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旅人:FM岡山 アナウンサー 片山美紀

カジカの里、奥津…女二人旅

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岡山県北部にある美作三湯のひとつ「奥津温泉」は美人の湯。
今回はこの奥津温泉と岡山県立森林公園へ、小川もこさんとふたり旅。

わぉ、楽しみ!
温泉街に入る前に奥津渓に立ち寄りました。
白い花崗岩の渓谷、川の流れはなんとも涼しげ。

このあたりは紅葉の頃も見事な景色なのですが、私は夏の緑が大好き。
マイナスイオンを思いっきり吸い込んでいる私たちの前に現れたのがなんと・・・

オオサンショウウオ!

川の中からゆ〜ったり水面に上がってきてごあいさつ!しかしながら、息つぎ(だったと思うんだけど?)をしたらあっという間に消えてしまいました。

この旅、なんだか生き物との出会いがたくさんありそうな予感が?!
奥津温泉は吉井川の上流にある小さな温泉街。
普通の速さで歩くとあっという間に通り過ぎてしまいそうですが、そこがまた良いところ。

まわりには自然がいっぱい、静かで、空気が美味しい。忙しい日常を忘れて、心からのんびりすることができます。

宿泊先は「河鹿園」。
昭和4年から続くこの旅館は、静かなたたずまい。落ち着きがあります。
あたたかいお出迎えに、旅の疲れも吹き飛んでしまいそうなほどでした。

歴史あるこの宿にはこれまでに訪れた文化人も多く、
版画家・棟方志功もそのひとり。彼の作品をはじめ、
与謝野晶子の書やその他数々の絵画などに出会うことができます。

また、奥津はかつて映画「秋津温泉」の撮影が行なわれたところでもあり、当時の写真も飾られていました。私はまだこの映画を見たことはないけれど、奥津温泉がロケ地になった作品。機会があれば見てみたいものです。
廊下を歩いていても、一方の窓側にはきれいな庭、もう一方の壁側には絵画が。
目を楽しませてくれ、温泉宿にあって文化的、芸術的な刺激を受けられるとは、思いがけないサプライズでした。

ひと息ついた後、山の幸、川魚を中心とした夕食を堪能していると、どこからともなくさりげないピアノの音色が聞こえてきました。
それに旅館の方が“奥津温泉小唄”を歌ってくださって。

絵画や書、美味しい料理に、音楽。まことに楽しい時間でした。
ところで、この時期、吉井川では河鹿の鳴き声が聞こえてきます。
河の鹿!?
うん、カジカガエルのことですね。

6月の始めから「奥津温泉かじかまつり」が開催されていて、期間中は夜8時から「かじか観聴会」が行なわれています。

観光協会の方の案内で、カンテラを手に、カジカの鳴き声を耳にしながら、奥津橋から川沿いにあるいてみました。
川のせせらぎの音、ちょっぴりひんやりした空気の中、夜の温泉街を、下駄を鳴らして歩くのもまた良いものです。
「カジカは“ホロホロ”と鳴く」

と教えてもらったことがあるのですが、どうやらもこさんには“フィフィ”と聞こえたらしい。しかし、私には“コロコロ”のようなカ行から始まる音に聞こえ・・・。

どうも人によって聞こえ方に違いがあるようですね(笑)。
「コケコッコ」か「クックドゥードゥルドゥ」か、みたいに??

ちなみに、カジカは雄が雌を呼ぶために鳴いているそうです。歩いていると、たまにその姿を発見するのだけれど、
河岸の石の上で、川の方をじっと見ている様子はなんともいじらしく、ちょっぴりせつなくなってしまいます。
人間が近づけども逃げようとしないのですが、それほど彼らが真剣に雌を待っているのか(聞くところによると雄にとってはかなりの倍率らしい!)、それとも我々がいかにもコワくなさそうだったのか。どっちだったのかしら?

ホタルはもう終わりの時期だそうですが、何匹かゲンジボタルも美しい光を見せてくれました。

生き物たちのけなげな姿に、胸がキュンとしました。
お待たせしました。それでは、奥津温泉のお湯についてお話しましょうね。

河鹿園」の露天風呂につかっていると、すぐそばに吉井川の流れる音が聞こえてきます。
まだ、朝晩は気温が下がるので、夜の風はちょっぴりひんやりしていて湯けむりがいい感じ。

80歳代のお母さまとその娘さんの親子連れにお会いしましたが、九州と関西に離れていながら、たまにはこうやって旅を楽しむんですって。おふたりにとって奥津温泉はお気に入りの温泉地なのだそうですが、特にお母さま、娘さんと姉妹に見えるほどのツヤツヤのお肌がうらやましい。お湯に浸かって私もすぐに追いつくぞっ!

そうです、奥津のお湯は“美人の湯”!

アルカリ性単純泉で、ふわっとお肌を包み込んでくれるような実にやわらかいお湯なのです。保湿性バツグン。
お湯につかった後、美人に近づいたことを実感(これ、ホントです)!

翌日までつやつや、すべすべのお肌が続いて、奥津にお嫁に来たら、一生美しいお肌でいられるのではないかと、
勝手にいろいろなことを想像してしまいました。
昔はね、奥津にお嫁に来た人がおぼえないといけないことがあったんです。何だかわかりますか?

それは、お洗濯。

かつて、今のように洗濯機がなく、川で洗濯をしていた頃のお話ですが、クマなど動物が出てきてはあぶないので、立って、見張りをしながらお洗濯していたんです。
立って洗濯ができるかって?それができるのです。生活の知恵ですよね、うまく足を使って!

今では、この“足踏み洗濯”は観光用のお楽しみで、毎週日曜日の朝8時半から行なわれています。

もこさんと私、奥津橋のたもとで、絣の着物を着て、赤いたすきをつけた3人の女性が足踏み洗濯をされているのを発見。
しばらく見ていましたが、好奇心旺盛な2人組のこと。これはやってみなきゃということで、足でのお洗濯にチャレンジしました。
これが意外に難しい。
蹴り上げると石けんが飛び散るし、かといっておしとやかにしていても、いっこうに汚れが落ちないし。

ちなみに、「奥津温泉のお湯には美白効果もあるため、洗濯物もたいへんキレイになるんですよ」と教えてもらいました。

美白効果もあったのか。さすがは美人の湯!

奥津温泉からさらに北に向かうと、岡山県立森林公園があります。敷地面積が甲子園球場90個分といえば、
その大きさを想像してもらえるでしょうか?

標高1000mほどのところにある公園は、自然の植物をできるだけそのままにしながら、あたりを散策できるよう遊歩道などが整備されています。
普段お目にかかることが少ないブナの木を目にすると、
ずいぶん標高の高いところまでやってきたんだなぁ、と思えます。

春から秋の間だけ開園する森林公園。
ずいぶん緑が深くなってきて、夏の来たことを感じさせる空気でした。
緑のトンネルの中をもこさんと一緒に歩きましたが、
ただ自然の中にいるということのゼイタクさといったら!
しかも、珍しい木々や植物がたくさんあります。

ちょっと気になった植物が「ユウレイダケ」。
『ひゅ〜ぅ、どろろぉ〜ん』という効果音が非常に似合いそうなこの植物、緑の木々の中、ただ真っ白で、小さいながらもひときわ異彩を放っています。
正式名称は銀竜草(ギンリョウソウ)。かっこいい名前なのにね、ユウレイダケという通称を聞いてしまうと、私の中ではすっかりもうオバケちゃんのイメージで(笑)。

野鳥の鳴き声を聞きながら、少し山道を登り、展望台から山々を眺めました。本当にステキな景色でした。
(余談ではありますが、普段の運動不足がたたり、もこさんの隣で息を切らしていたのは何を隠そうこの私です!)
奥津温泉と森林公園への旅。
カジカたちの鳴き声や深くなりつつある緑に、季節を感じるひとときでした。

日々の喧騒を忘れていろんなことをリセットしたくなったら、あなたもぜひここへどうぞ。

ね、も〜こさんっ!
 
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