒に家族そろって食卓を囲むことは、子どもの最初の社会生活です。

食卓は、子どもの規範意識を育てる大切なところ。
共食を通じて、規範意識をしっかり身につけさせてほしいと思います。

共食の回数を増やしましょう。
1週間で食事の回数は、3×7で21回。
調査によると、現在、家族がいっしょに食事をしている回数は、週平均9.2回。
この週9.2回を10.2回以上にするというのが、食育推進基本計画の目標です。

家族で食卓を囲む時は、
1.テレビを消すこと。携帯電話などを食卓に持ち込まないこと。
2.家族が同じものを食べること。
3.笑う食卓であること。
食事のおいしさは、素材や料理の腕だけではありません。
会話や表情といった味覚以外のものが、味を左右して、人格や人間性を育みます。
共食は、子どもの心を育む大切な時間なのです。

<食のカッティング・ボード>
今回は「メタボリックシンドロームについて」

現在、日本でメタボの人は920万人。メタボ予備軍は980万人。合わせて1900万人。
中年男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボまたはメタボ予備軍に該当します。
気になったら、まず、検診を受けましょう。
保健指導による改善効果がきちんと証明されています。

メタボの原因は、「食べすぎ」と「運動不足」です。

平成22年度の「国民健康栄養調査」によると、
「体重管理をしようと心がけている人は、男性67.8%、女性75.6%。
ただし「メタボにならないよう食事に気をつけ、運動をしている人」は、男性27.5%、女性24.2%。
この数字は、実行の難しさを示しています。

メタボにならないためには、
夜、あまり食べないこと。1日1万歩を目標に歩くこと。これが一番のおすすめです。

(279)TPP参加で、どうなる日本の食卓?
2011年12月21日配信

日本がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加することで
日本の食料自給率は、現在(平成22年度)の39%から14%に落ち込むという試算があります。
世界では新興国の需要増が見込まれ、
日本はこの先、今のように食料を手にすることが難しくなるでしょう。

日本の農業を支えていくために、「戸別補償制度」の見直しも重要です。
たとえば、ドイツなどでは農家1軒に付き一定金額を補償し、
さらに7割を国が買い取り、残り3割を自由競争で売れるようになっています。
他に仕事をしなければ生活できないという兼業農家が95%の日本。
これを何とかしなければなりません。

政府は、まったく準備をせずにTPPへの参加を表明してしまいました。
これからは、国内での調整、また世界との調整が課題といえるでしょう。

<食のカッティング・ボード>
今回は「食べ物の大量廃棄について」。

日本は世界で一番食べ物を輸入に頼っている国です。
日本の食料供給量は、年間9200万トンほどと言われています。
その一方で捨てられる量は、およそ2000万トン。2割強を捨てていることになります。

今年、世界の人口が70億人を超えました。
そのうち1割が飢餓に苦しみ、もう一方の1割が飽食で糖尿病などに頭を痛めています。
ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境活動家ワンガリ・マータイさんが、
今年9月、惜しくも亡くなりました。
彼女の活動の1つ、MOTTAINAIキャンペーンは日本が伝えていくべきものです。

FAO(国連食糧農業機関)から、日本は2025年までに食料の廃棄を半減するよう
求められています。
食料も‘省エネ’しなければならない大きな問題です。

(278)安心・安全な食材選び
2011年11月16日配信

食べ物を選ぶ時、それはどこでとれたものですか?どこで作られたものですか?
食品表示をきちんと見ていますか?
信頼できるお店で買っていますか?
食品添加物について勉強していますか?

以上のようなことを意識して選ぶことが大切です。

食品表示は、安心・安全な食べ物を選ぶ大切な情報です。多いに活用しましょう。
そして、食の情報にいつも耳を傾けることも必要です。

食の安心・安全を見極め、健康と命を支えていくこと。これが食育です。

<食のカッティング・ボード>
カッティング・ボードとは、まな板のこと。食にまつわる問題を取り挙げ、検証していきます。

今回は、「生活習慣病について」。
生活習慣病にならないための食生活のポイントは?
・3食規則正しく食べる ・夜遅くの食事は避ける ・野菜を積極的に食べる
・清涼飲料水は控えめに ・お酒は適量を。週2回肝臓を休める「休肝日」をつくる

現在、生活習慣病のがん・心疾患・脳血管疾患で亡くなる人は、死因の6割を超えています。
また、生活習慣病に対する医療費は、医療費全体の半分を占める勢いです。
今後、さらに増える見通しです。

食育には、生活習慣病の予防と医療費の増大を食い止めようという目的があります。
大人のあなたにも、食育が必要、というわけです。

(277)食育とは? 〜食育がすぐにわかる3つの柱〜
2011年10月19日配信

みなさんに「食育って何ですか?」と聞くと、2つの答えに分かれます。
1つは、「親子料理教室でしょ!」。もう1つは、「農業体験でしょ!」。
でも、それだけではありません。

食育とはどんなことなのか、わかりやすく3つの柱にまとめました。
1.安心安全健康になれる食を選ぶ力=「選食力」を高めること。
2.衣食住の伝承とともにとぎれた食のマナーやしつけを見直すこと。
3.食料問題・環境問題など、食にまつわる問題を理解すること。

この3つの柱が食育の基本です。食育の範囲はとても広いのです。

<食のカッティング・ボード>
カッティング・ボードとは、まな板のこと。食にまつわる問題を取り挙げ、検証していきます。

今回は、「日本の食料自給率について」。
あなたは、日本の食料自給率、答えられますか?

*** 番組からのお知らせ ***
2011年10月13日配信

この番組、『服部幸應の食育の時間Podcast』は、
2011年10月よりラジオ番組としてリニューアルいたします。

放送は、一部の地域を除きまして、下記のFM放送局でのオンエアとなります。
放送時間は、毎月第3水曜日・午前5時30分からです。

なお、月1回の配信となりますが、こちらのPodcastも継続いたします。
毎月第3水曜日のラジオ放送終了後、更新いたしますので
引き続きお楽しみ下さい。

いつも番組をご愛聴いただき、ありがとうございます。

【放送エリアネットFM局】
FM青森 FM岩手 FM秋田 FM仙台 FM山形 ふくしまFM FM栃木 FM群馬 
FM-NIIGATA FM長野 FMとやま FM石川 FM福井 K-MIX 岐阜FM FM三重
FM滋賀 Kiss FM KOBE FM山陰 FM岡山 HIROSHIMA FM FM山口 FM徳島
FM高知 FM香川 FM大分 FM佐賀 FM長崎 FM熊本 FM宮崎 FM鹿児島 
FM沖縄

(276)子どもの食生活改善!
2011年09月27日配信

疲れやすい子、元気のない子、アレルギーのある子。
今やこんな子どもたちは珍しくありません。
小児肥満、小児糖尿病、骨粗しょう症の子供さえいます。

今、子どもたちは、「変温動物化」しています。
朝、体温が低く、学校から帰ってくる頃、体温が高くなるような状態です。

この「変温動物化」は、離乳食を早めに始めた人に多いといわれています。
腸が未発達の時にたんぱく質を与えてしまうと、分解がうまくいかず
免疫力に支障が出ることが関係するようです。

今の小学生の食生活を見ますと、やはり野菜不足が問題です。
小学生が食べている野菜の平均は、1人1日240g。
必要量は1日300gで、小鉢1つ分ぐらい足りないことになります。
300gのうち、100gは給食で食べていますので、
家では残りの200gを色の濃い野菜と薄い野菜、1対2の割合で食べましょう。

子どもの食生活改善としては、この他に、清涼飲料水やスナック菓子を控えること。
清涼飲料水は、500_のペットボトルに3gのスティックシュガーが16本も入っています。
スナック菓子は、カロリーが高く、1袋で ごはん2.5杯分ぐらいあります。

今一度、子どもの食生活を見直して、元気を育ててほしいと思います。

(275)Wa-shokuの実力
2011年09月20日配信

和食を「世界無形文化遺産」にしようという動きがすすんでいます。
これはユネスコが審査しています。
日本では歌舞伎や人形浄瑠璃文楽などが登録されています。
文化や伝統、社会的慣習などの形になっていないものが「無形文化遺産」となります。
その対象範囲に「食文化」も含まれます。

昨年11月、フランス料理が登録されました。
また、スペインあたりの地中海料理、メキシコ料理もすでになっています。
今、韓国が申請中で11月に通ると思います。

和食の登録に向けて、農林水産省が検討会を開き準備を進めています。
動きだした背景には、原発事故で日本の農産物・海産物の輸出が大幅に落ち込んだことがあります。

世界的にアピールできる「和食」の特長は、
四季があり旬がある、油を使わずカロリーが低い、バラエティーに富んでいるなど。

食育として取り組んでほしいことは、
和食の「だしの味」「だしのおいしさ」を小さいうちから教えてほしいと思います。
だしのおいしさは、油を取らなくてもうまさが出ます。
特にこれから結婚される方は、家庭料理の範囲で結構ですので、
こういうことを知っておいてほしいと思います

だしの味は、繊細なおいしさで、それを味わうのが和食です。
いつまでも和食のおいしさが引き継がれていくようにしたいものです。

(274)栄養成分表示を活用しよう!
2011年09月13日配信

食品の「栄養成分表示」が義務化されます。
加工食品のパッケージに書かれている エネルギー・たんぱく質・ナトリウムなどの部分です。
消費者庁が義務化をすすめました。

原則、表示しなければならない栄養成分は、
エネルギー・ナトリウム・脂質・炭水化物・たんぱく質の5つ。
この順番で表示しなければなりません。

栄養表示の見方には2つポイントがあります。
栄養成分表示にあるナトリウムの量は、そのままイコール塩の量ではありません。
ナトリウムを塩分に換算する「方程式」は、「ナトリウム×2.54」。
これで塩に相当する量に換算できます。
これを知らないと、あっという間に塩分の取りすぎになりますので、注意が必要です。

もう1つは、栄養表示が「1袋50g当り」「100g当り」と書いてあることがあります。
1回でどれだけの量を食べるのか、表示と照らし合わせてみてください。
これも読み方を間違うと、食べ過ぎの原因です。

アメリカでは、1人が1度に食べる量で表示されています。
また、1日の必要摂取カロリーのどのくらいに相当するのか、パーセンテージも書かれています。

「トランス脂肪酸」や「飽和脂肪酸」、「糖分」「食物繊維」などの表示は、
今回、見送られました。

食育の大切な柱の1つが、安心安全で健康になれる食材を選ぶ能力です。
その第一歩が、食品表示を読み解く力といえるでしょう。

(273)学校給食と地場産物の活用
2011年09月06日配信

先日、食品安全委員会が「被曝基準」の答申案をまとめました。
内容は次のようになっています。
「人の健康に影響があるのは、生涯の累積で100ミリシーベルト以上」
「これには 普段から浴びている自然からの放射線量は含まれない」。
つまり、一生の累計で100ミリシーベルトを超えると、
健康でいられなくなる可能性が高いというわけですが、
これがわかりにくいと批判を集めています。

今回の「被曝基準」は、厚生労働省が食品安全委員会へ答申を求めたわけですから、
食品からの内部被曝の基準が示されるものと思っていたのですが、
結局、データが少なくて思うような答えが返ってきませんでした。

政府として、農林水産物のすべてに網をかけるわけにはいかず、
実際には被爆の被害が出ています。
半年前まで、セシウムやシーベルトなどの考え方を知らない人ばかりですので、
もう少しわかりやすく説明する必要があると思います。

米については、農林水産省が検査の方法を各自治体へ通達しました。
検査対象は、関東・東北地方です。

農産物だけでなく、海産物も含め、
食品と放射能の問題は、長期化することが確実です。
風評被害じゃない、本当の被害も出ていますので、
一人ひとりが長く関心を持ち続けてほしいと思います。

(272)学校給食と地場産物の活用
2011年08月30日配信

最近は、子どもたちが自分で育てた野菜やお米、近くの畑で取れたものを
学校給食で食べることが広がっています。

学校の「米飯給食」、ごはんを主食とした給食は、平成22年度で週平均3.2回。
平成21年3月に通知が出され、
それまで ごはんが週3回未満だった地域や学校は週3回程度に、
それまで 週3回以上だった地域や学校には週4回程度に、という内容でした。
食料自給率アップのためにも、給食でごはんを食べようというわけです。

ごはん以外でも、食育推進基本計画では、
地元で取れた産物を給食に積極的に使うことがすすめられています。
食育が始まる前の平成16年、給食に対する地場産物の活用率は21.2%でした。
平成21年度の活用率は26.1%と、少しずつ伸びてきています。
食育基本計画の目標は、これを30%以上にすることです。

すでに活用率が30%を越えているところが23道県あります。
北海道、岩手、宮城、茨城、群馬、新潟、長野、愛知、和歌山、鳥取、島根、岡山、
山口、徳島、香川、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島。
一方、まだ20%未満のところは、秋田、東京、神奈川、大阪の4つ。
これ以外の20府県は、20%〜30%の活用率です。

給食に地場産物を勧める理由は、
子どもたちが地元の産業・産物・食文化など地域への理解を深めること。
安全で新鮮な旬の食べ物を選ぶ目も養われます。
また、地域の人たちの目も学校に向きますので、教育に対する理解も深まります。
もちろん、エネルギーの節約になります。

給食を通じて、地域の産物を子どもたちに教えてあげることが、
地元の豊かさを守っていくことにつながります。

(272)学校給食と地場産物の活用
2011年08月30日配信

最近は、子どもたちが自分で育てた野菜やお米、近くの畑で取れたものを
学校給食で食べることが広がっています。

学校の「米飯給食」、ごはんを主食とした給食は、平成22年度で週平均3.2回。
平成21年3月に通知が出され、
それまで ごはんが週3回未満だった地域や学校は週3回程度に、
それまで 週3回以上だった地域や学校には週4回程度に、という内容でした。
食料自給率アップのためにも、給食でごはんを食べようというわけです。

ごはん以外でも、食育推進基本計画では、
地元で取れた産物を給食に積極的に使うことがすすめられています。
食育が始まる前の平成16年、給食に対する地場産物の活用率は21.2%でした。
平成21年度の活用率は26.1%と、少しずつ伸びてきています。
食育基本計画の目標は、これを30%以上にすることです。

すでに活用率が30%を越えているところが23道県あります。
北海道、岩手、宮城、茨城、群馬、新潟、長野、愛知、和歌山、鳥取、島根、岡山、
山口、徳島、香川、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島。
一方、まだ20%未満のところは、秋田、東京、神奈川、大阪の4つ。
これ以外の20府県は、20%〜30%の活用率です。

給食に地場産物を勧める理由は、
子どもたちが地元の産業・産物・食文化など地域への理解を深めること。
安全で新鮮な旬の食べ物を選ぶ目も養われます。
また、地域の人たちの目も学校に向きますので、教育に対する理解も深まります。
もちろん、エネルギーの節約になります。

給食を通じて、地域の産物を子どもたちに教えてあげることが、
地元の豊かさを守っていくことにつながります。

(271)震災時の食の情報提供について
2011年08月23日配信

最新版の食育白書の巻末には、特別に
「東日本大震災における食生活に関する情報提供等について」という経過報告が
記載されています。

震災後、私たちの食卓に大きな変化がありました。
この経過報告には、食についての震災時の対応が政府から示されています。

避難所での食生活については、厚生労働省が食事や栄養について周知を図っています。
全国の行政栄養士が被災地に派遣され、栄養指導・食生活の支援に当っています。
また、日本栄養士会も被災県の栄養士会と連携し、いち早く対応しました。
私も被災地を訪れましたが、温かいものを食べられない状況が続いていました。

学校給食については、文部科学省から、
調達可能なものなど実情に応じてできる限り給食を出すよう
各都道府県の教育委員会に通達がなされています。

食品の安全性についても記述があります。
これまでは、食品の放射性物質に対する規制値が食品安全委員会で作られていませんでした。
震災後、検討がなされ、結果的に厚生労働省は原子力安全委員会が持っていた規制値を
そのまま食品衛生法に当てはめました。
規制値を超えた放射性物質が検出された農作物は、
原子力災害対策本部長(=内閣総理大臣)が、自治体の長に対し出荷制限・摂取制限を指示します。
ただし、今回の牛肉のように検査対象外だったものや検査をすり抜けてしまうものもあります。

皆さんも、今後、安心・安全な食べ物を食べつづけるにはどういたらいいか、
Sustainable=持続可能な食の在り方とはどういうものか、
この機会に考えてほしいと思います。

(270)最新版食育白書より
2011年08月16日配信

平成23年度版「食育白書」が公表されました。

「朝食の欠食率」、朝食を食べない人が改善されていません。
食育が始まった当初、小学校5年生の3.5%が朝ごはんを食べていませんでした。
その後、文部科学省の「早寝早起き朝ごはん運動」などがあり、
現在、1.6まで改善されましたが、まだ食べてない子がいるということが問題です。
食育の目標は、子どもの朝食の欠食率をゼロにすることです。

この朝食を食べない傾向は、中学生になると2.9%、高校生になると15%を越え、
20代男性では33%と、増加傾向にあります。
20代・30代の男性の朝食の欠食率は、15%以下にすることが目標ですが、
改善されない状態がつづいています。

「食育に関心を持っている人」。
これは今、70.5%の人が「関心を持っている」と答えていますが、
平成20年3月から減少傾向です。目標値は、90%以上です。

「噛むこと・味わい方といった食べ方への関心度とその実践度」。
このような「食べ方」について、関心がある人は、70.2%。
3割もの人が食べ方に関心がない状態です。
メタボにならないためにもよく噛みましょう。
そして、子どもたちは正しい食べ方から、社会性も身につきます。
家庭のしつけとして、何回もくりかえし教えることが大切です。

(269)「共食」が重要課題!
2011年08月09日配信

今年4月、新たな「第2次 食育推進基本計画」がスタートしました。
計画のコンセプトは「周知から実践へ」。
これに加え、新たに3つの重要課題が設けられました。その1つが「共食」です。

重要課題では「家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進」と言っています。
こう聞くと、ちょっと難しいようですが、
「家族みんなで団らんしましょう!」ということです。

この団らん=「共食」が日本の家庭から減ってきました。

これまでの第1次の計画には、この「共食」が抜けていました。
今回、その大切さが改めて取り上げられています。

「共食」を通じて、家族という意識を持つことが大切です。
8歳ぐらいまでに「共食」の習慣を身につけてほしいと思います。
これは、味覚の発達にも関係しています。
お袋の味が定着するのは、8歳頃がピーク。味覚教育という点からも、「共食」は大事です。

最新版の食育白書によりますと、家族と食事を食べている人は半数ぐらい。
この数字が、なかなか改善されないのが現状です。

(268)食育推進全国大会パネルディスカッションより
2011年08月02日配信

静岡県三島市で行われた第6回食育推進全国大会。
大会の最終イベントとして、食育のパネルディスカッションが行われました。
司会は、静岡県立大学の学長で、食品衛生学・安全学がご専門の木苗直秀さん。
パネリストは、東京家政学院大学の名誉教授で、食文化史や教育史なども詳しい江原絢子さん。
京都の老舗料亭「菊乃井」のご主人・村田吉弘さん。
そして、私・服部幸應の3人でした。

今回は、私の発言部分のみをご紹介いたします。

健全な食生活のためには、食環境を整えることも大切です。
では、どんなことを整えればいいのでしょう?
食べる時の環境についてヒントを申し上げておりますので、お聞きください。

(267)講演「大切なものを失った日本人」C
2011年07月26日配信

今回は、食育推進全国大会で行った講演の最終パートです。

食卓におけるしつけの大切さ、子どものしつけの心得、
そして、参加者の方からのご質問も紹介しています。

伝統的な食卓がなぜ崩壊したのか、その意外な背景とは…?

(266)講演「大切なものを失った日本人」B
2011年07月19日配信

第6回食育推全国大会より、講演『大切なものを失った日本人』をご紹介しています。

今回は、食生活に見る親のしつけの変わり方。
問題を抱える子どもたちが増えたのは、どうしてなのでしょうか?

ニートや不登校の子どもたちが出てきた背景についてお話ししております。

(265)講演「大切なものを失った日本人」A
2011年07月12日配信

今回の食育推進全国大会は、静岡県三島市で行われました。
東海地区では初の開催となり、5万1千人もの来場者を記録。
大会初日には、蓮舫・食育担当大臣からの挨拶もありました。

前回より、この大会での私の講演『大切なものを失った日本人』をご紹介しております。

今回は、安心安全健康になれる食を選ぶ力について、
有機野菜・加工品の利用など。
また、家族で供に食べる「共食」の大切さを
今回の震災を例に挙げお話しおりますので、お聞きください。

(264)講演「大切なものを失った日本人」@
2011年07月05日配信

6月18日・19日、静岡県三島市で第6回食育推全国大会が行われました。
今年の大会は、内閣府・静岡県・三島市の共催。
会場では、食育に関する講演会や企業・地方自治体の展示、ワークショップや料理教室も行われていました。

今月は、その食育推進全国大会での私・服部幸應の講演の模様をお届けしたいと思います。
講演のタイトルは『大切なものを失った日本人』。

まずは、冒頭部分で、
食育とは何か?食育にはどんなことが含まれるのか?など、
食育の基本についてお話ししておりますので、お聞きください。

(263)「お酢を使って元気に」
2011年06月28日配信

梅雨をむかえております。じめじめ蒸し暑いこの時期は、
お酢をじょうずに使って、さっぱり酸味のある食べ物を積極的に食べてほしいと思います。

お酢は殺菌作用もあります。
疲れている時は、疲れのもと乳酸を分解し、免疫力を高めてくれます。
クエン酸サイクルという代謝効果は、ノーベル賞も受賞しています。
お酢は、英語でvinaigre ビネガーといいます。
これは、フランス語のvin aigre (ビネーグル)「酸っぱいワイン」から来ています。
名前の通り、お酒を発酵させて作るのがお酢です。

体の疲れは、体内に「乳酸」という疲労物質がたまっている状態です。
この「乳酸」をおさえて、排除してくれるのが「有機酸」といわれていて、
お酢の主成分がこの「有機酸」です。
「有機酸」は、お酢の他にも、梅干しやかんきつ類にも含まれていますので、
体がだるい時はすっぱいものがいいわけです。

そして、お酢はノンカロリーです。
脂肪になりやすい糖分を燃やす働きもあります。
肉をやわらかくする効果もあります。肉のタンパク質に働いて、肉がやわらかくなります。
パンバーグのひき肉にお酢をちょっと入れると、ジューシーなハンバーグができます。

和食では、「酢の物」があります。
「加減酢」「八方酢」など、お酢の使い方をいろいろ覚えましょう。
洋食では、「マリネ」「ピクルス」「ドレッシング」など。
おすすめは、すりおろした玉ねぎとオリーブオイル・酢・塩コショウを合わせたオニオンドレッシングです。

夏の暑さも年々厳しくなっています。お酢を上手に使って、元気にお過ごし下さい。

(262)食への判断力を養おう
2011年06月21日配信

被災地を「食」で応援しようという運動が広がっています。
農林水産省の復興アクション「食べて応援しよう!」では
被災地やその周りの食べ物をイベントやフェアでバックアップしています。
牡蠣のオーナー制度などもすでに始まっています。

その一方で、福島第一原発の事故の影響がじわじわと農産物・海産物に及んでいます。
出荷制限が解除されている野菜もありますが、
忘れてはならないのが、今も放射性物質の放出や流出が止まっていないということです。
なぜ放射性物質がいけないか、知っていますか?
放射能が体に入ると、活性酸素が増え、細胞を傷つけてさびさせます。そして癌になります。ポリフェノールを食べると活性酸素が減ります。
実は、ポリフェノールを発見した流れは、放射能物質をいかに体の外に出すかという
研究の中で見つかったものです。

ちょうど八十八夜を過ぎた頃、神奈川県の一部のお茶の葉からセシウムが検出されました。
原発から300キロ離れたところでした。チェルノブイリでは600キロ離れたところでも
検出されています。
お茶の他にも牧草、わかめ、ムール貝などから次々に検出されています。
牛の放牧は、5月から本格的に始まりますが、乳製品や食肉への影響が心配です。
何ミリまで食べていいのかというのは、非常に難しい問題で、国の責任です。

この3月に内閣府から発表された「食育の意識調査」でこんな結果がありました。
「食に関する情報をいろいろな情報源から探していますか?」。
「探している」と答えた人は42%。探していない人が約60%。

食の安心安全は、他人まかせでなく、自分で判断する力を養うことが大切です。
結果的に、個人の判断力が高まれば、
安心安全健康になれる食べ物を選ぶ能力が身につくことになります。

(261)今、見直そう!食育
2011年06月14日配信

6月は「食育月間」です。
全国各地、皆さんのまわりでも「食育」に関するお知らせやイベントが行われていると思います。
6月18日・19日には、第6回「食育推進全国大会」が静岡県の三島市で行われます。

最近は「食育を知っている」という人が増えましたが、「では中身は?」と聞くと、
次の2つの答えが返ってきます。「親子料理教室」と「農業体験」。
これも食育に含まれますが、それだけではありません。

食育は、大きく分けると3つの柱に分けることができますので、ぜひ覚えて下さい。
1.どんなものを食べたら安心安全健康になれるか、それを選ぶ力(選食力)
2.食のマナーやしつけを見直すこと
3.食料問題・環境問題をきちんと知ること

たとえば、食料自給率に関しても、日本人は無関心のようです。
世界の国で自国の食料自給率を聞いてみると、高いところで74%、低いところで42%の人が、
自国の食料自給率を答えることができます。日本で食料自給率を答えられる人は、0.5%。
もっと興味を持ってほしいと思います。

子どもたちから「食育って何ですか?」と聞かれた時、
皆さんがこの3つの柱を教えてあげられるようにしてください。
これから勉強しようという子どもたちの意欲に、答えていただきたいと思います。

食育基本法では、「食育は生きる上での基本で、知育・徳育・体育の基礎となるべきもの」
と位置付けています。
今一度、食育の大切さを考えて見てほしいと思います。

(260)細菌性食中毒に注意!
2011年06月07日配信

牛肉を生で食べる「ユッケ」というメニューで食中毒が発生しました。
今回は、細菌性食中毒で、腸管出血性大腸菌O−111によるものです。80度1分で死滅します。
反芻動物の胃から生まれる菌です。
ユッケに似た「タルタルステーキ」は、実は馬肉を使います。馬は反芻動物でないからです。

これまでレバー以外で、生食用の牛肉というのは存在していません。
今回の食中毒を受け、厚生労働省は食品衛生法で新たに「生食用の肉に対する基準」を
設けることになりました。新しい基準では、食中毒のある、なしに関わらず、
罰則が科せられることになります。

一昨年行われた東京都の食品安全情報評価委員会の調査では、
3カ月以内に肉を生で食べた人は、4割にも のぼっていました。
生食のメニューは「牛肉のユッケ」「牛肉のタルタルステーキ」「牛のたたき」「馬刺し」「とりわさ」など。
飲食店の半分以上が、卸業者や店の判断で、生肉をお客に出したことがあると答えています。

食中毒の発生は、その60%が毎年7〜9月の3か月に集中しています。
特に、抵抗力の弱い子どもたちは注意が必要です。

細菌性食中毒の原因となる菌は、
サルモネラ菌 ⇒台所のネズミやゴキブリなどから発生する菌。
10万個になっていないと胃の中で死んでしまいます。
カンピロバクター ⇒鶏肉などにあります。75度2分で死滅します。
腸炎ビブリオ ⇒「塩」を好む菌です。海の魚などは、真水でよく洗いましょう。
黄色ブドウ球菌 ⇒耐熱性の菌で、菌を包んでいる芽胞が毒素を発生。絆創膏を貼っての調理は厳禁。
セレウス菌・ウェルシュ菌 ⇒自然界に存在します。よく加熱しましょう。

まずは、調理や食事の際、手をよく洗う事が第一。調理器具も清潔に!
充分加熱する、買ってきたらすぐ食べる、調理したものもできるだけ早く食べる。
冷蔵庫を過信しないことも大切です。

(259)健康につながる正しいダイエット
2011年05月31日配信

食べたエネルギーより使ったエネルギーのほうが少ないと、太ります。
使うエネルギーは、仕事や年齢によって様々。
16〜17歳頃がエネルギーを必要とするピークで、37〜38歳ぐらいになると
エネルギーが燃えにくくなって太りやすくなります。

ダイエットが必要な人は、メタボの人。メタボになりかけの人。
食べることはほどほどにして、運動です。運動しないと絶対無理!
運動すれば生活習慣病も防げて、いいことづくめです。

逆にダイエットが必要でない人は、BMI (体重を身長の二乗で割った数値)が18.5未満の人。
こういう人は積極的に食べてください。
特に、年齢を重ねるごとにたんぱく質を意識してとりましょう。

ダイエットが必要な人も次のことを守りましょう。
「食べないことが一番体によくありません」
「ダイエット食品は薬事法で認められた医薬品ではありません。使う時には充分な注意が必要です」

肥満は、大人も子供も、ストレスが関係しているといわれています。
ストレスのない時代には肥満や肥満による病気は少なかったのです。

月に1キロぐらいのペースがいいのかもしれません。1週間で1キロは早すぎます。
思い切って!という人は、4週間で2.5キロ、8週間で5キロぐらいが目安です。
シャープで美しい姿は、健康そのものにつながります。

(258)野外食のすすめ
2011年05月24日配信

行楽の季節。太陽の下、月や星空の下で食事をするのは楽しいものです。
我々は「おもてに出る機会」と「炎を見る機会」が減っています。
昔は、たき火をよくしました。
火の番をしながら、食べ物を焼いて食べ、おいしいかったですね。

最近の子どもは、そういう経験が少ないと思います。
もっともっと野外へ出て食事をする機会を増やしましょう。
火を見たことのない子、マッチが擦れない子、たき火の火を起こせない子…。

「料理」と「火」は切っても切れないものです。料理には「火加減」がとても大切です。
火加減を自由に操れるようになるには、
やはり実際に火を使って いろいろ試す経験が必要です。
たき火の経験は、子どもたちに 火の怖さと便利さを 身をもって学ばせるいい機会です。

バーベキューの語源をご存知ですか?
バーベキューという言葉は「英語」ですが、
元は、スペイン語のbarbacoa(バルバコア)、つまり「網で焼いた肉」のことです。
我々の原点は、火であぶって食べることでした。

肉を食べると、アナンドマイドという物質が脳を刺激して心に幸福感を与えてくれます。
家族そろって肉を食べることは意味のあることです。
ぜひ機会を見つけて、屋外での食事を楽しいでほしいと思います。

(257)震災の米への影響
2011年05月17日配信

米は日本の最も重要な農産物です。その米に心配なことが出てきました。
田んぼの塩害です。
宮城県だけでも山手線の内側の2倍、被害を受けた6県を合わせると
山手線内の4倍の農地が海水をかぶりました。
これは10万トンの米がとれる面積だと言われています。

塩害を取り除くには、何度も何度も田んぼに真水を入れて土を入れ替える作業をするしかありません。
作物が育つようになるまでに2年。もとに戻るには5年以上かかると言われています。

さらに、放射能汚染の問題が起き、作付け制限の規制値も発表されました。
政府に規制される前に作付けを中止した自治体もあります。
イネを植えてから米ができるまでに、土の中の放射性セシウムは10分の1が吸収されます。
セシウムの半減期は30年と非常に長いため、来年以降も作付けができない恐れもあります。

政府は、収穫時期にも検査をし、
放射性セシウムの暫定規制値1キロ当たり500ベクレルを上回るものは出荷を規制するとしています。

皆さん各自で、情報を確認しつづけることが大切です。
食育の基本となるのが「安全・安心な食材選び」。
食育は、今回のためにできたわけではありませんが、
まさにこれからは、食育意識をいつも持っていてほしいと思います。

(256)水産業への被害について
2011年05月10日配信

震災から2カ月。被害を受けた漁船の数は1万8千隻以上。金額にすると1150億円。
被災した漁港の数は315港。金額にすると3781億円。
養殖施設の被害は510億円。被害総額はおよそ5746億円で、
農業・林業と合わせると1兆円を上回りました。
被害額の半分以上を水産業が占め、被害が最も深刻です。

三陸沖は世界3大漁場の1つで、回遊魚の15%、養殖21%、加工品31%、
日本の漁業関係全体の2割ほどが被災地の海でまかなわれていました。

インフラだけでなく、漁業関係者の方の多くも被災されています。
現在、漁業関係者は210万人といわれ、65.3歳以上の人が5割を占めています。
10年後の漁業関連従事者は150万人ほどと推定されていましたが、
震災の影響で減少傾向が加速して、100万人ほどとなる見込みです。
今、魚の自給率は57%ですが、3分の1ぐらいになるでしょう。
そして、食料全体の自給率も、現在はカロリーベースで40%ですが、
この先、30%の前半になる可能性があります。35%を切ったら国家として危ないといわれています。

食の安全保障という点で、いざという時のために動いておかなければならなかったものを
これまで何もしていませんでした。こういう事態になってから知ったのです。
政府や民間が食の安全保障について、どのような割り振りをするのか、
きちんとしてほしいと思います。

まずは、現地のものを買いましょう。元気づけには経済が一番です。

(255)野菜と放射性物質
2011年05月03日配信

原発の事故で食べ物や水での放射性物質の汚染が報告されています。
目に見えないものですから、不安に思わる方も多いことでしょう。

13年前に原子力安全委員会によって、食べ物の「摂取制限の指標値」が作られました。
ふつう「食の安全」といいますと、厚生労働省や内閣府の「食品安全委員会」の所管ですが、
これまで「食品衛生法」では、食品への放射能の被害が想定されていませんでした。
そこで、急きょ、食品安全委員会で検討がなされ、
従来の原子力安全委員会の指標のままでいこうということになりました。
これを受けて、厚生労働省が正式な規制値を策定したという流れです。

1年間の被曝許容量は、放射性ヨウ素で50ミリ・シーベルト、
放射性セシウムで5ミリ・シーベルト。
そして、野菜の規制値は、セシウムの場合、1キロ当たり500ベクレルということで、
仮にこの500ベクレルの野菜を、日本人1人あたりの1日平均野菜摂取量288gずつ
毎日食べたとしても、年間の被曝量は0.67ミリ・シーベルト。
許容量の5ミリ・シーベルトを下回ることになります。
だから安心だというわけですが、学者によって意見は様々です。

海洋汚染、そしてこのまま放射性物質が出続けて蓄積していくとたいへんです。
癌になる確率が高くなるからです。
たしかに、今は安全ですが、5年後10年後が心配です。
これからどう自分たちを守っていくかという防御態勢を考えてください。

(254)ガンを予防する食生活
2011年04月26日配信

厚生労働省が発表している人口動態統計によると、日本人の死因のトップは癌です。
2009年のデータでは、死亡率1位が「癌」で30.1%。
2位「心疾患」15.8%、3位「脳血管疾患」10.7%となっています。
今は、日本人の3人に1人が癌で亡くなっていることになります。

漢字でガンという字は、やまいダレに品物の山 「癌」と書きます。
飽食の時代を象徴するような病気といえますね。

アメリカの癌研究協会などが発表した『食品・栄養とガン予防』という報告書によると、
癌にならないためには「野菜・果物・穀物など 植物性の食品を中心に食べて、
動物性の脂っぽいものは避け、塩分を控えめに。そして運動でカロリー消費する。」と
まさに食育の基本の食べ方が書かれています。
また、これはアメリカでの推奨例ですが、野菜や果物を毎日400g〜800g、
デンプンやタンパク質を含む穀物や豆類など植物性食品を1日600〜800g、
塩分は6g以下。これらが癌にならないための 国際的なガイドラインとなっています。

毎年、世界で1千万人ほどが癌にかかっていますが、食生活を改善することで
1千万人のうちの300〜400万人が癌にかからなくてすむという報告もあります。

まずは、ビタミンのエースといわれるビタミンA、ビタミンB、ビタミンCと
食物繊維などを積極的にとるようにしましょう。

癌は、我々が思っている以上に増えてきています。長寿の影響もあります。
普段の食生活で、病気を予防するという心がけが大切です。

(253)料理にはツボがある!
2011年04月19日配信

皆さん、普段、料理はどのくらいしていますか?
食事は1日3度ですので、料理も3回というのが当たり前といえば当たり前なんですが、
今は、外食や中食の調理済み加工食品を買って食べることも多くなりました。

外食や買ったものは確かに便利ですが、安心・安全・健康を考えると、
自分で作ったものが一番です。
しかし、こんな経験はありませんでしょうか?
「がんばって作ったけど、おいしくなかった。」
「本のとおりにやったけど、うまくできなかった。」

料理の本には、やり方や手順は書いてありますが、
「なぜそうするとおいしくなるのか」が書いてありません。
おいしくなるツボさえわかれば、普段の料理が格段に変わります。

たとえば、カレーに使う肉は最初に炒めます。生のまま煮込みません。
どうしてでしょうか?
また、カレーのルーは、いったん火を止めてから入れるのはどうしてかご存知ですか?
答えは、本編をダウンロードしてお聞きください。

このようなおいしくなるツボを知れば、
調理本に書いていない微妙な火加減や 足りない食材を他で代用するワザも身につきます。
次第に応用できるようになると、レパートリーもグン!と増えて料理が楽しくなります。

料理の基本は、大きく分けて3つ。「だし」「塩梅」「火加減」です。
ここに加える4つ目は「切り方」。この4つを知ればオールマイティです。

おいしくなるツボをしっかりおさえて、楽しく料理をしていただきたいと思います。

(252)食料価格の高騰について
2011年04月12日配信

食べ物の値段が世界的に上がり続けています。
国連食糧農業機関(FAO)の発表によると、世界の食料価格指数は上昇を続け、
1990年の調査開始以来、過去最高を更新しています。

世界銀行からの発表でも、世界の食料価格は1年前の29%上昇。
これは「危険水準」とまで言われています。
日本も今季は「値上げの春」。
コーヒー、砂糖、食用油、小麦粉など様々な食べ物が値上がりしています。

農林水産省が2020年、あと9年で食料価格がどれだけ上がるかという試算を出しています。
それによると、
食料高騰が深刻だった2008年と9年後の2020年を比べ、
上昇率がトウモロコシでは35%、小麦24%、コメは31%も値上がりすると
予測されています。
エサ用の穀物も上がります。
9年後には豚肉が今より32%、牛肉が46%も高くなるという試算です。

さらに、69億人といわれる世界人口も増え続ける一方です。

そんな試算が発表された後に、日本は震災にあいましたので、
しばらくは、農水産物も値上がりするのはやむを得ないでしょう。

自分の国で出来るものをもっと増やすこと。これが日本の緊急課題です。
フランスでは、「青年就農交付金制度」が1973年に導され、その後30年で
農業などに就く40歳未満の若い世代が倍増したという事例があります。

一人ひとりの意識として、食べ物に対する先を見据えること。
これが価格の安定にもつながってくるのではないでしょうか。

(251)新・食育推進基本計画のポイントは?
2011年04月05日配信

震災の影響が食にも表れています。特に食べ物は作物ですので、今後が心配です。

被災にあった場所は、東北地方。各県の食料自給率が100%を超えていました。
この震災で、回遊魚15%、養殖25%、練り製品など31%ダウン。
2年後の食料自給率が一挙に30%そこそこになってしまうのではないかと思います。

そして、原発の影響で、放射線がじわじわとしのび寄っています。
今は何も影響が出ませんが、5年後が心配です。
自然界にあった放射線ではないので、「平気だ」という一言で片付けてほしくないと思います。
風評被害でないものもあるということを含めて、考えなければなりません。

食について、これからは「安全保障」という面からも考えることが大切です。
「安全保障」というと、戦争と関連あるように思う人が多いのですが、そうではありません。
「もし電気が止まったら」「もし水道が止まったら」と同じように
「もし食べ物がなくなったら…」ということを考えておきましょう。
今回、その「もし」が「もし」でなくなりました。
いざという時のためにという考えさえ、されていなかったのが現実です。

今回、日本は大きなダメージを受けましたので、地産地消どころではなくなりました。
自分の国で食べ物が作れない状態です。
外国は、もう日本には売らないと言いだしたり、
日本が他の国に買い負けする事態がすでに起きています。

我々は、今後、どんなものを食べていくかということを考えなければなりません。
日本は、相当贅沢を知りました。身を慎むことも大切かもしれません。
ぜひ「食の安全保障」、
国に任せないで、自分たちがどうするか考えることが大切です。

(250)新・食育推進基本計画のポイントは?
2011年03月29日配信

この4月から始まる第2次食育推進基本計画では、
具体的な施策についても新しくなりそうなところがあります。

まず、家庭における食育として「しつけの問題」も取り上げられてきます。
今までは、しつけは当たり前として取り上げられてきませんでしたが、
しつけができていない家庭が増えてきました。
家庭教育として、学校に上がる前の食卓でのしつけがポイントです。
また、「子どもが自分で調理をつくる体験を増やすこと」も盛り込まれる予定です。

学校や保育所などでは、従来、「栄養不足にならないように」という視点でしたが、
これからは「栄養の取り過ぎ」も視野に加え、適切なバランスについて指導する方向です。
また、アレルギーを持つ子どもに対して
栄養教諭が個別に相談や指導をすることも新たに盛り込まれそうです。
栄養教諭はまだまだ足りない現状です。

地域での食育推進としては、歯科など歯の健康にかかわる分野から
かみ方や食べ方についての支援をすることも加えられそうです。

今後は、「高齢者に対する食育の推進」「男性に対する食育推進」も盛り込まれます。

さらに、すべての世代で食育を実践してもらうための手引きとなる「食育ガイド」を
作る方向で進んでいます。

(249)食育の新しい目標値 その2
2011年03月22日配信

今回は、新しい食育推進基本計画に設定される予定の目標値のうち6〜11について。

6.「メタボリックシンドロームの予防や改善のための適切な食事、運動等を
継続的に実践している国民の割合の増加」
メタボの「認知度」を目標としたこれまでは、目標を達成しました。
新規は、メタボにならないよう「実践」を目標にしようというものです。
目標値は、国民の50%以上が実践すること。

7.(新)「よく噛んで味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合の増加」
食べ方への関心を深めること。その国民を80%以上にするという目標です。

8.「食育の推進に関わるボランティアの数の増加」
現在、食育にかかわるボランティアは34万5千人と推定されています。
これを37万人まで増やす目標です。

9.(新)「農林漁業体験を経験した国民の割合の増加」
これまでの第一次食育推進基本計画には、「教育ファームの取り組みがなされている
市町村の数を増やす」というのがありましたが、あまり結果が出ませんでした。
この項目についての具体的な目標値は、現在、検討中です。

10.「食品の安全性に関する基礎的な知識を持っている国民の割合の増加」
食品の安全性について「基礎知識を持っている」と答えた人は、現在55.6%。
これまでの目標値の60%以上がまだ達成されていませんので、引き続き
この目標値となる予定です。

11.「食育推進計画を作成・実施している市町村の割合の増加」
これまで都道府県においては100%推進計画が作成・実施されました。
ところが、市町村は目標50%以上に対して39.5%しか行われていません。
今後は、100%の市町村で食育推進計画を作って実施することがすすめられます。

以上、11の食育推進のための具体的な目標値が現在検討されています。
正式なものがまもなく決定されますので、ご注目下さい。

(248)食育の新しい目標値 その1
2011年03月15日配信

この4月からスタートする第2次食育推進基本計画の展望をお話しています。

具体的な目標値について、1〜5項目まで見ていきましょう。
これまでの食育推進基本計画にも9つの目標値がありましたが、
新規は、11に増えるようです。

1.「食育に関心を持っている国民の割合の増加」
第一次の目標は、平成22年度までに90%以上でした。現状は71.1%。
このところ、横ばいか、若干上向きという傾向で、目標をまだ達成していません。
平成27年度までに90%以上という目標値になりそうです。

2.(新)「朝食または夕食を家族と一緒に食べる「共食」の割合の増加」
現状の、家族と一緒に食事をする回数は、週9.1回。
目標値は、10.2回以上となりそうです。

3.「朝食を欠食する国民の割合の減少」
これまでの目標値は、子どもの欠食率をゼロに、20代・30代男性は15%以下。
しかし、現状値は子ども1.6%、20代30代男性の約30%が欠食しています。
今後も引き続き、子ども0%、20〜30代男性で15%以下となる予定です。

4.「学校給食における地場産物を使用する割合の増加」
今、26.1%ぐらいまできています。これまでの目標30%以上をまだ達成していませんので、
引き続き30%以上が目標値となりそうです。

5.「栄養バランス等に配慮した食生活を送っている国民の割合の増加」
これまでは、「食事バランスガイド等を参考に…」というようになっていましたが、
これが「栄養バランス等に配慮した…」と変わっています。
何を参考にすべきかなど、具体的な文言は検討中です。
目標値は引き続き60%以上を予定しています。

続きは、また次回お話いたしましょう。

(246)新・食育推進基本計画の概要
2011年03月01日配信

この4月からスタートする新しい「食育推進基本計画」が最終調整に入っています。
平成18年度〜22年度までの第一次食育推進基本計画に続き、
平成23年度〜27年度まで、先の5年間を見据えた第2次計画となります。

新しい食育推進基本計画の「概要」から、その展望をお話しましょう。

新しい概要には、今までにはない「コンセプト」が設けられそうです。
そのコンセプトは、「周知から実践へ」。
今までの結果を検討し、それよりもっと具体的なものを組み合わせ、
できなかったところを実践していこうというものです。

同じく「概要」として、「3つの重要課題」も設定される予定です。
1つは、「生涯にわたるライフステージに応じた 間断ない食育の推進」。  
すべての世代に「とぎれることなく」「たえまなく」食育を進めようということです。

2つ目は、「生活習慣病の予防および改善につながる食育の推進」。
予防は今まで行ってきましたが、どこをどうすれば生活習慣病がなくなるのか、
改善を進めることにポイントが置かれています。

3つ目は、「家庭における共食を通じた子どもへの食育推進」。
子どもは、家族といっしょに食事をすることが大事です。
「家庭は昔に戻れない」という発想が一般的なようですが、
私は「家庭を基本に戻すこと」をしないとならないと思っています。

この「周知から実践へ」というコンセプトと3つの重要課題。
ここに皆さんから寄せられたパグリックコメントを反映させて、
新しい「食育推進基本計画」が、まさに今、まとめられています。

初心に返り、わかりやすい捉え方が大切ですので、
今後も、そのような方向にもっていきたいと思っています。

(245)中学生・高校生の食育
2011年02月22日配信

食育というと、小さなお子さんや小学生のためのものと思っている方が
いまだに多いのですが、食育は、すべての世代に必要なものです。

中学・高校になると、塾や部活で忙しいからと、親も家の手伝いをさせなくなります。
インスタントやコンビニなどの簡単な食事は、子どもでもできるようになります。
しかし、「二十歳までは親の責任」です。
子どもが何を食べているか、どんな食べ方をしているか、
正しい食事と良い食習慣を身につけさせるのは、親の責任です。

中学での食育のポイントは、たとえば、
バランスのよい食事がどんなものか伝え続けること。
食事を自分で作れるよう調理の技術を身につけさせること、など。

高校でのポイントは、たとえば、
食事と健康の関係、食習慣と生活習慣病の関係を理解すること。
女子の痩身志向を正すこと。
バランスのよい食事、正しい食べ方を身につけること。
自分で自分の食事が作れること。調理が一通りできるようになること。
食料問題、農業問題、環境問題など、食に関わる社会の問題を知ること、などです。

そして、中学・高校生は、寝る時間がだんだん遅くなります。
この結果、朝眠くて起きられない。ギリギリに起きて朝ごはんが食べられない、
夜食を食べすぎて、朝、食欲がない。この悪循環が問題です。
大人になって朝ごはんを食べないきっかけが、中学や高校から始まっています。

自立にしたがって、自分の生活習慣を管理できない子が増えています。
中学・高校で食育不足にならないよう、親御さんもがんばって下さい。

(244)お弁当と食育
2011年02月15日配信

先日、私が審査委員長を務めた「バランス弁当コンテスト」が行われました。
きれいなお弁当が多く、前日からお弁当を意識しておかずを残しておいたり、
地元で取れたものを入れる人もいました。

お弁当作りとは、食事を考えるきっかけになり、食育の観点からも大切なことです。

お弁当の栄養バランスをとるには、緑・黄・赤・白・黒の黒を頭に浮かべましょう。
彩りがバランスのヒントになります。

お弁当のご飯をもっと増やして、おかずを少なめにしましょう。
ごはんは全体の量の3分の2程度が目安です。
おかずのほうが多いお弁当がありますが、それではおかずの食べすぎです。

中学生以上は、自分で作ることが大切です。
お弁当を作ることで学ぶことがいっぱいあります。
食べることの大切さ、食事を作ることの大切さ、食材に感ずる知識、
地産地消費の意識など、お弁当作りは食生活を考える良いきっかけになります。

「食べること」すべてに通じる大切なものが詰まっているのが、お弁当です。

(243)体重管理について
2011年02月08日配信

最新版の国民健康・栄養調査より、体重管理についてお話しましょう。

「食事や運動など、メタボ対策を実践している人は3割未満」という結果でした。
もっと真剣にやりましょう!

BMI25以上の肥満の人は、男性30.5%、女性20.8%。
肥満は、男性の20代〜60代で増加傾向にあります。
一方、BMIが18.5未満のやせの人は、男性4.4%、女性11%。
特に20代女性の22.3%がやせの状態です。ちょっと多いですね。
ほどよい体のコントロールができるようにしましょう。

肥満もやせも、どちらも問題を抱えていますので、
まずは、ご自分のベスト体重を知ること。そして、朝晩、体重計に乗ること。

「体重管理をしようと心がけているかどうか」。
男性67.8%、女性75.6%が「はい」と答えています。
気にはしていますが、実践している人は、男性27.5%、女性24.2%でしたので、
実行の難しさが数字に表れていますね。

「自分にとって適切な食事の量や内容を知っている」と回答した人は、
男性75%、女性78.2%。これは非常に高い数字です。
しかし、繰り返しますが、実践できている人は3割未満でしたので、
食事をコントロールすることは、とても難しいということです。

「運動習慣があるかどうか」。
運動習慣がある人は、男性32.2%、女性27%。前年に比べてほぼ横ばい。
ちなみに、運動習慣の基準は「1回30分以上の運動を週2日以上、
それが1年以上続いている」という状態です。

1日の平均歩数は、男性7214歩、女性6352歩。
厚生労働省の「健康日本21」の目標は、男性9200歩以上、女性8300歩以上。

体重管理。私も気をつけますので、皆さんも気をつけて下さい。

(242)最新版 国民健康栄養調査より
2011年02月01日配信

平成22年12月、最新版の「国民健康・栄養調査」が発表されました。
厚生労働省が毎年行っている調査で、結果を今後の健康増進の基本資料としています。
現在の日本人の栄養状況を知って、食育に役立てていただきたいと思います。

今回は、食生活と栄養に関するもの。

朝食の欠食率(朝食を食べいない率)は、男性14.1%、女性10.1%でした。
特に、男女とも20代30代で食べない人が目立ち、
20代男性の33%、30代男性の29.2%、20代女性の23.3%の人が 朝ごはんを食べていません。

野菜の摂取量は、目標の1人1日350g以上に対し、現状は295.3g。
あともう一握りの野菜を食べましょう!
年代別で見ると、一番多く野菜を食べているのが60代で1日339.6g、
次に70代で306.4g。一番少ないのが20代で241.9g。
20代が一番きちんと食べなければいけない世代です。もっと意識しましょう。

食塩の摂取量は、成人男性の1日平均が10.7g、女性が9.9g。
2010年の「食事摂取基準」による目標は、男性9g未満、女性7.5g未満ですので
やはりオーバーしています。

「脂肪エネルギーの比率」(1日に食べた総カロリーのうち脂肪分から取った エネルギーの割合)について。
総カロリーの30%以上を脂肪から取っているというのは危ない人です。
若い人ほど脂肪から取っているエネルギーの比率が高く、
20代女性で30%以上という人は44.2%。20代男性では37%。
若い人ほど危険な食べ方をしています。
脂肪は、40年前と比べると8倍も取っています。気をつけましょう。

(241)「遺伝子組み換え作物」について
2011年01月25日配信

遺伝子組み換え作物の栽培面積が世界的に伸びています。10年で3倍にもなりました。
世界の栽培面積は1億3400万ヘクタール(2009年)。
どのくらいの大きいかといいますと、日本の全耕作面積の30倍ほどに当ります。

増えている理由は、病気や害虫に強く栽培しやすい、栽培の効率がいい、
栽培条件の悪い途上国では食料の安定確保にもつながるなど。

日本で「遺伝子組みか作物」というと悪いイメージの方が大きいですが、
この先の食料問題を考えると、「危険性」ばかりを指摘していられません。

世界の遺伝子組み換え作物の作付面積上位6カ国は、
1位がアメリカ、以下、ブラジル、アルゼンチン、インド、カナダ、中国。
主な作物は、大豆とトウモロコシ。他、綿と菜種。トマトやピーマンなどもあります。

世界の全作付面積に対して、遺伝子組み換え作物の占める割合は、
大豆では77%。すでに半分を超えています。トウモロコシでは26%。
そして、日本は、今、大豆の消費量の94%を輸入にたよっています。
トウモロコシでは99%以上が輸入です。
このような状況を考えると、日本へ輸入された大豆やトウモロコシに
遺伝子組み換え作物が混じっている可能性は、否定できません。

2010年10月、名古屋で行われたCOP10の関連会議では、
万が一、遺伝子組み換え作物で被害が出た場合、
開発や輸送等に関わった企業が補償をしなければならないという国際ルールができました。

日本の食品表示では「遺伝子組み換え」の表示が義務付けられています。
しかし、油や醤油など製造の過程で組み込まれたものや
遺伝子を組み換えたタンパク質が検査で検出されない場合は、表示は義務付けられていません。
また、原料の重さの重い順3つ以内で、原料の5%以上に当らないものは、
表示が省略できることになっています。

今後、遺伝子組み換え作物が増えることは確実ですので、
情報をUpdateしておくことをお薦めします。

(240)イクメンも食育!
2011年01月18日配信

「イクメン」=育児を積極的に楽しむ男性が増えているそうです。
私の時代は、男は手伝いませんでしたので、評判が悪かったですね。

男性と食育を結びつけた場合、男性はライフステージごとに食育の在り方が違ってきます。

たとえば、20代30代の若い世代の場合、
一人暮らしで食生活が乱れ、朝食を食べなくなる男性が増えています。
また、脂肪分や糖分・塩分が多い食生活になりがちですので、気をつけましょう。

結婚して家庭を持つようになると、子どもに対する食育も男性の大切な役割です。
今は、男女平等という考え方ですが、確かに「人権」という意味ではそうあるべきです。
しかし、男性と女性には性差があり、我々が「哺乳動物」であることを考えると、
子育てに関する役割は男女で違ってきます。分担しながら担うことが大切です。

男性の子育て世代は、働き盛りでもあります。
毎日残業で、平日は家族といっしょに食事ができないという男性も多いと思います。
食の環境については、社会全体のワーク・ライフ・バランスと関連していますので、
お父さんだけではどうしようもないことも多いと思います。
しかし、「心がけ」や「意識」は大切です。
まずは「食」に対して興味を持つこと。この意識が高い家庭では食育がうまくいきます。

さらに、男性も年齢を重ねていくと、メタボの問題が出てきます。
運動で代謝を高め、いい加減な食べ方をやめて、自分で自分の健康を守ることが大切です。

いまだに、食育というと「子どもだけのもの」と思っている方が多いんですね。
年齢や性別に関係なく、一人ひとりが食に対する意識と知識を持つことが「食育」です。

食育には男性が活躍できるフィールドがまだまだたくさんありますので、
がんばってほしいと思います。

(239)海外食育ニュース
2011年01月11日配信

アメリカで「食育のリーダー」といえば、オバマ大統領の夫人・ミシェル夫人です。
ミシェル夫人は、子どもたちの肥満なくそうと、ハンバーガーにフライドポテトという学校給食を見直し、野菜をもっと食べよう!と全米を活動的にまわっています。

アメリカでの一番の問題は、肥満です。
昨年、ニューヨーク州では「炭酸飲料税」という税金が検討されました。
炭酸飲料など砂糖入りの飲み物に税金をかけて、肥満防止につなげようというものです。

ちなみに、世界を見ると、今、7人1人が食料不足、逆に7人に1人が飽食です。

フランスでは、味覚教育が徹底しています。
フランスの「味覚の授業」がついに日本にもやってきました。
日本人シェフを集めて、フランスの「味覚の授業」を日本でも本格化しようと準備が進んでします。

イタリアでは、数年前から「ゼロ・キロメートル」というキャッチフレーズで地産地消を進める運動がいっそう盛んになっています。
「ゼロ・キロメートル」、つまり、何万キロもかかって運んできたものより、その土地の食べ物を食べようというものです。

お隣・韓国では、子どもたちの肥満が深刻な問題となっています。
先進国がたどる道は、どこも同じようです。

そして、日本では、
英語版の食育のパンフレット「Shokuiku〜eating education」ができあがりました。
スローフードやロハスの次はShokuiku!ということで、世界へのPRをがんばっています。

(238)最重要課題は食料問題!
2011年01月04日配信

日本人の食生活で問題になっているのは、3つ。
「塩分の取りすぎ」「油の取りすぎ」「野菜不足」です。
この改善にお薦めしたいのは、「味付けを見直すこと」です。

塩分の多い食事は、血圧上昇につながるばかりでなく、食べすぎにもつながります。
逆に塩味が少なすぎると、味が凡庸になるので、ほどほどの塩加減というのが大切です。

まずは、薄味に慣れることから始めましょう!
始めは物足りなく感じるかもしれませんが、続けることで食べ物が持つ本来の風味や微妙な味の違いが楽しめるようになります。
こうすることで舌が鍛えられ、味覚に磨きがかかります。

特に、お子さんのいるご家庭では、小さいうちから これをやってほしいですね。
微妙な味の違いがわかる舌になるようお子さんを育てましょう。

大人のほうは、最近、添加物の影響で舌の味覚が鈍くなっている人が増えています。
「うますぎる味」に慣れてしまっているのです。
加工食品の添加物などによる「亜鉛不足」が味覚障害の原因になっています。

まずは、味付けを見直して薄味に慣れること。
これが正しい味覚、そして健康にもつながるというわけです。

(237)最重要課題は食料問題!
2010年12月28日配信

国連人口基金が、今年度版の世界人口白書を発表しました。
世界の総人口は、69億8700万人。昨年より7930万人増えました。
世界で人口1位は、中国で13億5410万人。
次いで、インド12億1450万人、アメリカ3億1760万人。
日本は、昨年より20万人減って、1億2700万人。世界では10位です。

白書では、40年後の2050年の人口見通しも 発表されました。
2050年の世界総人口は、91億5000万人。今より21億人増える予想です。
一方、日本の40年後は、1億170万人。世界17位に落ち込みます。
世界の‘力関係’が見えてくるようですね。

今、世界で食べ物がなくて飢えに苦しむ人は、9億2500万人います。
世界食料サミットでの目標は、「2015年までに飢餓人口を4億人まで減らす」ということで、あと5年で目標を到達するのは、かなり難しいでしょう。

そんな中、すでに 世界の食料争奪戦は始まっています。
国連食糧農業機関(FAO)によりますと、2050年に予想される91億もの人口を養うためには、世界の食料生産を 今より70%も引き上げる必要があるそうです。

そんなことできるのでしょうか?日本で食料自給率をたった1%上げるのも大変ですね。

食べ物がもっと必要だというのに、日本の農業を支えている人は、今、260万人。
人口の割合からすると、たったの2%です。
この先は、食料価格が上がることも予想されています。

日本では、「食べすぎ」で悩んでいる人も多いようですが、世界的に見ると、この先は、今のように食べられなくなる方向へ進んでいます。  
食料問題は、緊急の最重要課題である。この認識がとても大切です。

(236)変わりゆく行事食
2010年12月21日配信

日本は、昔から四季折々の美しい自然と海の幸・山の幸に恵まれています。
季節の節目を「年中行事」として、神様に祈り、家族の健康を願い、元気でいられることの喜びを 祝ってきました。

その「年中行事」でいただく特別な料理を「行事食」と言います。
行事食には、それぞれの季節の旬の食材が使われています。
目で見て、香りを嗅いで、味わって、というように喜びを「食」で表わしたものです。

これまで、行事食は年々 忘れ去られる傾向にありました。
しかし、このところ、今までとはちょっと違った様子で見直されているようです…。

自動車メーカーのトヨタが行った「イマドキ家族」の調査では、「最も大切にしている行事」を、50代60代は「お正月」と答えたのに対して、20代30代は「子どもの誕生日」と答えています。
「子どもの誕生日」の他は、結婚記念日、バレンタインデー、クリスマスもこれに含まれるでしょう。
季節の行事というより、個人的なイベントを大切にしていようですね。
ですから、行事食も「イベント食」という捉え方で、盛り上がるためのアイテムになっているようです。

食品メーカーの紀文が、20代から50代の主婦を対象にした調査でも、「母親が子どもに伝えたい日本文化」として、88.4%の人が「お正月」を挙げていますが、肝心の、「お正月のいわれを知っていた人」は、わずか3.3%でした。
また、別の調査では、今年・2010年の最初の食事が「おせち料理だった」という人は78%。
残り約20%は、パンやサンドイッチ、コーヒーなど「普段の洋風の朝ごはん」で新年を迎えています。

食育の大切な柱に「食文化の継承」があります。
継承は、親から子へ。
行事食といっしょに家族が代々受け継いできた 大切な思いも伝えていただきたいと思います。

(235)「もったいない意識」を忘れずに
2010年12月14日配信

賞味期限の表示方法が見直されることになりました。
「賞味期限」というのは、風味が損なわれない期限のこと。

スーパーなどには「3分の1ルール」というのがあり、製造から賞味期限までの期間が3分の1しか残っていない商品は、お店から撤去されています。
メーカー側も新鮮さを「売り」にしたいために、まだ食べられる食品を大量に廃棄している実態があります。
こうして廃棄される食品は、年間800万トンを超えると言われています。

賞味期限の表示の見直しでは、日付の脇に「日付を過ぎても食べられます」と併記するようになるようです。

3つの「R」は、リユース・リデュース・リサイクル。
日本では平成7年に「容器包装リサイクル法」ができ、12年から完全施行となりました。
ある団体の調査によりますと、リサイクルの認知度は9割。
しかし、リユースは6割、リデュースになると5割しか知られていなかったそうです。
そして、今、リサイクルよりも、まずゴミを減らす「リデュース」、そして、
使えるものはそのまま再利用する「リユース」を見なおそうという動きが高まっています。

私たちは、地球のバランスの中で食べて、生きています。
地球にもったいないことをしないように、いつも「もったいない意識」を持っていることが大切ですね。

(234)食も時間短縮!?
2010年12月05日配信

食品メーカーの味の素が3年ごとに「主婦の食生活意識調査」をしています。
この調査から、「日々の食事は手早く簡単に作りたい!」という傾向が見えてきました。

20代・30代の主婦の半数以上が、
「後片付けが楽なように調理器具や食器は最小限しか使わない」と答えています。
おかずの盛り付け方も20代・30代の57%が「大皿に盛って取りわける」。
これに対し、60代では64%が「1人ずつ盛り付ける」と答えています。

子どものいる家庭では、大皿でもかまいませんが、子どもに取ってあげるというその気遣いが大事です。

食の時間短縮の傾向は、調理器具にも表れています。
使用頻度が低くなっているのは、「うらごし器」と「巻きす」と「すり鉢」。
逆に、使用頻度も所持率も増えているのが、「ピーラー」と「圧力鍋」だそうです。

過去のこの調査を見ても、料理をやりたくない人の一番の理由は「面倒」だということ。
献立の決定、後片付け、ゴミの始末、買い物、野菜や魚の下ごしらえなど、面倒くさいから料理はしたくないということです。
そして、主婦の2割が「料理は楽しくない」と答えています。

たしかに料理が大変なのは、わかります。
でも、「忙しさ」に振り回されて「食」を便利にすることばかりが優先されていないでしょうか?

子どもたちには、きちんと食事を作ることに小さいうちから親しませること。
おいしい体験やうれしい体験をたくさん積むこと。それが料理をすることにつながります。

そして、大切なのは、「食を通して家族と向き合うこと」。
食事は、家族のきずなを深める一番大切な行為です。
「手早く簡単に」という風潮に、大切なことが押し流れないよう今一度、食の時間を大切にしていただきたいと思います。

(233)一般知識としての食育-これまでとこれから-
2010年11月30日配信

来年度からスタートする第2期「食育推進基本計画」の決定を前に、食育のこれまでとこれからを整理してお話してきました。
今回は、「食の安全性」や「食の基礎知識」についてです。

食品の産地偽装時間、賞味期限の改ざん、口蹄疫など、食の問題はいつも取り上げられています。
メディアなどから安全性に関する情報を仕入れておくことも、大切な防衛手段です。

安全な食材を選ぶには、食を選ぶ力「選食力」を身につけることが、基本中の基本です。
安心・安全・健康になれる食材選びを普段から心がけましょう。
旬を知る、お店を選ぶ、表示の読み方、添加物に対する知識、そして、地元で取れたものを選ぶという「地産地消」も大切なポイントです。
さらに、地産地消は、食料自給率の問題にも関わっています。
今後、地産地消は、都市と地方の交流、生産者と消費者の交流、さらに、農業・漁業に対する理解という形でも広がっていってほしいと思います。

現在進められている「食育推進基本計画」の中に、「食品の安全性に関する基礎的な知識を持っている国民の割合」を60%以上にしたいという目標があります。
食育が始まる前の平成17年度は45.7%。最近の平成20年度の調査では49.7%でした。
安い・早いより、安全なものを食べることが大切だという意識改革が必要です。

現在、来年度よりスタートする第2期「食育推進基本計画」が検討されています。
内閣府では、これに対するパブリックコメントを募集する予定です。
詳しくは、内閣府・食育推進担当ホームページをご覧ください。

この先5年を見据えた新しい「食育推進基本計画」は、来年3月に決定予定です。

(232)地域での食育-これまでとこれから-
2010年11月23日配信

「食育の日」をご存じですか? では、「食育月間」は何月でしょうか?
答えは、毎月19日が「食育の日」。食育月間は6月です。
こういった「食育の日」や「食育月間」の取り組みが、皆さんの地域で行われていますか?

地域の自治体での「食育推進計画の作成・実施」については、都道府県では、すべて、計画が作成されました。
しかし、市町村がまだまだです。目標値は、全市町村の50%以上ですが、現状は25.5%。村では2割程度にとどまっています。
食育は、地域に根を張ることから始めないと進みませんので、がんばっていただきたいと思います。

地域の「食育推進ボランティア」については、ボランティアの数は、内閣府の調査で、すでに33万人と推定されています。
その33万人が、果たして効果的に活用されているでしょうか?
日本ではボランティアに対する意識が低いと思われます。

さらに、皆さんのお住まいの地域で、「食文化や郷土料理を継承する取り組み」は、なされていますか?
郷土料理が体験できる親子料理教室や郷土食を取り入れた食事バランスガイドの作成などがその例です。郷土食を取り入れた地方版の食事バランスガイドは、すでに2600も作成されています。

地域で食育を進めるためには、自治体がリーダーとなり、食育を進めるNPOやボランティアなどと、うまく連携を取り合うことが大切です。
そして、継続すること。
地域全体にいつも そういう気運があることが、定着につながっていきます。

(231)社会での食育-これまでとこれから-
2010年11月16日配信

私たちのまわりの社会で、食育の浸透しているでしょうか?

内閣府の「食育に関する意識調査」によると、食育に関心を持っている国民の割合は、食育基本法がスタートした当初が69.7%でした。
そして、4年たった平成21年3月では72.2%です。
目標値は、今年度中に90%以上ですが、最近、やや頭打ちの状態です。

「食育の周知度」については、言葉も意味も知っている人は、当初の26%から最近は41%になりましたが、言葉だけ知っていて意味がわからない人は33.6%。
また、言葉も意味もわからないという人は25.5%。
意味や内容までわかるという人は、今も、半分に満たない状態です。
子どもの頃から興味を持つきっかけづくりが大切だと思われます。

来年度からの第2期「食育推進基本計画」を検討している委員会に私も出席しておりますが、「今のやり方は、夢を与える構図になっていない」とか、「若い人が説教されるような印象を受けていないか」とか、様々な意見が出ています。

「食事バランスガイド」については、ようやく来年度から小学校の教科書に載ることになりました。
「メタボリックシンドローム」については、腹囲の大きさの問題が、議論に上っては消えていく状態です。

食育の浸透度、皆さんのまわりの実感としてはいかがでしょうか?
いずれに関しても、引き続き、広めていく運動がまだまだ必要です。

(230)学校の食育-これまでとこれから-
2010年11月09日配信

前回より、食育がスタートしてからのこれまでと「食育推進基本計画」の次のステージに向けた 今後の方向性についてお話しております。

今回は、「学校での食育」です。
平成20年3月に小・中学校の学習指導要領が改訂され、「学校における食育の推進」が盛り込まれました。来年度より小学校で、具体的な実施が始まります。
これまで、その前倒しとして、総合的な学習の時間や関連する教科で「食」に関する指導が行われてきました。
また、平成21年4月からは、改正された学校給食法によって、学校給食が食育の場であること、栄養教諭が食育の実践的な指導を行うことも明確に位置付けられました。

〔栄養教諭について〕は、平成21年4月現在、小・中学校の栄養教諭は、2648名。大学では62名。
すべての都道府県に栄養教諭が配属されていますが、理想をいえば、1万2千人〜1万8千人が必要と思われます。

〔学校給食について〕は、バイキング給食、お弁当給食、グループ給食、行事食給食、郷土料理の給食など、いろいろな取組みが行われるようになりました。
食育推進基本計画の9つの目標設定に〔学校給食における地場産物の使用の割合〕を30%以上にしたいというのがあります。
その使用率は、食育がスタートする前は21.6%。そして平成20年度は23.6%。
当然ですが、都市部でこれが進みません。地域で食材が自給できないからです。

〔米飯給食について〕は、現在、週4.1回という数字が出ています。
米どころでは、すでに週5日ご飯を出すところもあります。
できるだけ地元の食材でまかなえるように地域との連携も大切です。

4年半前は、学校で食育を教えていませんでした。
これから学校で食育をきちんと習った子どもたちが、大人になってどんな成果を見せてくれるのか、とても楽しみです。

(229)家庭の食育‐これまでとこれから‐
2010年11月02日配信

「食育」が法律であることをご存じない方もいまだにいらっしゃるようです。
食育が世の中に正式に発表されたのは、2005年・平成17年の6月。
「食育基本法」が公布・成立しました。
その成立を受け、平成18年度4月から「食育推進基本計画」がスタート。
当初から5年を1区切りとする目標設定で、今年度はその5年目に当ります。

そして、来年度・平成23年度からの第2期「食育推進基本計画」は、現在、内閣府のもとに食育推進評価専門委員会が設けられ、検討中です。
新しい「食育推進基本計画」の骨子がまもなく発表となり、国民からのパブリックコメントの募集も予定されています。

そこで今回は「家庭での食育」のこれまでの成果と今後の課題を整理しておきましょう。

皆さんは4年前と比べて「家庭での食育」は進んでいると思いますか?
これまで〔子どもの生活リズムの向上〕として、「早寝早起き朝ごはん運動」や「子どもの生活リズム向上プロジェクト」が進められてきました。
食育がスタートする前の平成14年、「朝食の欠食率」は、小学5年生で4.1%。
食育スタート後の平成19年では1.6%に改善。
朝食と成績の関係が一般家庭にも知られるようになり、いい結果が出ていると思います。

〔家庭での食の知識の習得〕については、親子料理教室なども増えました。
子どもだけに料理を習わせるのではなく、親もいっしょに学ぶようにしましょう。
料理は、親から子への伝承が大切です。
また、学校での食育を通して、子どもたちに家族そろって食べることの大切さも伝えられてきました。

当たり前ですが、食育で最も重要な「核」となるのが、家庭です。
今後は、すべての家庭に食育がまんべんなく行き渡るようにするにはどうしたらいいか、よりよいやり方が さらに検討されるべき時と言えるでしょう。

(228)家計の中の「食費」について
2010年10月26日配信

平成21年の家計調査では、勤労者(サラリーマン)世帯の1か月の平均収入は、1世帯当たり51万8千円でした。
ここから税金や社会保険料などを引いた、いわゆる「手取り」は、42万8千円。

この手取り42万8千円の内、31万9千円が食費・住居費などの「生活費」、残りの10万9千円が預貯金や生命保険、住宅ローンなどに充てられています。

生活費の全国平均31万9千円の内、食費はどのくらいだと思いますか?
1世帯当たり1カ月 70134円です。
家族構成が変われば、当然、増減すると思いますが、調査が2人以上の世帯を対象にしていますので、一般的な家庭の食費は、月70134円と言えるでしょう。

現在、生活費の中で食費が占めている割合は、22%です。
今から45年前の昭和40年1965年は、食費は生活費の38.1%も占めていました。
それから食費の割合は下がり続け、代わりに増えているのが、携帯電話などの「通信費」と趣味にかけるお金の「教養娯楽費」です。

そして、食費の中でも増え続けてきたものがあります。
それは、調理済加工食品と外食です。
29兆円まで行くと見られていた外食市場は、バブルがはじけたころから徐々に下がり始め、現在23兆9千億円。
代わりに当初1兆円ほどだった調理済加工食品は、8兆円まで伸びました。
しかし、ここ2,3年で、調理済食品への出費も減ってきています。景気の影響です。

食費の出費は、おしまずに!と言いたいところですが、食べることで健康を買っていると思えば、ある程度の食費の出費は、必要です。
できれば、自分で種から作ったものを食べられるようになると、食費の面でもいいですね。

(227)食習慣とこころの関係
2010年10月19日配信

「こころ」と「食事」の関係が色々なところで注目されています。
2009年秋、イギリスで、こころの状態と栄養バランスについて、こんな発表ありました。
「野菜や果物に含まれるビタミン類の抗酸化物質と魚に含まれるDHAやEPAの脂質、そして全体の栄養バランスの良い食事がうつ病を予防する」。

日本でも、自治医大さいたま医療センターの植木先生などによる研究では、認知症の患者さんの多くが偏った食事をしていたこと。
そして、50歳ぐらいに認知症が発症した人は、脂質と甘いものの取りすぎだったこと。
また高齢の患者さんは、野菜と魚不足が目立っていたそうです。

こころと食事の問題も、小さい頃に食卓でどんな食べ方をして育ったかという事が根本にあると思います。
まず食生活をきちんとして、病気を予防し、予防も含めて強い精神面を作ることが大切です。

長崎大病院精神科の小沢先生からは、「子どものうつ傾向と食習慣について」の発表もありました。
結果から、元気がない、気分が落ち込んでいる、眠れないなどの抗うつ傾向が、魚を食べるのが好きな子は、およそ7%だったのに対して、魚が嫌いな子では12%。
同じことを「野菜」でも調べてみたところ、魚のほうがその傾向がはっきり出たそうです。

さらに、子どもの「生活習慣とうつ」の関係も調べたところ、抗うつ傾向は全体の9%。これに対して、朝食を週3日未満しか食べない子は、22%。インターネットを1日2時間以上する子は、約17%、携帯電話でメールなどをするのが1日2時間以上だと、約14%。

正しい食事というのは、子どもに誰かが教えないと、自然に身に付くものではありません。
その誰かとは、親ですね。

漢字の「食」という分解すると、人に良いと書きますよね。
まさに、そういう食事・そういう食べ方を身につけていただきたいと思います。

(226)大人気!市民農園
2010年10月12日配信

「貸農園」「市民農園」が人気です。
自治体のほか、農協や民間会社の運営など形態も様々です。
2005年の「農地改正法」では、個人の農家でもいくつかの条件を満たせば、市民農園を開設できるようになりました。

市民農園の数は、2009年3月現在、全国に3382カ所。この15年で3倍になりました。現在、市民農園の7割は自治体が運営し、残り3割が農協・民間会社・個人によるものです。

国もこの市民農園の制度を後押ししています。
農林水産省は、2009年度、耕作放棄地を作付け可能な状態に戻すために195億円もの基金を設けました。
耕作放棄地だったところを農家や農協・企業などが市民農園などに整備した場合は、費用の半額を補助することにしました。
これに応じて、市民農園や食育などを目的とした「教育ファーム」などの施設が増え、また、最近は宿泊施設もある「滞在型」の市民農園も増えています。

ドイツには「クラインガルデン」と呼ばれる200年以上続く貸農園の制度があります。
50万人以上がこの「クラインガルデン」を利用していて、食料自給率の3割ほどを支えていると言われています。
残念ながら日本では、貸農園での農作物は自給率にカウントされませんが、
このまま市民農園が増え続ければ、将来的に食料自給率に反映せざるを得なくなるでしょう。

農作業を通じて農業への理解も深まります。市民農園は「大人の食育の場」と言えそうです。

(225)余剰米と食料自給率の矛盾
2010年10月5日配信

農林水産省の発表によると、2010年度のお米の過剰作付面積は、
前年度と比べ1万ヘクタール減少するということでした。
「過剰作付面積」と言われるように、米は、生産目標を上回る量ができています。
面積にして4万ヘクタール。北海道の知床国立公園ぐらい。
量にすると、30万トン近くが今年度の「余剰米」です。

今年度から「農家の戸別所得補償制度」がスタートしましたが、
実は、この加入条件に、「米の生産調整に協力する」というのがあります。
国が「余剰米」を買い上げることは、財政を厳しくする要因です。

30万トンもの米が余っていると、米の価格がますます下がり、
生産農家の生活が苦しくなる一方です。そうなると、米を生産する人が減り、
日本に食べるものがなくなるという事態にもなりかねません。

日本の食料自給率は、40%ですが、米だけは作りすぎているという矛盾があります。
余っている最大の理由は、「食の欧米化」。昔と比べて米を食べる量が減っています。
1960年には1人1日茶碗で5杯のご飯を食べていました。今は3杯です。

体にやさしくて、自給率Upにもつながる米をもっと食べましょう。
ご飯の米と米粉の米は、同じ米です。米粉の需要が増えています。
最近は、米を入れると米粉のパンができるという製品も注目を集めています。
学校給食で、米粉パンを導入している学校は、平成20年度で8960校。
率にすると、学校給食のある学校の29%が米粉パンを導入しているという計算です。

そして、農林水産省の試算では、米粉のパンを1人1カ月に3個食べると、
食料自給率が1%Upするそうです。

(224)家族の食育Q&A
2010年9月28日配信

家族で食卓を囲むことは、食育の基本中の基本です。
ただ、それがなかなか難しいというのも現実だと思います。
今回は、今の家族が抱える典型的な問題とその解決法のヒントをお話します。

Q1:「毎日忙しくて料理を作る時間がない!」
A:いろんなものをたくさん作ろうと思わないことです。
冷凍やレトルトなどと、自分で作るものを組み合わせましょう。まずは、一汁一菜です。
一汁一菜は質素ですが、バランスをとれば体に負担がかかりません。
栄養バランスと安全性を確かめ、味付けも調整しながら中食を利用してもいいでしょう。

Q2:「子どもの塾や習い事で家族そろって食事ができない!」
A:一人で食べるようになると、人との付き合いが下手になります。
習い事などで遅くなったとしても、親が食卓に顔を出して、できればいっしょに食べて
あげることが大切です。

Q3:「お父さんがテレビを消してくれない」
A:見たいテレビは、録画して見ましょう。
見たいテレビの時間に ごはんの時間を合わせないことも大切です。

Q4:「子どもの食事のマナーについて、きちんと教えたいけど、うるさく言いたくない」
A:食卓がきちんとできるかできないかは、重要なポイントです。
良いこと悪いことを食卓で抑えないとわがままになります。
うるさくてもいいから言いいなさい、というのが回答です。

すべてに言えることは、ほどほどに手を抜きながらも、これはという大事な部分は、
厳しくしっかりと、まずは言葉で理解させること。
食育は、食卓に家族の笑顔が集まってこそ効果があります。
まずはテレビを消して、家族の会話を楽しむことから始めてほしいと思います。

(223)最新版「食育白書」が指摘する問題点
2010年9月21日配信

平成22年度・最新版の「食育白書」では、「若い世代の食生活改善」が大きなテーマとなっています。

その理由は、調査の結果、20代の男性・女性、30代の男性は、4割以上の人が「毎日 食事を1食以上抜く」などの欠食があったこと。
主食・主菜・副菜が揃った食事を「よく食べる」と回答した割合が、全体の平均を下回っていたこと。
また、20代の男性においては、深刻な野菜不足で、副菜(野菜料理)をよく食べると答えた人が42.9%だったことなど、他の世代と比べて、食に関する問題がいろいろあったからです。

食育への関心度も20代男性の半分以上が「関心がない」という状態でした。

若い世代の食については、女性のやせ願望と男性の食べすぎが気になります。
まずは、バランスのよい食事を心がけることから始めましょう。

そして、最新の食育白書では、若い世代を対象とした食育の取組み例がいつくか紹介されています。
大学の生協をはじめ、企業の社員寮・社員食堂でもメニューの改善や栄養指導、健康教育などを取り入れるようになってきました。

さらに、岡山県では、高校生・大学生を対象とした「外食世代の健康づくり推進事業」というのを実施したそうです。
若い世代は、コンビニやファストフードを利用することも多いわけですが、そういう世代に、学校で、食を正しく選ぶ教室を開いたということです。

この世代の食育を底上げすることは、将来のメタボや生活習慣病を減らすことにもつながります。
すぐに社会全体で見直してほしいと思います。

(222)家畜のエサ(飼料)の自給も緊急課題!
2010年9月14日配信

夏の猛暑の影響で野菜の価格が値上がりしました。
ロシアでは干ばつによる被害から、ロシア政府が穀物の輸出を禁止しました。
日本は、小麦をアメリカ・カナダ・オーストラリアなどから輸入していますが、ロシアからの輸出がなくなると、国際的に小麦の価格が上がって日本も間接的に影響を受けることになります。

今、このように、地球の一部で起きた異常気象が、世界的な価格変動となって、私たちの食卓に直接影響を及ぼすようになっています。

日本の小麦粉の自給率は14%。
うどんやパンなど大部分の小麦製品は、国産だけでは賄えません。
そばの自給率は 21%。残りの8割は、中国やアメリカからの輸入です。
豆腐・納豆・味噌・醤油など、日本の食文化に欠かせない「大豆」に至っては、自給率4%。96%が輸入です。

さらに、日本の畜産物の自給率は、牛肉39%、豚肉53%、鶏肉67%。
そして卵96%、牛乳・乳製品69%。
ところが、これらの「国産」は、ほとんどが輸入された飼料を食べて育ったものです。
もし、飼料の輸入がストップして、国内だけで賄える飼料だけで計算してみると、牛肉の自給率は10%、豚肉5%、鶏肉7%。

飼料全体の自給率は、2007年度で25%です。
国は、これを2015年度までに10%Upして35%にすることを目標としています。

さらに、今の地球は人口増加による「食料危機」の不安もかかえています。
こういう影響を 最小限に食い止めるためにも日本の食料自給率を上げることは、本当に大切なことなのです。

(221)子どもに料理をさせてみよう!
2010年9月7日配信

東京ガス都市生活研究所のアンケートでは、 子どもが料理に興味を持ち始めるピークは、「5歳」という結果でした。
料理教室に来た子どもたちに「料理のどこが楽しいか」を聞いたところ、 「料理そのもの、作るのが楽しい」と答えた子が76%にも達しました。
子どもは、料理が大好きなのです。

子どもに食への関心を持たせること、そして、食文化を伝えていくにも 親子で料理に取り組むことがとても有効的です。
いっしょにメニューを考えたり、買い物に行ったり、 子どもに材料を選ばせながら旬を教えたり、表示の見方を教えたりしながら、 安心・安全・健康になれる家庭での食育をすすめてほしいと思います。

また、子ども自身が食材を選ぶことで、食べ物を大切にしようという心が育まれます。
調理で食材を切ったり、匂いを嗅いだり、味見をすることで、 触覚・嗅覚・味覚などの五感も養われます。

料理をすると、子どもの好き嫌いがみるみる減っていきます。
子どもの料理が話題となって、一家団らんのきっかけにもなりますし、 家族がバラバラなものを食べる「個食」も解決。
子どもに料理をさせることは、 食卓の問題を一挙に解決してしまう とてもいい方法なのです。
ぜひ、親子で料理をする機会を持ってほしいと思います。

「全国親子クッキングコンテスト」の詳細は、こちらです。

(220)食育推進全国大会 パネルディスカッションより D
2010年8月31日配信

6月に佐賀県佐賀市で行われた食育推進全国大会。
番組ではこれまで4回にわたり、パネルディスカッションの模様をお伝えしてきました。
今回は、最終パート。パネリスト5人によるディスカッションの部分をお届けします。

改めてパネリストの方をご紹介しますと、名古屋学芸大学大学院教授で保健学博士の足立己幸先生、地元、佐賀市から 川副児童館 親子クラブ会長の伊東仁美さん、日本経済新聞 論説委員兼編集委員の岩田三代さん、キャスターでエッセイストの福島敦子さん。
ここに私・服部幸應を加えての5人です。
司会・コーディネーターは、人間総合科学大学大学院 健康栄養科学専攻教授の小林修平先生でした。

当日は、白熱した論議となりました。
貴重な意見も多くありましたので、時間は長くなりますが(30分弱)そのすべてをご紹介したいと思います。

ディスカッションは、まず、パネリストそれぞれの発表をお聞きになった福島敦子さんのご意見からスタートします。

討論では、私の「子供は3歳までは預けるべきではない」という意見に、大きな反論もありました。
もちろん、食育は、女性や母親だけが担うものではありません。
親子のきずな、そして家族のきずなが食育には深く関わっています。
ディスカッションからも、食育が行き方そのものに通じているということがおわかりいただけたと思います。

日本の食育は法律ができて、まだ5年。
よりよい方向が検討されることに意義があるといえるでしょう。

(219)食育推進全国大会 パネルディスカッションより C
2010年8月24日配信

第5回食育推全国大会のパネルディスカッションの模様をご紹介する4回目。
今回は、伊東仁美さんの発表です。

大会会場の地元・佐賀県出身の伊東仁美さんは、川副児童館親子クラブ会長としてご活躍中。
子育てサークル・ころころクラブを立ち上げ、その活動の一環として
自前農園での野菜作りなどを通じて食育活動を行っています。
お二人のお子さんのお母さんでもあります。

子どもと親を相手に 食育を実践する立場からの貴重なご意見をいただきました。

(218)食育推進全国大会 パネルディスカッションより B 2010年8月17日配信

5回にわたり、食育推全国大会でのパネルディスカッションの模様をお送りしています。
3回目の今回は、岩田三代さんの発表です。

岩田三代さんは、日本経済新聞入社後、婦人家庭部記者及び編集員、生活情報部長などを経て、2007年から現職の論説委員としてご活躍中です。
女性労働や食、家族を専門に、国民生活審議会、食料・農業・農村基本問題研究会の委員も経験されています。

ワークライフバランスをベースに、現代日本の家族の現状と問題点をお話しいただきました。

(217)食育推進全国大会 パネルディスカッションより A 2010年8月8日配信

前回より、第5回食育推全国大会でのパネルディスカッションの模様をお届けしています。
今回は、足立己幸先生の発表をご紹介します。

足立己幸先生は、現在、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科教授で保健学博士。
東北大学農学部をご卒業後、女性栄養大学の名誉教授も務められ、食生態学、食教育学の第一人者として、日本だけでなく世界でも活躍されています。
食の問題として、「孤食」というのが取りあげられますが、その孤食を30年も前に提唱されたのが、足立己幸先生です。

独自の調査・研究から、孤食にまつわる最新事情をお話いただきました。

食育推進全国大会 パネルディスカッションより@ 2010年8月3日配信

第5回食育推全国大会よりパネルディスカッションの模様を5回に分けてお届けします。

今年の食育推進全国大会は、6月12日・13日、佐賀県佐賀市で行われました。
大会のテーマは、「佐賀そう!だんらん 〜 食と「うつわ」のハーモニー 〜」。
来場者数は2日間で4万3300人と、過去最高を記録しました。

大会の1日目に、5人のパネリストによるパネルディスカッションが行われました。
パネリストは、
名古屋学芸大学大学院教授で保健学博士の足立己幸先生、地元、佐賀市から 川副児童館 親子クラブ会長の伊東仁美さん、日本経済新聞 論説委員兼編集委員の岩田三代さん、キャスターでエッセイストの福島敦子さん、ここに私・服部幸應を加えての5人です。
司会・コーディネーターは、人間総合科学大学大学院 健康栄養科学専攻教授の小林修平先生でした。

ディスカッションのテーマは、「みんなで始めよう最初の一歩〜子どもの食育〜」。

まずは、小林修平先生のご挨拶と私・服部幸應の発表をご紹介します。

(215)ナイトキッズにご用心… 2010年7月25日配信

時間に余裕のある夏休みこそ、子どもたちが正しい生活リズムを身につけるチャンスです。

東京都が出している「子どもたちの生活リズム」という小冊子に『あなたのお子さんはデイキッズ?それともナイトキッズ?』というテストがあります。
当てはまる項目を数えましょう。
1.夜更かしして寝る時間が足りない時は、昼寝をする。
2.夜遅くコンビニや外食に行くことがある
3.朝ご飯を食べないことがある
4.天気がよくても、昼間、外で遊ばない
5.テレビやゲームの時間を決めていない
6.夜、寝る時刻を決めていない
7.暗いとこわいので電気をつけて寝る
8.夜遅くても、家族が帰ってくるのを待っている
9.休日は、家族で朝寝坊

1つから2つ、あるいは0→数の少ない子は、立派な「デイキッズ」です。
数が増えるにつれて「ナイトキッズ」の傾向にあります。

日本の小学生の平均就寝時刻は、10時45分。こんな国ありません。
‘前の晩 遅かったから’‘今日は休みだから’といって子どもをゆっくり寝かせておくと、時差ぼけのような状態になり生活リズムが乱れるきっかけとなります。

早く起きるには、早く寝ること。
夜早く寝るために、夕食の時間も早くしましょう。
遅くとも、寝る時間の3時間前には、晩ごはんを食べましょう。

「早寝・早起き・朝ご飯」は、子どもたちの正しい生活習慣の原点です。
そして、昼間、体をよく動かすこと。
子どもだけに「早寝・早起き・朝ご飯」をやらせようとしても無理なことです。
大人もいっしょに生活習慣を見直して、家族でいいリズムを作ってほしいと思います。

(214)日本は水も大量輸入 2010年7月20日配信

2010年度版の「環境白書」が発表されました。
温室効果ガスを2020年に1990年と比べて25%削減するという「チャレンジ25」の構想や地球温暖化対策基本法の制定なども盛り込まれています。
また、白書では、世界的な水ビジネスの広がりに日本の水の技術を売り出す絶好のチャンスと指摘しています。

実は、「日本は水も大量輸入している」というのをご存じですか?

「ヴァーチャルウォーター」という考え方があります。
日本の食料自給率は40%。足りない分の60%は、輸入です。
肉や穀物、野菜などを作るのには、水が必要です。
「ヴァーチャルウォーター」というのは、仮にもし、その輸入した食料を自分の国で作るとしたら、どのくらいの水が必要か。
そのことを言います。「仮想水」とも言います。

世界の人口は、今、69億人。人口は増え続けています。
2025年、あと15年で世界人口の半分にあたる40億人が深刻な水不足になると予測されています。

日本が輸入するヴァーチャルウォーターの量は、2005年で年間800億m3。
これは、国内の年間使用量に相当します。
世界と比べても、日本はアメリカの2倍以上のヴァーチャルウォーターを使っています。

水に困っている国や地域の人にも、充分、水が行き渡るようにするために日本ができることは何だと思いますか?
それは、他の国の水を使わないで済むよう「日本の食料自給率を上げること」です。

日本は「水の豊かな国」といわれていますが、「水を大量輸入している国」でもあります。
こういう矛盾を知って、地産地消の努力を続けることが大切です。

(213)食品表示Update 2010年7月13日配信

食品を選ぶ時、「食品表示」を確かめてから買っていますか?
食品表示の表示の仕方は、法律や業界団体のルールなどで着々と変わっています。

この6月4日から、アレルギー物質として「エビ」と「カニ」の表示が義務付けられました。
食品衛生法によるこれまでのアレルギー表示義務は、5品目。
小麦・そば・卵・乳・落花生の5つ。これにエビとカニが加わりました。
エビやカニは、海産物なので、漁で獲ってきた時点で混入している場合があります。
その場合、「本製品の○○は、エビが混ざる漁法で捕獲しています」などと書かれています。

業界の独自のルールで表示の変わったものは、「卵」と「塩」。
卵は、「天然卵」「自然卵」などの表示は、認められなくなりました。
栄養を強化した「栄養強化卵」も、普通の卵と比べて何がどれだけ多いのか、具体的に数値もつけて表示しなければならなくなりました。
「平飼い」「放し飼い」「地卵」といった用語も細かい基準が定められました。

塩は、「自然塩」「天然塩」「ミネラルたっぷり」など健康や美容に効果がありそうな表示は、禁止されました。
原材料の種類・産地・製造方法なども書かれるようになりました。

食品表示について、内閣府の調査では3人に1人が「わかりにくい」と答えています。
わからない時には、お店の人に聞いてみるものいいでしょう。
お店の人は、ポイントがわかりやすいように知らせることも義務だと思います。

(212)調理用語のビジョーシキ !? 2010年7月06日配信

「落としぶた」というのを説明できますか? では「びっくり水」はどうでしょう?

「落としぶたってどんな豚肉ですか?」とか、本に「落としぶた」と書いてあったので「豚肉の薄切りを1枚入れました」とか。
これホントの話。

「落としぶた」というのは、調理中の煮物に乗せる蓋のことです。
鍋の中の汁を効率よく対流させることができ、煮物がおいしくきれいに仕上がります。

「びっくり水」というのは、麺類をゆでる時、ふきこぼれを防ぐためお湯の中に水を差すことです。「差し水」とも言います。
「びっくり水はどこに売っていますか?」という質問も結構ありますが、水道の水で大丈夫です。

メーカーの味の素の調査では、未就学児で料理の手伝いをする子は、全体の半分以上。
ところが、中学生になると、男子6%・女子8%。1割にも満たないという結果です。
親も部活や塾で忙しいからと手伝わせないそうです。
中学生ぐらいですと、包丁も火も自分で使え、料理の本も読めます。
この時期にやってないから、先ほどの「びっくり水」や「落としぶた」のような質問が出てしまうわけですね。

1986年に出版した『調理用語辞典』が、この2月、大幅に見直され最新版の『総合調理用語辞典』となりました。
この四半世紀で食にまつわる事情が大きく変わっています。
「スローフード」や「こしょく」「食育」「メタボリックシンドローム」など、当初のものにはありませんでした。

高度成長期以来、日本人の食生活は、手軽さや便利さがもてはやされ、その分、調理への関心や感動が薄れてしまったように思います。
このような今だからこそ、調理という原始的な行為を見直すべきではないでしょうか。

『総合調理用語辞典』に関するお問い合わせは、
全国調理師養成施設協会(電話03-3374-5381)です。

全国調理師養成施設協会のホームページ http://www.jatcc.or.jp/index.html

(211)食の習慣と規範意識の結びつき 2010年6月29日配信

内閣府の『食事に関する習慣と規範意識に関する調査報告』によると、小学生の頃、家庭の食卓で教えられたマナーの第1位は、「食卓に肘をつかないこと」。
以下、「茶碗を持って食べなさい」「箸の持ち方」「いただきます・ごちそうさま」「口を開けて食べない」「こぼさない」「食事中に他のことをしない」となっています。
   傾向として、年齢層が高くなるほど教えられた項目が多く、   年齢層が低くなるほど教えられた項目が少なくなっています。

   問題は、‘マナーをマナーと認識していないものがある’ことです。
つまり、親から教えられていないことはマナーだとわからないわけです。

食事のマナーを習得した場所について。
1位は「家族での食卓」で93.3%。
以下、「周囲の人の見よう見まね」27.9% 「テレビ・ラジオ」27.3%
「学校の授業や給食」26.9%。
「学校」という答えは、年齢層が低くなるほど多くなります。

   食事のマナーの習得場所は、93.3%という圧倒的に家庭の食卓です。
私はいつも「食育基本法は食卓基本法である」といっていますが、家庭の食卓の役割がいかに大切であるか、この数字でも改めてわかっていただけたと思います。

そして、調査結果から、
「食のマナーを守っている人は、公共でのマナーも守る傾向にあること」。
また、「食のマナーが身につけている人ほど、家族全員で夕食を食べる頻度が高く、朝食もきちんと食べ、栄養バランスも意識している」という正しい食習慣との関係もはっきりしました。

食の習慣やマナー・食卓でのしつけは、規範意識と深い結びつきにあることが、今回の調査で証明された形です。

(210)公のマナーと食のマナーの関係 2010年6月22日配信

規範意識とは、社会のルールや道徳を守ろうとする意識のこと。
物事を判断する時の‘基準の価値’とでも言ったらいいでしょうか。

日本では、この規範意識が下がっていると言われています。
たとえば、「親や先生を尊敬する気持ち」。
親の尊敬度は 25.2%。先生の尊敬度は 16%。
50%を切ったら国家として危ないといわれているのです。

規範意識と食の関係を調べたのが、 内閣府の『食事に関する習慣と規範意識に関する調査報告』です。
今回は、その中から「公でのマナー」について見てみたいと思います。

最近、食べ物を食べながら歩く「歩き食べ」や電車の中でものを食べている人をよく見かけるようになりました。
今回の調査で、「食べながら歩く」という人が全体の19.2%もいました。
年代別でみると、20代34.6%、30代25%。
20代30代は、4人〜3人に1人が「食べながら歩いている」という結果です。

他、公でのマナーで悪さが目立ったものは、「電車で足を組んで座る」18.6%。「席を譲らない」14.4%など。

この「公でのマナー」とひじを突いて食べない・音を立てて食べないなどの「食事のマナー」、さらに「箸の使い方のマナー」の3つを関係づけてみると、“いずれかのマナーを守っている人は、他のマナーも守る傾向にある”という結果が
出ました。
家庭の教育力にも問題があるといえそうです。

(209)だいじょうぶ?食事のマナー違反 2010年6月15日配信

内閣府の『食事に関する習慣と規範意識に関する調査報告』によると、外食の時 隣のテーブルでされたら気になることは、
1位が「口を開けて音を立てて食べる」。
2位「食器などで音を立てる」。
3位「食事中の携帯電話を操作すること」でした。

次に、自分たちのテーブルで 家族がすると気になることは、「口を開けて音を立てて食べる」「食器で音を立てる」「携帯などの操作」。
隣のテーブルの場合と同じ結果です。

上の2つの結果を比べてわかったことは、「不快と思う行為を他人がより家族がするほうが 相対的に不快度が高くなる」ということです。
つまり、自分の家族に対する目のほうが厳しいというわけです。

さらにこの調査では‘自分がマナー違反をしてしまうこと’をたずねています。
結果、「よくある」「時々ある」が一番多かったのは、「食事の終了時間がバラバラ」。
食事のペースは、まわりの人に合わせるべきことですが、自分のペースで食べてしまって、食事の終了が皆バラバラというわけです。
この「ペースを合わせて食べること」をマナーだと知らなかった人が、33.3%。

他、自分がやってしまうマナー違反は、「食事の挨拶をしない」「食べ物をこぼす」「食べ物を残す」「交互に食べない」
「肘をつく」の順。

これらを分析して、‘自分が不快と思いながらも やっているかもしれない’ことは、「食べ物をこぼす」「口を開けて音を立てながら食べる」「食器で音を立てる」の3つ。
“意識と行動のズレ”に要注意です。

「ごはんとお味噌汁の配膳の位置について」正しく答えられた人は59.4%。
正解は、ごはんが左、汁が右です。
「特にきまりはない」と答えた人が15.8%もいます。
特に10代の40.8%が「決まりがない」と答えていています。
教わる機会がなかったのは、親の責任といえるでしょう。

(208)嫌い箸と規範意識の関係 2010年6月08日配信

「嫌い箸」をご存知ですか?
「寄せ箸」・・器を箸でひっかけて寄せること。
「さぐり箸」・・料理の下から食べたいものを取り出すこと。
「刺し箸」・・箸で刺して食べること。
「移り箸」・・一度箸をつけた料理を食べずに他の料理へ箸を移すこと。
「かき箸」・・茶碗に直接 口をつけて掻き込むこと。
「渡し箸」・・器に箸を掛け渡して 箸を休ませること。
「拾い箸」・・箸と箸で料理を渡しあうこと、などいろいろあります。

これら7つの「嫌い箸」について、内閣府の『食事に関する習慣と規範意識に関する調査報告書』で、「ぜんぶ知っている」と答えた人は62.5%でした。
つまり、4割の人はいくつかの「嫌い箸」を知らなかったという結果です。

知らなかった順は、
1位が「渡し箸」24.6%、以下、「かき箸」13.5%「さぐり箸」7.8%。

これらの「嫌い箸」に対する不快感をたずねたところ、一番不快だと感じるのが「寄せ箸」。次に「拾い箸」「移り箸」「さぐり箸」の順。
いずれも80%以上の人が不快だと答えています。

若い人は、嫌い箸をマナー違反だと教えられていない可能性があります。

さらに、‘いけないとわかっていてもやってしまうこと’は、1位が「渡し箸」48.3%。以下、「かき箸」39.4%「刺し箸」28.5%。
また、回答を分析して‘知らない間にやっている可能性があるもの’として、「さぐり箸」「刺し箸」「移り箸」の3つが挙げられています。

最終的に、この調査では、「箸の使い方」と 肘をつかないなどの「その他の食事のマナー」、そして「公の場でのマナー」の相互関係について、“いずれかのマナーを守っている人ほど、他のマナーもきちんと守っている”
という傾向が明らかにされています。
箸の使い方ひとつをとっても、規範意識のあり方に結びついているということが証明されました。

(207)食事に関する習慣&傾向と問題点 2010年6月01日配信

先頃、内閣府の食育推進室が『食事に関する習慣と規範意識に関する調査報告書』を
発表しました。
食習慣やマナーが、規範意識とどのような関係にあるかを調べたものです。

今回は、その中から最近の「食習慣の傾向」から見えてくる問題点について。

「家族全員で夕食を食べる頻度」について。
「ほぼ毎日」と答えた人は全体の49.5%。ほぼ半分の人です。
一方、「家族全員で夕食を食べることはほとんどない」という人は7.4%。
年齢別で見ると、家族で夕食をあまり食べていないのは、10代20代の若い人たち。
この理由には、塾通いや友人・同僚との付き合いなどが考えられますが、 家族の健康や絆を深める、確かめるという意味でも、食事を共にすることは大切です。
家族全体の幸せをはかり知ることができるのが、食事の時だからです。

次に、「小学生の頃、家族全員で夕食を食べていた頻度」について。
結果、全体の6割以上が「ほぼ毎日食べていた」と答えています。
過去と現在を比べると、「子どもの頃ほぼ毎日全員で食べていたが、今は食べていない」という回答が、全体の1割。
先ほどの、現在は家族と食べることがないと答えた10代でも、 子どもの頃には、5割の人が「いっしょに食べていた」と答えています。
傾向として、子どもの頃、家族全員で夕食を食べていた人ほど、 今も、家族全員で夕食を食べる頻度が高いということが明らかになりました。

朝ごはんについて。
「ほとんど毎日朝ごはんを食べる」と答えたのは、全体のおよそ8割。
逆に、全体の2割近くが、朝ごはんを毎日食べていないという結果です。
年代別で 朝食の欠食率が高かったのは、20代。続いて10代と30代。
少なくとも、二十歳までは、しっかりした食生活を送ってほしいと思います。

「栄養バランスへの意識」について。
およそ半分の人が「おおむね意識している」と答えています。
傾向として、年齢が高いほど栄養バランスを意識していて、 逆に、若い人ほど栄養バランスを気にせず食べているということになります。
若いうちは元気ですので、何もわからず進んでしまいます。
だからこそ、親が子供の頃に 正しい食習慣をつけてあげるのが、大切です。
親が子供に伝える習慣、これこそがまさに食育だからです。

(206)日本型食生活の取り入れ方 2010年5月25日配信

「日本型食生活」という言葉をよく聞くようになりました。
「日本型食生活」の8つの定義があります。
1.カロリーの摂りすぎを避け、適正な体重維持に務めること
2.いろんな食べ物をバランスよく食べること
3.お米・ごはんを基本とすること
4.牛乳の摂取に心がけること
5.脂肪、特に動物性脂肪の取りすぎに注意する
6.塩、砂糖の取りすぎに注意する
7.緑黄色野菜や海草の摂取を心がけること
8.朝ごはんをしっかり食べる

現在の日本の食料自給率を考えた場合、外国のものを食べざるを得ない状態です。
また、この4、50年、洋食が一般的になり、カロリーを脂肪から多く摂取するようになりました。
「日本型食生活」とは、上記の8つをベースに、欧米食を控え、健康を意識しながら、お米を中心とした日本にあるものを活用して食べることです。

ただ、全部をすぐに日本型に変えるのは、かなり難しいと思います。
「日本型食生活を取り入れるヒント」を申し上げましょう。
・メニューをカタカナから 日本語のメニューに。和食を心がけましょう。
・献立は「副菜に何を食べるか」 から考えましょう。
主菜から献立を考えると、肉や魚のボリュームが大きくなってしまいます。
・調味料のバリエーションを持たせましょう。
和風は、醤油味ばかりになりがちです。
スパイスや香味野菜をきかせて、食べた時にインパクトのある味にしましょう。
・白いご飯ばかりでなく、雑穀などを利用し、見た目、味わいなどご飯にバリエーションを持たせましょう。

以上のようなことを意識すれば、日本型食生活につながっていくと思います。

(206)日本型食生活の取り入れ方 2010年5月25日配信

「日本型食生活」という言葉をよく聞くようになりました。
「日本型食生活」の8つの定義があります。
1.カロリーの摂りすぎを避け、適正な体重維持に務めること
2.いろんな食べ物をバランスよく食べること
3.お米・ごはんを基本とすること
4.牛乳の摂取に心がけること
5.脂肪、特に動物性脂肪の取りすぎに注意する
6.塩、砂糖の取りすぎに注意する
7.緑黄色野菜や海草の摂取を心がけること
8.朝ごはんをしっかり食べる

現在の日本の食料自給率を考えた場合、外国のものを食べざるを得ない状態です。
また、この4、50年、洋食が一般的になり、カロリーを脂肪から多く摂取するようになりました。
「日本型食生活」とは、上記の8つをベースに、欧米食を控え、健康を意識しながら、お米を中心とした日本にあるものを活用して食べることです。

ただ、全部をすぐに日本型に変えるのは、かなり難しいと思います。
「日本型食生活を取り入れるヒント」を申し上げましょう。
・メニューをカタカナから 日本語のメニューに。和食を心がけましょう。
・献立は「副菜に何を食べるか」 から考えましょう。
主菜から献立を考えると、肉や魚のボリュームが大きくなってしまいます。
・調味料のバリエーションを持たせましょう。
和風は、醤油味ばかりになりがちです。
スパイスや香味野菜をきかせて、食べた時にインパクトのある味にしましょう。
・白いご飯ばかりでなく、雑穀などを利用し、見た目、味わいなどご飯にバリエーションを持たせましょう。

以上のようなことを意識すれば、日本型食生活につながっていくと思います。

(205)食育推進ボランティア 2010年5月18日配信

「食育推進基本計画」の目標値の1つに「食育に関わるボランティアの数を20%Upする」というものがあります。
具体的には、平成22年度までに、5年前の28万人から33万6千人まで増やす目標です。

この基本計画が始まった5年前、すでに28万人もが存在していた理由は、健康づくりのためのボランティアとして それまで活動していた食生活改善推進員が食育へ移行したためです。

現在、食育推進ボランティアの数は、内閣府より33万人と発表されています。
政府の施策として、地方自治体は、ボランティアの育成に取り組まなければなりません。

現在までのボランティアの活動事例については、内閣府の『食育推進ボランティアの活動事例集』などに紹介されています。

これから食育ボランティアを始めたいという人は、地元自治体の「食育担当の窓口」にお問い合わせください。
地元で活動している団体などを教えてもらえると思います。

6月12日、13日の2日間、佐賀県で行われる「第5回食育推進全国大会」でも今年度の「食育推進ボランティア」の表彰が行われる予定です。
私もシンポジウム等に出演したします。ぜひお越しください。

(204)食料・農業・農村基本計画について 2010年5月11日配信

この先10年間の農政について、食料・農業・農村基本計画が政府から発表されました。

食育に関連するところは、まず「食料自給率を上げるための取組」。
2008年・平成20年度の食料自給率41%(カロリーベース)を2020年・平成32年度までに50%へ引き上げるという大きな目標が出ました。

この実現のためには、戸別所得保障制度の導入、安心安全・品質が確かな生産物を作り消費者のニーズに応えること、農山漁村を活性化し6次産業化をすすめることなどが挙げられています。

消費=つまり食育の「選食力」から、自給率Upにつなげるには、国産農産物が消費者に選ばれるような環境を作ること、総人口の1割にあたる1700万人の朝ごはんの欠食を改善すること(朝ごはんにご飯を食べて、米の消費拡大や栄養面の健康志向に対応できる)、
大豆加工品に 国産大豆を使うこと、単なる「和食回帰」ではなく、今の食生活に合わせ国産の農産物を使っていくこと(国産小麦や米粉の利用、畜産物の飼料の自給)、などが、この基本計画では示されています。

そして、これらの前提となるのが「国民の理解を得ること」というわけで、引き続き「食育」を推進するとなっています。

さらに、この基本計画には、食と農の結びつきの強化や食の安全性を高めることなども挙げられています。
「食育」は、食と農の結びつきを理解する上でも、とても大切なことだと思います。

(203)食育の現状と意識に関する調査 2010年5月04日配信

先頃、内閣府から発表された「食育の現状と意識に関する調査」では、「食育を知っている」という人は 75.8%。
「食育に関心がある」という人は 71.7%。
食育推進基本計画の目標値は、「食育に関心がある」人が90%以上です。
この1年で目標値にどれくらい近づけるでしょうか。

「食事バランスガイド等を参考にした食生活を送っている」という項目は、前回57.7%でしたが、今回は50.2%に下がってしまいました。
食事バランスガイは、むずかしいという意見があります。
食事バランスガイドを使った栄養士の指導など、活用の仕方が課題です。

実は、この「食育の現状と意識に関する調査」では、毎年、少しずつ質問を変えて、立体的に人々の食育への関わり方を調べています。
新規の質問・結果からいくつがご紹介しますと、まず、「‘食育の関心度’と‘バランスの良い食事の頻度’の関係」は、“食育に関心のある人ほどバランスの良い食事をよく食べている”。
これは当然といえば、当然ですね。
問題は、食育への関心のない人や適量やバランスがわからない人にどうやったら理解してもらえるか、ということです。
この結果を逆から見てみると、“食育について「わからない」と答えた人の6割がバランスのよい食事と適量もわからない“と答えています。

他、“食育への関心が高い人ほど人生を肯定的に捉える傾向にある”。
“小学生の頃、3食決まった時間に食事をしていた人・家族そろってご飯を食べていた人・いただきます ごちそうさまをしていた人ほど、食育への関心が高い”。
さらに、“働く時間が短い人ほど朝食を食べ、働く時間が長い人ほど朝食を食べない傾向にある”。
“通勤時間が長い人ほど朝食を食べない”
“食事を大切にしようとする雰囲気の職場ほど朝食を食べている“
ということもわかってきました。

食育は、様々な角度からすすめなければなりません。
「食育の細分化」というのが今後の課題といえそうです。

(202)地球規模で食を考えよう! 2010年4月27日配信

前々回より「食育の3つの柱」についてお話しております。
今回は「地球規模で食を考えよう!」。

日本は、今、食料の6割を海外に依存しています。
昭和40年今から45年前、日本の食料自給率はカロリーベースで73%もありました。

最近は、気候変動の影響で、海外でも食料が取れなくなる事態が起きており、輸入もいつ止まるかわかりません。
現在、地球には68億5千万人が暮らしていて、30年後には、90億人になるという予想があります。
地球の理想的といわれる人口は、60億人。すでに年間900万人が餓死しています。

ここ数年の状況として、食料の輸出を制限した国が20カ国ほど。
また、日本が買いに行っても他のお金のある国が買ってしまうという「買い負け」の状態が続いています。
そのような事態からも、日本でもっと食料を作れるようにならなければなりません。

さらに、水の問題もあります。
ペットボトルの水を飲むことは、水道水を飲むよりCo2の負荷が1600倍もかかるといわれています。

今、世界には日本語の「もったいない」という言葉とその精神が広がりつつあります。
日本人がこの言葉を使わないでどうするのでしょうか!?
地球規模で食について考える視点が、これからは本当に大切になります。

(201)衣食住の伝承と食のしつけ 2010年4月20日配信

前回より「食育の3つの柱」についてお話しております。
今回は、「衣食住の伝承と 食のしつけについて」です。

昔は、大家族で「いただきます」「ごちそうさま」箸の持ち方など、食卓でしつけをする機会がありましたが、 今は、核家族で ばらばらの時間に好きなものを食べるというように食事の時間が変っています。
つまり、食卓で良いこと悪いことを習慣づける時間が足りなくなっています。

3歳〜8歳は小脳が発達する大切な時期。その時期に今は、昔と比べ、家族でいっしょに食事をする回数が1/3になっています。
年間365日×1日3食で1095回。このうち180回は給食です。
昔は、年間900回ぐらい家族と食事をしていましたが、今は300回ぐらい。

6年間で比べると、900回×6年=5400回:300回×6年=1800回
その差、3600回も食卓でしつけをする機会が減っています。
しかも今は、テレビを見ながら食事をし、マナーなどそっちのけです。

これをもう一度見直す機会が必要です。
家庭で足りない分を学校で補いようになっていますが、8歳までに道徳心を身につけることが大切で、8歳を過ぎて学校で教えても遅すぎます。
ぜひ、食事を前にした食卓で、きちんとしたしつけをお願いします。

(200)食育の基本は「選食力」 2010年4月13日配信

食育の範囲は本当に広いものですが、以下の3つに集約されます。
1.どんなものを食べたら安心・安全・健康になれるかを見極める「選食力」を養うこと。
2.食に関するマナーやしつけのこと。
3.食料自給率など地球規模で食を考えること。

どんなものを食べたら、安全・安心・健康になれるか。
それを見極める「選食力」を養うことは、食育の基本です。
昔は、家庭で教えていたことですが、家庭では難しくなった今、新しい情報も加えて、食育という形で学校教育の中に入れられました。
平成23年度から小学校、24年度から中学でスタートします。

「選食力」の基礎となる「農薬や化学肥料」「有機や減農薬栽培」「加工食品」、そして「旬について」など、勉強しましょう。
勉強することで、食べることの大切さが理解できるようになります。
食べたいものを食べるのではなく、考えて食べることが大切です。

さらに「地産地消」もあります。
これについては、まず日本の食料自給率、そして自分の住んでいる地域の食料自給率を知ることから始めましょう。
その上で、消費者として スーパーや小売店に働きかけ、「地産地消に参加すること」がとても重要です。


Information
RSS Podcasting
Podcasting対応ソフトにドラッグ&ドロップしてください。
RSS Podcasting
iTunesをインストール済みの方はクリックするとiTunesが起動し、番組を登録出来ます。
服部幸應の食育の本 vol.3
食料自給率をアップさせる食育2.0はじめます
JFN Internet Radio


このサイト内の全ての画像・文書・情報について複製や無断転載等を禁じます。
Copyright (C) 2007 JAPAN FM NETWORK. All Rights Reserved.