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旅人:今泉 清保(HPはコチラ) 撮影:中村隆之

   校長 野田知佑
   吉野川「川の学校 川ガキ養成講座」
         〜第4回(最終回)キャンプ 吉野川 善入寺島〜

     
 
11月3日〜5日、「川の学校」最後のキャンプ。
場所は吉野川の中流にある善入寺島。川の中の
無人島としては日本最大なのだそうで、ちょっとした
中州のようなものを想像していた私はその大きさに
驚いた。東西に6km、南北に1.2kmもある。

昔は人が住んでいて、小学校もあったのだが、
大正4年、吉野川の改修工事にともない、国が
土地を買収して島民は移住し、島は巨大な
遊水地となった。

島には堤防を作らず、川が増水したときには
沈むということだ。今は国から土地を借りて、
畑をつくっている人がいる。
11月のキャンプは寒いだろうと思っていたのだが、
日中はとてもよく晴れて半そででもいいくらいだった。

広い川原にテントを張り、お昼ごはんを食べたら
早速それぞれに好きな遊びをする。場所が変わっても、
やることは変わらない。飛び込んだり、カヌーをしたり、
釣りをしたり、網で小さな魚を捕ったり。

違うのは、きょう何をして遊ぶのか、子供たちが誰にも
相談せず自分でどんどん決めるようになったこと。

そして、カヌーにしても釣りにしても、明らかに上手に
なっていることだ。

 

「川の学校」のこだわりは、同じメンバーで何度も
キャンプをすることにある。1回だと体験で終わってしまう。

何度もキャンプを重ねることによって、体験が経験になり、
そして川ガキに成長していくわけだ。

こうして毎回一緒にキャンプをして、
そのことがよくわかった。


外にいる分には暖かいが、水はさすがに冷たい。でも川ガキには関係が無い。
カヌーに乗った子供たちは川の真ん中の岩場まで漕ぎ、そこから今度は飛び込んでいた。その対岸ではみんなで釣り。

見慣れたいつもの光景なのだが、全員が本当にのびのびと遊んでいる。
その様子を見ているだけで、こっちも笑ってしまう。そしてやっぱり一緒に遊んでしまう。





初日の夜は大きなテントに集まって
「吉野川ウルトラクイズ」。

野田さんをはじめ、スタッフが品物を持ち寄って、
全員参加のクイズ大会をやるのが毎年恒例なんだとか。
私も本を1冊持っていった。

最初は個人戦、続いて団体戦。全員参加ということは
スタッフも参加するのだが、団体戦では私たち
YAJIKITAスタッフも、キッチン担当のチームに
入れてもらった。

全員にプレゼントが渡るようにはなっているのだが、
勝負となると力が入る。というか、子供たちが
楽しめればそれでいいのに、私たちのチームはうっかり
本気を出してしまい、子供たちを差し置いて
優勝してしまった。

子供たちからは「大人げない!大人げない!」という
「大人げないコール」が起こったが、
まぁ勝っちゃったものは仕方がないので、子供の声に
合わせて踊ったりしていた。まったく大人げない。

夜は焚き火を囲んで怖い話大会。

ハタという男の子が「怖い話してして〜」というので、
タカさんがいろいろと怖い話をしたらすっかり涙目に
なってしまい、その日顔を出していた初対面の
編集者の方に「おっちゃん一緒に寝て〜!」と
頼んでいたので大笑いした。

そんなに怖いなら聞かなきゃいいのにと思うが、
聞きたい気持ちもわかるなぁ。



2日目の午前中、ちょっと変わった遊びをやっている子がいた。スタッフのケン坊と一緒に小さな魚を捕り、
それを小さなビンに入れて「まほうの水(薬局で売られているアルコール)」を入れて蓋をする。

これで、魚が傷むことなく保存できる。吉野川の思い出を持って帰ることができるのだ。私も小さな魚を記念に捕った。




別の場所では、たけちゃんと日根が、竹林から切ってきた竹でテントを作っていた。
竹を組んでまとめ、シートで覆ってテントのできあがり。「きょうはここで寝るんだー」と大喜び。

4回のキャンプで遊びつくしたと思ったけれど、まだまだ遊べることはあるんだな。
そして、最後のキャンプのメインイベントが、2日目に全員で行うカヌーツーリング。キャンプ地の善入寺島から8kmほど
上流に行き、全員がカヌーで下るのだ。もちろん私も一緒に下る。

吉野川は、川幅が広くて流れがゆるやかなので、子供でも十分下ることができる。
ところどころ、流れが速くなっている瀬があるが、たくやが下りやすいところを先導してくれる。
この瀬を下るのが、スリルがあって気持ちいい!

中には、カヌーがひっくり返る→「沈」する子もいたが、それもまた楽しい。途中2か所で休憩するが、
チチが先回りしてお湯を沸かしておいてくれるので、みんなでココアを飲んで体を温める。

川の学校では、それぞれが好きなことをして遊ぶのがルールなのだが、このカヌーツーリングだけは、全員で同じことをやる。
最後におんなじ思い出を作るのだ。無事、全員が善入寺島に着いた。
   
         

最後の夜は、野田さんがこれまでカヌーで旅してきた
世界中の川の話を、写真を見ながら聞いた。

きょうみんなで川を下ったことは、ほんの小さな}
冒険かもしれないけれど、野田さんのたくさんの
冒険だって、最初はきっとほんの小さなことだった。

その時に感じたことを忘れずに続けていったから、
野田さんはいろんなところでたくさんの人に
出会っているんだな。



最終日は卒業式。
野田校長から「おめでとう」という言葉とともに、一人一人手作りの卒業証書を受け取った。この卒業証書、
スタッフが石を拾い、手書きでメッセージを添えた特製のものだ。

そして、それぞれのキャンプ中の写真が貼られた手作りのアルバムも一緒に手渡された。

卒業証書を受け取ったあと、子供たち、そしてスタッフが
一言ずつ感想を言った。それぞれに心に残っていることが
違うのが面白かった。

中でも、神奈川から参加していたあっちゃんが
「遠いところから来ていて、友達とかできるか
不安だったけど、いろんな人と友達になれてとっても
よかった。川ガキサイコー!」と照れながら
言っていたのが心に残っている。
子供たちのキャンプに取材という形でおじゃまして、どれだけみんなと仲良くなれるか、私だって不安だった。
キャンプをすること自体がものすごく久しぶりだったし。

でも、野田さんはじめ講師の皆さん、とても面倒見がよくて頼りになるボランティアスタッフ、そしてそれぞれに個性ある
子供たち、みんなと仲良くなれて本当によかった。

それから、忘れてはならないのが、吉野川の素晴らしさだ。この川の豊かさ、恵みのおかげで私たちは楽しい時間を
過ごすことができた。これからもここで川ガキが育ち、そして巣立った川ガキが戻ってこられるよう、
この自然がいつまでも残ることを心から願っている。

ありがとうみんな。川ガキ、最高!


                                                                 今泉清保


















みんなのチチとハハ ありがとう!

<吉野川上流 編>

今回、6期「川の学校」最終回の前日、早めに入った
ヤジキタ撮影班は、夏のキャンプで行くハズだった
“吉野川の上流”へ行って見ることに・・・


大歩危(おおぼけ)の舟下り
支流 祖谷川にかかる「かずら橋」

山野に自生するシラクチカズラで編まれた吊り橋 
少し紅葉が始まっていた

上流にいくほどに水がどんどん澄んでくる
橋の上からも魚が見えるのがわかる!

こんなところで夏にキャンプをしたら最高だろうな〜!



大きな魚がたくさん見える!!

中には30cm程の大きなアユが4匹、岩に体をすり寄せ
コケを食べているのが見え、思わずスタッフの鼻が
膨らんだ!
まるで宝箱を見ているようで、なかなかこの場所から
離れられずにいた・・・・・・
 





撮影/中村隆之  取材協力/(株)モンベル



「川の学校」校長 野田知佑

カヌーイスト、作家。熊本県出身。教員、雑誌記者を経て執筆活動に。
日本におけるツーリングカヌーの先駆者で、国内をはじめ世界中の川を旅する。
また「川遊びカヌー」を提唱し、川の楽しみ方を読者へ伝える一方、
河川改修やダム開発など公共事業による川の環境破壊をカヌーイストの立場から告発し続けている。

日本初のカヌーに乗れる犬「カヌー犬・ガク」を育てた事でも有名。
(現在のカヌー犬は、一緒に暮らしているボーダーコリーのアレックス)

82年『日本の川を旅する』で第9回日本ノンフィクション賞新人賞受賞。
88年一連の活動に対して毎日スポーツ人賞文化賞を受賞。

主な著書
「今日も友だちがやってきた」
「なつかしい川、ふるさとの流れ」
「少年記」
「旅へー新放浪記」
「日本の川を旅するーカヌー単独行」
「ユーコン漂流」
「北極海へ」
「カヌー犬・ガクの生涯ーともにさすらいてあり 」