牛嶋俊明 旅日記    <3月20日(日)>  晴れ

DJ牛嶋、春の笠岡諸島を旅する〜白石島編〜

HOME>岡山1>
     
 
笠岡諸島の旅。


まずは笠岡港から船で白石島に向かった。
白石島は海水浴場、マリンスポーツとしてもおなじみで、片岡義男さんの小説『彼のオートバイ彼女の島』の舞台となった島である。


最近は修学旅行生の受け入れもしており、島を訪れた中学生曰く、

『白石島はディズニーランドより面白い!』

との事。
我々を迎えてくれたのは今回の宿泊先となった”民宿はらだ”の原田茂さん。

白石島生まれの白石島育ちで、

『僕は海の中で生まれて海の中で育っているので魚類なんです』

とにっこり。
春なのに真っ黒に日焼けした姿がとても印象的だった。
原田さんの奥さんもとっても気さくで

『ようこそ、私、原田の娘です』

などと冗談たっぷり。
今回の旅はきっと楽しいものになる事を感じさせた。
まず、最初に挑戦したのがシーカヤックだ。
シーカヤックはカヌーの一種で、下半身が船の中に隠れるようにデッキがある小船である。海用という事でシーと付くが、細長い船なので、見るからにバランスを取るのが難しそう。恐怖感から、

『引っくり返る事はないんですか?』

と質問したが、原田さんは

『大丈夫ですよ。でも、今は水温が9度位なので海に落ちたら大変ですね』

とウェットスーツを用意してくれた。

『という事は・・・本当に落ちる事があるのか?』

と、さらに不安が襲ってきたが、そこでスタッフからは落ちろコール。番組的にはおいしいが、

『絶対にうまく漕いでやる!』

と心に誓った。

原田さんから指導を受けて実際に海の中へ。

恐怖感でいっぱいだったが、いざ乗ってみると、そう簡単に引っくり返る乗り物ではなかった。黙っていても風で勝手に前に進むので、海と同化したら操縦は意外に簡単だと思った。

そんな中、伴走の取材船からは相変わらず落ちろコールだ(笑)。しつこいぞ!

でも、海と同化と口で言うのは簡単だが、これがなかなかまっすぐに進まない。漕ぎ方が悪いせいか、どうしても右方向に進んでしまうのだ。知らぬ間に30メートルも陸から離れてしまったが、

『どう方向転換すればいのか?』

と困っていると、カヤックに乗った原田さんが、猛スピードで追いかけてきてくれた。
『牛嶋さん、ごめん!曲がり方を教えてなかった』

と、急遽船の上で曲がり方講習。左方向に進む時は右側だけ漕ぐという簡単な方法だったが、難なく方向転換する事が出来た。初心者にもかかわらず、

『運動神経あるなぁ〜』

と自画自賛したが、余裕ある操縦姿見た原田さんが、

『牛嶋さん、そろそろお昼ご飯の時間ですね。カヤックに乗りながらご飯食べようよ〜』

と訳の分からない事を言い出した。『ん?』と不審そうな顔をしていたら、

『もちろん、食べるのはカヤック(かやく)ご飯ね〜』

だって(笑)。

『なんだぁ〜これが言いたかったのか!』

と思ったが、原田さんは本当に楽しい人だ。

さて、今回はカヌーに乗るだけにあらず、無人島へ単独走行しようという目的もあった。

目指すは白石島から約200メートル離れた無人島。

乗ってから数10分経った事ですっかり操縦に慣れていたが、船で伴走のスタッフからは相変わらず落ちろコール。
しかし、その横で

『気持ちいいぃ〜』

を連発して乗っていたので、さぞかしスタッフは

『うらやましいぃ〜』と思った事だろう。
そして、誰の手も借りず、約20分で見事に無人島単独走行に成功した。

降り立った無人島で、原田さんの用意してくれたワインを開けて乾杯!晴天の瀬戸内海、心地いい春の風を受けて飲むワインの美味しさ・・・その気分は最高だった。

その後、大きな岩の下にいた小さな蟹や、海草が流れついているのを見たが、改めて

『ここは別天地だ』

というのを実感した。今度は絶対に無人島でキャンプするぞ!
白石島は、露出した花崗岩で白く見える事からその名が付けられた。
あちこちに石が点在していて、まさに石の島といった感じ。

7つの峰を結んだハイキングコースからは綺麗な瀬戸内海を見渡せるとの事で、今度はハイキングコースに出てみる事にした。

入ってすぐの道沿いに、島の雰囲気とは一風変わった洋風な建物な目に入ってきた。
それは『白石島国際交流ヴィラ』という外国人のために建てられた別荘だった。

中に入らせてもらうと、倉敷から来たと言う日本人女性の姿があった。なんでもイギリス人のご主人がこの雰囲気を気に入り、連休を利用して家族で泊まりに来たと言う。

共同キッチンがあって、ここで料理を作り、海を見ながら食事を楽しむ事が出来るが、日本人のみの利用は不可との事で残念!
しかし、外国籍がある人が一緒だと日本人も泊まれるらしい。

年間を通して、欧米をはじめ各国から観光客が訪れていて、豊かな自然を満喫しつつ、島の人達との交流も楽しんでいる事。

これも、まさに島ならではだと思う。
『白石島国際交流ヴィラ』を抜けると、いきなり急な山道だ。

岩の間を抜けて登り、登ったと思ったら下って、ハイキングコースは高低差が大きいとてもハードな道だった。しかし、

『そろそろ休憩を・・・』

と思った所に展望台があり、ベンチやイスも整備されていたのは嬉しかった。

とにかく展望台からの景色は最高!360度見渡せて、瀬戸内海に浮かぶ島々を見る事が出来る他、漁船や輸送船の姿も見えて、空を飛ぶ鳥も気持ちよさそうだった。

『いつまでのここで海を見ていたい』

誰しもがそんな気分になる場所では?
びっくりしたのは、展望台によって景色が違う事だ。あの場所からはこう見えて、この場所からはこうと、それだけ瀬戸内海の風景は絵になる場所なのかもしれない。

展望台の他に巨大な岩に登って景色を見る事も出来たが、印象的だったのは魚見台と言われる大きな岩だった。昔はこの岩に登って、魚群の移動する方向や正確な位置を漁船に教えていたとの事。

近い所では海の底まで見えていたが、瀬戸内海の綺麗さを再確認した。
ハイキングのコースのほぼ中央に位置しているのが弘法大師ゆかりの開龍寺だ。

谷間に本堂、護摩堂、鐘楼、四社明神、大師堂が並んでいたが、中でも人面にも似た不動岩は、

『岩の窪みに額を当て、心の中で願いを3度唱えると叶う』

という伝承が残っている。
我々スタッフ全員が額を窪みに当てていたが、みんな何を願ったのかな?

そんな中で驚きだったのは、大師堂を覆っていた巨大な岩だった。平べったい岩で、ハンバーガーのパンにように大師堂を包んでいた。
よく岩が崩れてこないものだと思うが、逆に岩が大師堂を守っているのではないだろうか?
大師堂裏の岩間から清水が流れていたが、これは弘法大師が修行の際に使用したと伝えられている。自由に飲む事が出来たが、柔らかい水でとっても美味しかった。
霊水を持ち帰る事も出来て、横に小さなビニール容器が用意されていたのが嬉しかった。

ハイキングコースを歩き始めて約3時間。

途中何度か休憩を取ったが、なんとか無事に歩き終える事が出来た。
充実感とともに、とても気持ち良かったのは言うまでもない。

そして、民宿に戻る途中、オレンジ色に輝く夕日に巡り合う事が出来た。ゆっくり沈む様子をじっと見つめていたが、沈むと同時に、周りの空の色もオレンジから灰色に変わっていき・・・そして完全に沈んだ・・・こんなに空が広い中で見る夕日なんて初めての体験。

『我々は、今、この地球に生きているんだ!』

その事をまさに実感した瞬間であった。

民宿に戻って、次に楽しみなのが夜の食事だ。

原田さんの料理が次々と登場したが、

『明日泊まる旅館と同じ料理にならないように』

と、様々な創作料理を出してくれた。その心遣いが嬉しい。

料理を少し紹介すると、様々な魚をミンチにして串刺しにしたシシカバブーに似た料理は、海だけに『シーシーカバブー』と命名。

その他、レタス、タコ、ハネ(スズキ)、レンコン、松の実が入ったのが『民宿サラダ』。これは、『民宿“はらだ”』とかけているそうだ。
どの料理も最高で、原田ご夫妻の茶目っ気たっぷりのお話が加わり、食事がまた一段と美味しく感じられたのは言うまでもない。

団欒が終わったのは午後11時頃だったが、夜型の生活を送るスタッフのひとりが

『まだ寝るの早いなぁ〜』

と言いながら、横になるとすぐにグーグーと寝息をたてて寝てしまったのには笑ってしまった。
『おいおい』と横で突っ込みを入れつつ、この寝息は、

『(今回の取材は)Good!Good!(グーグー)』

と言っているようにも聞こえた。
こうして初日の取材は無事に終了。明日は真鍋島だ。


民宿はらだ


民宿はらだ前のビーチ


民宿はらだの猫 置物かと思うぐらい動かない


今回お世話になった、原田さんと白石公民館長の天野さん
 
HOME>岡山1>