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旅人:小川もこ(HP)&田島悠紀子(FMとやまアナウンサー)

  小川もこ的「越中おわら風の盆…恋歌」

       ※おわらの歌詞の基本は、他の民謡と同じく「七・七・七・五」の26文字。
         最後の五文字の前に必ず「オワラ」と入る。
         これは、おわらの語源説「おわらい節」の名残りと言われている。
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〜燃えた 昨夜(ゆうべ)に 顔あからめて
            忍び出る身に オワラ 夜が白む〜

あぁ、なんて艶っぽい歌なんだ。
高橋治さんが書いた小説『風の盆恋歌』に描写されている、おわら節である。
この本を初めて読んだのは、いつの頃だったろうか。

毎年、九月一日から三日まで 富山県の山あいの町、八尾で行なわれる情緒豊かな踊り祭り、それが「おわら風の盆」。

20年間離ればなれでいた本当に愛する相手と、この祭りの3日間だけでも一緒に過ごしたいと、男は八尾に家を買う。
そして毎年、女を待ち続けて三度めの晩夏。ついに女はやってくる。ぼんぼりに灯りがともり、胡弓の音が流れるとき、忍び逢う二人。大人の恋が この美しい町、美しい祭りを舞台に、ひっそりと花開く。あたかも、昼、白く咲き、夜、酔ったように赤く染まった後、散っていく「酔芙蓉(すいふよう)」の花のように。

せつない。儚い。だけれど、恋に焦がれ、燃えて燃えて、燃え尽きて。
誰しも、そんな恋がしてみたいでしょ。

ずっと憧れつづける祭り「おわら」。
今回は、小説『風の盆恋歌』をたずさえて、この町に乗り込んできました。
旅の道連れは、FMとやま の”ゆっきー”こと、田島悠紀子アナウンサー。

名前の中に、紀子さまと、そのお子・悠仁さまの両方の文字が入っている。
なんと、やんごとなき(!)女性であるか。
実は彼女とは、FMとやまの番組「For You 未来倶楽部」(略してフォーミラ!)で毎週、強力タッグを組んでいる
心強き相棒なんである。

な〜んの説明をしなくても、通じ合える相手♪
その彼女と、今回は全国版「YAJIKITA ON THE ROAD」の取材は勿論、「FMとやま」では、 9月3日(日)の
祭りの最終日の夜、YAJIKITA を八尾から「おわら風の盆」を実況中継生放送で行なうことになったのである〜♪

【タジマ】
実は、このYAJIKITAには2回目の登場となります。“ゆっきー”こと田島悠紀子です。

今回は、毎週「フォーミラ」でお世話になっている、もこさんとの女二人旅、
…ということで、かなり楽しみ!!

生放送をおこなった、八尾町商工会館の外壁には 
かな〜り大きな、こんな看板もかけられ、
気分も盛り上がってまいります。

でもね。

生放送は夜8時から。昼のうちに取材を行ないます。
まずは、今回の旅の動機付けとなった『風の盆恋歌』。

この著者の高橋治さんに直接お会いして、
この小説が生まれた背景、祭りに寄せる思いを
聴いてみたい!

「強い夢は、叶う」の言葉どおり、我々は 
高橋治さんに直撃インタビューを敢行したのだった!
高橋 治さん:
昭和4年(1929)千葉県千葉市生まれ。
昭和22年から4年間、金沢市の旧制四高を経て、東京大学文学部国文科卒業。松竹に入社。
小津安二郎のもとで長く働いた後、執筆活動に入る。「秘伝」(1983年)では直木賞、
「名もなき道を」(1988年)では柴田錬三郎を受賞。1996年「星の衣」で吉川英治文学賞受賞。

高橋治さんと一緒に
おわらの音を聴きながら、ここ八尾でも常に執筆していらっしゃる高橋さん。

我々が到着時には、お気に入りのお蕎麦屋さんから
満腹でのご帰還、あぁ憧れの高橋先生やぁ〜♪

まずは小川が、この小説のラストシーンで嗚咽、嗚咽、
どんなに号泣したかを熱く語ってしまいました。
それを笑顔で受けとめてくれる高橋先生、す・て・き。

すっかりミーハーな私。
ゆっきーも傍で 深く頷いてくれているのが嬉しい。
【タジマ】
私も「風の盆恋歌」ファンの一人です。

実は、高橋先生にご挨拶をさせていただいたときに、先生は、私の目をしっかりと見ながら挨拶をしてくださったんです!
感動〜。とっても嬉しかった。お話もとっても素敵で、さらに、ファンになってしまいました。

もこさんも、私も、まるで乙女のようでした。。。

高橋治さんは、実は毎年、おわらの時期には八尾に必ずいらっしゃっているのです。
まるで、小説の主人公・都築克亮(つづき・かつすけ)のようではないか?!

よく「男は自分自身だろう? 相手の女性・えり子のモデルは誰だ?」と質問されるそうですが、あくまで架空の話とか。
高橋さん流・おわらの楽しみ方を伝授してくださってます。オンエアー放送を是非、聴いてね♪

インタビュー終了後、主人公の男女が 会えない時期に手紙のやりとりをする中で、短歌を必ず添えていた事にいたく感動した話をしましたら、こんな話を聴かせてくれました。

曰く、短歌の心得はあまりないので、友人の歌人、大岡俊さんに 見て貰ったのだとか。
そうして、日本の女性なのだから、現代の女性も この最短の詩・三十一文字の短歌をたしなむ人間であって欲しいと。
さらに、日本の民族衣装である着物も、もっともっと着てくださいと。

ははぁ〜〜〜〜!
仰せのとおりにございますぅぅぅ。
やまとおみなは、かぐわしく。我もかくありたい。

持参の御著に達筆な墨字でサインも頂戴し、ミーハーの極みで辞そうとしたら、
「あれ?もこさん?!」と呼び止める声。

なんと声の主は 沖縄在住、りんけんバンドのリーダー、照屋林賢(てるや・りんけん)さん♪
以前、YAJIKITAの取材でお世話になったのは、もう三年以上前。よくぞ憶えていてくださった!

なんと彼も、おわら風の盆のファンで、わざわざ沖縄から見物にいらっしゃっていたのでした。様々な芸能人がお忍びで、
この祭り見物に来ているのは有名な話です。別れを惜しみつつ、我々は 次なる取材へ。


続いては、おわらに欠かせない役割を担っているのが、唄と楽器を奏でる「地方(じかた)」。
おわらでは、「唄い手」「囃子(はやし)」「三味線」「太鼓」「胡弓」を指します。

えっっ? 胡弓?

そう、この哀愁を帯びた音色を奏でる楽器がおわらに取り入れられたのは、実は比較的歴史が浅く、松本勘玄による明治40年代のことなんだとか。

そこで、胡弓奏者の山田誠さんに、実際に演奏していただきながら、歴史や特徴を伺いました。
胸が締めつけられるような、なんて美しい音色。。。やっぱり すごい。素晴らしい。


胡弓奏者・山田誠さん
ちょっと持たせてもらいました♪ 三味線より二回りぐらい小さいのですが、なんて奥の深い楽器なんだ。。。

お次は、生放送時に実況レポートを入れる予定の諏訪町を歩きました。

昭和61年に、日本の道百選に選ばれた町で、ここだけは電柱・電線の地中化がなされ、一軒一軒の家構えも町並みに
合わせるなど、諏訪町民あげて景観の保全に努めているだけあって、本当に美しい町並みです。
緩やかな坂道にぼんぼりが続く様は、夜の美しさが容易に想像でき、早くも心は江戸情緒の中にどっぷりと浸るのであった。


道の両脇には「エンナカ」と呼ばれる用水が流れ、その水音がまた何とも言えない風情を感じさせるんだなぁ…。
さぁ、そんなこんなを取材しているうちに、生放送の時間が刻一刻と近づいてきました。

ラジオながら、小川はブロードバンドの動画配信を意識して、(先程の高橋先生の言葉も肝に銘じつつ)浴衣に着替え、
ゆっきーは 皆の前に出ないアンカーマンの重責を果たすべく、様々な準備に余念がありません。
【タジマ】
もこさんの着替え中、私は、ナレーション録りなどをしてバタバタと生放送の準備をしていました。
ふと窓の外を見ると・・・雪洞に明かりが灯されていました。

もうすぐ、生放送が始まります。ドキドキ。


生放送直前のもこ&ゆっきー
生放送前の真剣な2人。

うふ。

この前にしっかりお弁当も完食しております。
スタッフは2箱食べてたなぁ。。)

夜8時の時報と共に、いよいよ番組スタート。

ゆっきー&もこの阿吽の呼吸は 
フォーミラでとった杵柄だぁ〜い。
【タジマ】
いつものクセで、思わず「フォーミラ」と言わないように、本番前に、今日は「ヤジキタ、ヤジキタ」とつぶやいていた私(笑)。
おかげで、間違えませんでした。ほっ。
さらに、おわらの事なら何でも御存知、
越中八尾観光協会・広報の
楠純太(くすのき・じゅんた)さんに解説をお願いしました。

おわらの由来、風の盆も由来、歴史、特徴など
余すところなく語って下さるのはさすが! 
心強いです。

番組開始から14分。

小川は楠さんと共に、諏訪町へと出発です。
スタジオは、ゆっきーに任したぞぉ!!

特設スタジオで楠さんと3ショット
抜け道を急ぐ我々、幸い全く動けないような混雑はなんとか回避、中継ポイントに到着して驚嘆! 
その時点で休憩中だった踊りの連が、なんと、リポート予定時間丁度ぐらいに、その場所から出発すると言う。
日頃の我が行いの賜物か♪と、神さま仏さまに感謝。

そうして、目の前で繰り広げられたのは、夢かうつつか。幻想的な、なんて美しい祭りなのでしょう。

石畳が続き、江戸情緒がそのまま感じられる
「諏訪町本通り」は、本当に美しい通りです。
そこで繰り広げられる諏訪町の踊りは、
喩えるなら“天女の舞”。
およそ、この世のものとは思えない、神々しさが漂います。

流し踊りの最後尾に、胡弓、三味線、太鼓、唄、囃子の
地方(じかた)がつくので、先頭の踊りは、
ほとんど無音の中、まるでサイレント映画のように
静かに静かに舞い進んでいくのです。

それを沿道を何重にも取り囲む観客達も、
しわぶきひとつたてずに、じっと息を殺して見守っている。

静寂の世界。

阿波踊りやよさこいなどの賑やかな
「動」とは全く対極の世界。

いきおい、レポートする声も囁くような小声となるが、何人かにマイクを向けると、九州から来た女性だったり、
岐阜からいらっしゃったかただったり、本当に楽しみにして来ていらっしゃっているのが 手に取るようにわかるような
お話をしてくださって感謝。

レポート終了後、楠さんと忍者走りの全速力で特設スタジオへ戻り、皆でエンディング。
無事、生放送終了〜! めでたしめでたし。

【タジマ】
「私にお任せください!!」
と、お二人を送り出し、一人寂しくスタジオから生放送。

もこさんからの電話リポートのあと、あの混雑だし、もこさん、スタジオに戻ってこられるかしら、と、心配していたところ、、、バタンとドアの開く音が。信じられない速さでもこさんが戻ってきました。
もこさんは、時々、不可能を可能にしてしまうんですよね。。。
もしや、本当に忍者なのか!?(笑)

楠さんは この後、地元の上新町の輪踊りに
参加するのだという。

じゃぁ〜私たちも踊りに行きます♪と、まずは部屋の中で
踊りを教えてもらう。

何度教わっても、なかなか憶えられない。

ほんっっと、おわらの踊りは難しい。

♪だ〜れが殺したクックロビン〜♪のパタリロみたいに
踊ってますが、各自、真剣です。

楠さんに踊りを教えて頂いて、私達もお祭りへ
【タジマ】
「風の盆」の魅力を改めて知ってしまった私達は・・・踊らずにはいられませんでした。
しかし、これが難しい!!

「あれ? ん? わからない〜」

「もう一度やってください!」

「とりあえず、手の動きから」

みんな、言いたい放題(笑)。
でも、なんとか、、、一応踊れるようになりました!何かが違う気がするけど・・・。
楠さんに「あとでね!」と再会を約束して、まずは祭り見物に繰り出す私たち。坂をずっと上がっていった
西新町の踊りを観賞しに出かけました。
ここの踊りを観て またまた驚いた!!

さっきの諏訪町のと 全然違う。 なんて官能的!

女踊りの艶っぽさ。男踊りのなんと勇壮で精悍な
色気。両者がからみ、しなだれかかる様は、
まさしく男女の営みで、観客達からは幾度となく
溜息にも似た大きなどよめきや掛け声がかかる。

諏訪町が天女なら、こちらは生身の人間。
命息づく肉感の生々しさに満ちあふれている。
と感じたのでした。
あぁ。踊りの質が全く違うよ。

こりゃぁ、11の町のそれぞれの連、全てに個性があって
おもむきを異にするんだろうなぁ。

来年は全ての町を巡って、探求して、
その違いを見極めたいものだと思いました。
そうして、上新町へ。

なんと偶然にも(!)楠さんに遭遇。

だって、何十万人が繰り出すお祭りですよ。
加えて、ここ上新町は、八尾の中でも一番大きな商店街で、道幅がとっても広いから、輪踊りといっても、
超長い「大輪踊り」なのだぁ。

楠さんの後ろにちゃっかりと入れてもらって、
ゆっきー&もこは踊り始めたのだが。。。
さっき、楠さんが教えてくれなかった所作がある〜〜〜?!

で、そこはごまかしごまかし、へどもど踊ってます私たち。

来年は、不格好じゃなくカッコ良く、
色っぽく、踊りたい〜〜〜!
【タジマ】

さすが、おわら風の盆です。

ちょっと習って、出来た気になっていた私達でしたが、
そう簡単に踊れるものではありませんでした。
でも、楽しかったけど♪

来年は、浴衣を着て、
ツヤっぽく踊ってみせようではないか!!
と心に誓った私でした。

翌日、八尾の特産である八尾和紙を集めた和紙文庫を
取材しました。

小学校の校舎を移築したこの和紙文庫は、
レトロな魅力いっぱいで素敵な場所です。

館長さんは鏡町の出身。
高橋治さんの小説で、一番踊りが艶と華がある、、
と描かれていた町です。

来年は きっと行きますね〜
さいごに。
富山でレギュラー番組を担当するようになって10年。
幾度か、この祭りを体験し、また祭りの舞台の八尾では、5年間ジャズイベントを企画したり、
トークショーや番組を行なったりと、ずっとこの町と関わりを持ち続けてきた小川です。

驚くこと。
それは八尾の人たちの、この祭りへの対峙の仕方。
町の人たちの身体には、骨となり肉となり「おわら」が染み込んでいるみたい。
「私の血はワインで出来てるの」、、と言った女優がいましたけれど、
八尾の人たちの血は「おわら」で出来ているかのようです。
それぐらい、生活のあちらこちらに、この祭りの要素が感じられるのです。

故郷を 心から誇りに思える「祭り」。
持っている地の人は幸せだなあ、羨ましいなあと、嫉妬。羨望。憧れ。
せめて、年に一度ここへ来て、第二のふるさととして祭りを味わってみたいと思いました。

八尾 ばんざい。ありがとう。

 

【タジマ】
今年のおわら風の盆の来場者は、3日間であわせて23万人。開催日が金・土・日の週末開催となったことなどもあり、
去年よりも2万人も多かったそうです!毎年、風の盆の期間は、県内のホテルは、早くからどこも満室になり、
岐阜や金沢のホテルに泊まる方もいるそうです。

期間中は、午後11時に公式行事が終了した後も、各町内で有志による町流しが翌日の未明まで行われます。
あえて、観光客が少なくなった夜中をねらっていらっしゃる方も少なくありません。

さらに、混雑を解消し、ゆっくりとおわらの雰囲気を楽しんでもらうために、毎年、8月20日〜30日までの11日間、
前夜祭も行われます。前夜祭では、毎晩11の支部が、順番に輪踊りや町流しを披露します。
ゆっくり、おわらを楽しみたい方にはオススメです。

さて。私、田島も、早いもので、富山に来てもう6年です。毎年のようにおわらを見に行っていますが、
今回、改めて、おわらの魅力を知りました。そして、さらに、大好きになりました。

また、来年も来よう。

そうそう、もこさん、来年はリベンジですよ!
来年こそは、美しく踊りましょうね。
そのために・・・
そろそろ、練習でもしましょうか!


打ち上げは、いつものように飲んだくれ
おまけのショットを…。

交通規制で 遠くに停めた取材車に這々の体でたどり着き、そこから宿泊の富山市街地に戻ってきたら、
もう時刻は午前1時過ぎ。

当然、居酒屋チェーン店しか開いてなくて、
そんな店で打ち上げとなりました。

富山名物、、は、あんまり無かったけど、
イイ仕事をやり終えた後は 酒も食事も進むのぉ〜♪

食べて呑んで 満面の笑みの私たち〜
スタッフこそ 大食らいですぅ。
【タジマ】
生放送の前にお弁当を食べた私達でしたが(たしか、男性スタッフは2箱食べたはず・・・)、
テーブルの上には、のせきれないほどのお皿が! すごい食欲です。

いい感じで酔いがまわってきたところで、おひらきに。充実したいい1日でした。

お疲れ様でした〜。
 
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