周辺地図はコチラ
 
旅人 AKI

宮沢賢治のふるさとイーハトーブの世界を旅する編

HOME>岩手1>岩手2
     
 
初夏の梅雨時・東北ということで、寒い上に雨という最も厳しい状況を考慮し、雨具に厚めの上着を持って行ったのに…、
自称晴れ男と名乗るスタッフのお陰か取材時は真夏かと思うほどの晴天!
取材としては嬉しい限りですが、とにかくあつかったっ!

私にとってラジオ初レポート。宮沢賢治の世界をたどり岩手県の花巻に行ってきました!
宮沢賢治記念館外観 雨ニモマケズの手帳
銀河鉄道の夜原稿
まずは宮沢賢治について色々勉強。
「宮沢賢治記念館」に行きました。

ここには賢治自筆の作品や、それにたずさわるもの賢治が深く興味を持った環境・農業・信仰などそれぞれテーマ別に賢治像を紹介しています。

これは『銀河鉄道の夜』の自筆。
賢治が最後まで書き終えることなく世に出た作品。
たくさん手直ししたあとがありますね。
北上川です。きれいな河です。
…いやいや、ここは渇水期に露呈する北上川の川床がまるでドーバー海峡のようだということで、賢治が「イギリス海岸」と名付けられた場所なんです。

残念なことに、夏場などの雨量の少ない日でないとお目にかかれないそうです。

しかしながら、川沿いの道はきれいに舗装されていて、普通に散歩するだけでも大変気持ちが良かったです。
イギリス海岸
日時計花壇
「宮沢賢治記念館」を出て、横の坂道を下っていくと、賢治が設計した日時計のある「ポランの広場」に出ます。

この時計、半日時計になっていて、日没後の時間帯部分には花が植えられています。なんだか賢治らしいですね。

行った時間が夕方だったので日時計の役割は見れませんでした。
「山猫軒」。

『注文の多い料理店』に登場するレストランをモチーフにしたお店。山頂にある「宮沢賢治記念館」のすぐそばにあり、山の中にふと存在感のある西洋風の建物が一際目立ちます。

中ではどんなものが待ち受けているのだろうか…。
山猫軒外観





その時ふとうしろを見ますと、りっぱな一軒の西洋造りの家がありました。
そして玄関には「西洋料理店 山猫軒」という札がでていました。

「君、ちょうどいい。ここはこれでなかなか開けてるんだ。入ろうじゃないか。」
「おや、こんなところにおかしいね。しかしとにかく何か食事ができるんだろう。」
「もちろんできるさ。看板にそう書いてあるじゃないか。」
「入ろうじゃないか。ぼくはもう何か食べたくて倒れそうなんだ。」

二人は玄関に立ちました。玄関は白い瀬戸のれんがで組んで、じつにりっぱなもんです。
そしてガラスの開き戸がたって、そこに金文字でこう書いてありました。

「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません。」

                                         『注文の多い料理店』より






山猫軒イーハトーブ定食
あら!おいしそうなご飯!

私を出迎えてくれたのはイーハトーブ定食という、岩手の名物、白金豚と山菜を煮たもの、すいとんに似たひっつみ、そして季節折々のものなどをセットにした定食! こちらのひっつみは餃子の皮を半分に折り重ねたような薄さ。

つるんと咽喉越しが良く、おだしは関西風の薄い色。
うれしいっ私好み!
白金豚は箸ですーっつと切れるほど柔らかい!

スタッフ全員違うメニューをお願いしたので、皆のご飯をちょこっとずつ試食…。他にもある「山猫軒」の名物をいただきました。

どれもおいしいっ!水もおいしいので、ご飯もおいしい。ん〜贅沢です。
賢治の家 AKI先生のオルガンに耳を傾けるスタッフ
学校内にあるとは思えないほど広々とよく手入れされた「羅須地人協会・賢治の家」。
ほとんどのスペースが吹き抜けになっているので冷房器具に頼らなくても気持ちのいい屋内。

1階には教室もあり、暖を取る火鉢の近くには、昔ながらのペダル式のオルガンがありました。
特に注意書きもなかったので試しに弾いちゃいました。

「ふぅぁ〜」…。懐かしさを感じる音色。まるで賢治のいた時代にタイムスリップをしたみたいでした。





9月1日

どっどど どどうど どどうど どどう、
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう

谷川の岸に小さな学校がありました。
教室はたった一つでしたが生徒は一年から六年までみんなありました。
運動場もテニスコートのくらいでしたがすぐうしろは栗の木のあるきれいな草の山でしたし、
運動場の隅にはごぼごぼつめたい水を噴く岩穴もあったのです。

                                              『風の又三郎』より






「ぎんどろ公園」内中心部にある
『風の又三郎』のモニュメント。

公園にいた人たちはそこで休憩していたり談笑していたりと、憩いの場になっていました。

ちなみに「ぎんどろ公園」は元々「賢治の家」のあった場所なんです。
風が良く通り、ぎんどろの木がさらさらとなびく音が…。
うっかり昼寝をしてしまいそうなほど本当に心地よかった〜。
『風の又三郎』のモニュメント
未来都市銀河地球鉄道の壁画
『銀河鉄道の夜』をイメージして市が作成した、
「未来都市銀河地球鉄道の壁画」。

ブラックライトで浮かび上がる仕組みなので暗い時じゃないとお目にかかれないのですが、このアイデア…、粋です。

幅は80mほど、高さ10m以上になるでしょうか。少し距離を置かないと全体像は見れません。かなり迫力ありますっ。





気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、
ジョバンニの乗っている小さな列車が走りつづけていたのでした。
ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、
窓から外を見ながら座っていたのです。
車室の中は、青い天鵞絨を張った腰掛けが、まるでがら明きで、
向こうの鼠いろのワニスを塗った壁には、
真鍮の大きなぼたんが二つ光っているのでした。

                                          『銀河鉄道の夜』より






荒谷前駅近く 釜石線 荒谷前駅で
『銀河鉄道の夜』のモデルとなった現・JR釜石線。これに乗ってぜひ通ってみたいところがあったので、荒谷前駅へ。

旅情感あふれる単線無人駅!!電車も2時間に1本のペースなので、待っている間に線路近くで
1人スタンドバイミーごっこしてみたり…、………やってみたかったんです…。
荒谷前駅で 宮守駅で
宇宙に旅立つシーンのモデルとなった「めがね橋」!
その上を走る釜石線!

これだけでも絵になるのだけど、日によっては、夜になると橋がライトアップされるので、雰囲気はさらに倍増!

鉄道マニアのように待ち構えた懇親の1枚。
本当に宇宙に行ってしまいそうな不思議な光景でした。
めがね橋を渡る釜石線





中山街道はこのごろは誰も歩かないから、蕗やいたどりがいっぱいに生えたり、
牛が遁げて登らないように柵をみちにたてたりしているけれども、
そこをがさがさ三里ばかり行くと、向こうの方で風が山の頂を通っているような音がする。
気をつけてそっちを見ると、何だかわけのわからない白い細長いものが、
山をうごいて落ちてけむりを立てているのがわかる。
それがなめとこ山の大空滝だ。

                                            『なめとこ山の熊』より






大空滝 大空滝とAKI.
命の保障はあるのか?!と、不安に駆られつつ、熊除けの鈴を片手に山道を歩くこと1時間。
めぐり合えたのは、『なめとこ山の熊』に登場する「大空滝」。

文章に出てくるままの、細長くて、水が蛇行しながら落ちてゆく様は、きっと、昔賢治が見たモノと同じなのでは…。
しみじみと感動…!

それにしてもこの場所、昔賢治が住んでいた場所からは、かなり離れたところにあるんです。
あの時代は馬と徒歩しか交通手段はなかったであろうに…。賢治の行動力ってすごいです。



賢治の作品を追って旅をして、彼が、大変この土地を愛していた気持ちが伝わってきました。
町の方々の努力もあるとは思いますが、生誕110周年になるのに、未だにその風景が残ってるってすごい!

賢治の世界をリアルに体感する貴重な経験でした!
 
HOME>岩手1>岩手2