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旅人 : 西村美月

源氏物語千年紀。源氏物語に魅せられた人たち…

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はじめまして。
YAJIKITA初参加の旅人、西村美月(にしむら・みづき)です。
キタP「西村ちゃん、源氏物語、好き?」
西村 「はい、大好きです!」
キタP「じゃあ、決定!」
こんな簡単な質疑応答で、今回の旅が始まりました。
無論、行き先は、平安の都・京都でございます。

源氏物語。
皆さんご存知、平安時代の女性作家・紫式部が書き上げた、超!長編恋愛小説です。
高校生の時、古典の授業で習った時は、あまりピンと来なかったんですけど。
大人になって読んでみると、とてもはるか千年も昔に書かれた小説とは思えないくらい、恋する気持ちとか、嫉妬心とか、
大人の女のプライドとか、色々、「分っかるぅ〜♪」ことばかりなんですよね。

もちろん、一夫多妻制なこととか、顔も見ず、和歌や楽の音、たき物(お香)だけを頼りに恋をすることなど、
想像を絶する時代が背景ですが、それをも「私がこの姫だったら、どうしただろう?」なんて贅沢な想像をさせちゃう、
不思議な力を持っていたりします。

源氏物語の姫で一番好きなキャラクターは?と聞かれたら・・・。
前は、正統派「紫の上」、もしくは神秘的な「夕顔」でしたが、最近読み返してみたら、
「明石の君」の方がステキに思えてしまった。

あと意外にも、花散里の、色気がなくても源氏と心が通い合う資質(失礼!)にも共感を覚えた自分に、
「私も大人になったなぁ」と感慨深くなったり (^^ゞ
・・・これじゃあ、流行りの連ドラを見た感想と同じじゃん!!

でもね。いいんです、これで。
京都には、今も源氏物語を昔と変わらず愛する人たちがいて、
ずっと、そういう人たちが色んな形で語り継いで来たからこそ色あせることなく、私たちも気軽に楽しめるんですよ。

ということで。
前置きが長くなりましたが、
今回の旅の1日目は、「源氏物語に魅せられた人たち」というテーマで、色んな方のお話を伺いました。

折りしも今年2008年は、源氏物語が世に知られて、ちょうど千年。
「源氏物語千年紀」と題し、京都を中心とした各地で今、様々な催しが開かれています。
その実行委員会の木咲さんにお話をお伺いするところから、旅はスタートしました。

木咲さんのお話で、一番ビックリしたのが、「源氏物語千年紀」が、よくある行政主導型の街おこしイベントではなく、
市民の皆さんがそれぞれに活動していることをまとめたら、結果、ものすごい数のイベントになったってこと。
「私たちは、それを必死にまとめているだけなんですよ」という木咲さん。
それだけ、源氏物語は普段から、市民の生活に自然に溶け込んでいるんですよね。
そのお話を踏まえて、「魅せられた人たち」へのインタビュー、開始です。

まず、お香専門店の畑正高社長。
お店に入ったとたん、雅な気持ちになってしまうお香の香りに包まれました。
こちらでは、平安当時の香りはもちろん、源氏物語をモチーフにした遊び「源氏香」(5つの香木を52通りに組み合わせて焚き、香り当てするゲーム)を今に伝えているんです。

「お香の文化の背景には、何百人という限られた雅な世界の外には、庶民の生活臭が漂っていた。
だからこそ、隔離する意味でも貴族たちはたき物(当時は、お香という言葉はなかったそうです)を
焚き染めていたということを忘れないで下さい」
という、畑社長の言葉が印象的でした。

織物で「源氏物語絵巻」を表現しようと、70歳から作品作りを始めた、京都の伝統・西陣織の織物作家・山口伊太郎さん。
思考・試作を重ね、昨年亡くなる105歳まで、すべての生活を創作活動に捧げました。
現在開かれている山口さんの遺作展を訪れましたが、
「これが本当に織物?」と目を疑うばかりの繊細な描写や鮮やかな色遣い、絵巻を網羅した膨大な長さに、
ため息がこぼれるばかり。

お話を伺った息子さんの野中明さんによると「一番大変だったのは、長生きすること」だったそうです。
かといって、源氏物語という壮大なテーマへの気負いは無く、
むしろ、ご自身が培った錦織の技術をどう絵巻物へ活かしていくか、考え、試し、作り上げていくという、
充実した“余暇”だったそうなんですね。
もちろん、深い源氏物語への愛が根底にあるからこそ、見る私たちは感動するんですが。

「源氏物語の登場人物を、つい、親戚か友人のように思って、話してしまうんですよね」
とお話くださったのは、歌人の林和清さん。
深い緑の素敵なお着物姿に、はんなりとやわらかい物腰。
今回お会いした中で一番“京の香り”がした方です。
林さんには、紫式部の墓とされている場所で、源氏物語に出てくる歌を、いくつか紹介していただきました。

それにしても。
紫式部は源氏物語の中で、なんと800首近くの歌(和歌)を詠んでいるって、知っていました?
そりゃ、あれだけ登場人物がいるんですからねぇ。
でも、実際は、筆者が全部書いているわけでしょ。
しかも、その一つ一つが場面に合っているばかりか、人格によって歌を詠み分けているんです。

特に、光源氏が謹慎生活を送った明石で出会った女性「明石の君」は、源氏が寵愛する他の女性よりも身分が低いことを、
誰よりも技巧的で素晴らしい和歌を詠むことで克服しました。
教養やセンスが抜群の明石の君に、光源氏はゾッコン!
紫の上に勝るとも劣らない愛を注ぎました。
紫の上も、一番ライバル視した女性が、明石の君なんですよ。

さらに、教養やセンスがない人(近江の君、末摘花など)には、わざと下手な歌を詠ませています。
紫式部も、下手な歌を考えるのは、かなり苦労したでしょうねぇ。

さらに、林さんとお話していて初めて気が付いたのは、光源氏の最初の結婚相手である「葵の上」は、
実は一首も詠んでいないということ。

源氏が元服してまもなく政略結婚した二人の間に愛が芽生えるのは、葵の上が亡くなる直前でした。
和歌の交換は、今で言えば、電話やメールのやり取りのようなもの。
心が通わない二人を表現するために、紫式部はわざと、和歌の交換をさせなかったんです。
どこまで奥が深いんだ!!

さて。
林先生とは、まるで少女同士のように(スミマセン!)物語の話で盛り上がってしまいました。
「今まで取材に来た人の中で、あなたが一番詳しいですよ」って言ってくださって、とても嬉しかったデス。
いやぁ、好きこそものの上手なれ、ですね(^.^)
とは言っても、単なる読者に過ぎない知識ですが。

・・・だからこそ、今回の取材で、懸念がひとつ。
「源氏物語の世界にはじめて触れる人が聞いても楽しんでいただけるだろうか?」と。

不安に思っていたときに偶然出会ったのが、人足が離れつつあった商店街を、
源氏物語ゆかりの地をめぐるガイドブックを作る事で一気に活性化させてしまった、堀川商店街の山内浩一さんです。

堀川通りに面するこの商店街は、平安京御所跡地のすぐ近くにあります。
「商店街を通る形で源氏物語ゆかりの地を散策できる冊子を作れば、商店街の通行人も増えるかもしれない」
と考えた、山内さん。
なんと、自転車でゆかりの寺社を中心に取材し、1冊のガイドブックにまとめました。
ちなみに、取材で走らせた自転車の総走行距離は、なんと500キロ!
苦労して出来上がったガイドブックは、商店街を訪れた人たちだけでなく、新聞などでも紹介されたため、
今では注文が絶えないそうですよ。

「源氏物語を知らないっていう人にも入門書として見てもらって、街巡りを楽しんで欲しい」
とおっしゃっていました。
さて、堀川商店街ですが、現在、空き物件はゼロ。
最近は、昔ながらのお店だけでなく、若い人が経営する店舗も増えてきたそうです。
やるなぁ、山内さん!


ということで、1日目の旅は終わりです。
「源氏物語に魅せられた人たち」というテーマでしたが、むしろ私は、
「源氏物語から伝わる文化が生活の一部になっている人たち」という印象を受けました。
なんていうか・・・源氏物語がもともとDNAに組み込まれているっていうか。
例えるなら、青春時代に衝撃を受けて聞き始めたロックじゃなくて、
生まれたときから当たり前のように聞いていた叙情歌って感じ。
ん?もっと分からないって??(笑)


ここで、ちょっと余談。
1日目は終日、冷たい雨でした。
ほとんどが室内でのインタビューだったのが、せめてもの救い。
でもね、私、仕事は(!)“晴れ女”なんです。
ただ・・・、プライベートだと一転、めちゃくちゃ“雨女”、なんですねぇ。
しかも、小学校から大学までのすべての入学式が雨だった、という筋金入り。
「美月ちゃん、見るからに、旅行気分だよね」と、スタッフ一同。
・・・。ハイ、その通りです。

だって、キタPに「京都旅行だと思っていいですか?」って聞いたら、「いいよ、楽しんでおいで」って言ってくれたんだもん(;_;)
出かける時、家族にも「旅行、楽しんでいらっしゃい!」って送り出してもらったんだもん(+_+)
スミマセンm(_ _)m気合、入れなおします!

そしたら、2日目は、早朝まで降っていた雨がやみ、明るい曇り空。
午後には暖かな日差しまでさしてきました!
やったぁ!
しかも2日目は、ずっと屋外。晴れなきゃ、台無しなんです。
「ほら!肝心なところは晴れたでしょ!!」と、かなり遅れた仕事モード突入を棚に上げて、スタッフの前で胸を反らせた、
ちゃっかり美月ちゃんでした( ̄▽ ̄)v

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