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旅人:アナウンサー 今泉 清保(HPはコチラから

三島 編
弥次さん喜多さんの珍道中に思いを馳せつつ東海道をたどる旅

     
 
 三島は東京駅からこだまでちょうど1時間と近いのだが、訪れるのは初めて。 三島は水の町ということで、境内に水が湧き出る三嶋大社から旅をスタート。
 三嶋大社は平安時代の古書にもその名が残るという歴史ある神社で、境内は広くて気持ちいい。

お参りしていて出会った川村さんと いう女性に、三島の町を案内していただくことに。


川村さんは、三嶋大社近くの「おにぎりカフェ丸平」というお店の店長さんだということなので、まずはお店に向かうことにしたのだが、行ってみてビックリ。

カフェだというのに古い商店、しかも「丸平商店」という看板まで掲げられている。なんと、江戸時代末期に建てられたふるい商家を修復して、レトロな雰囲気のカフェにしたのだとか。

中に入ると、柱や梁は昔のままだが、インテリアや照明は落ち着いた雰囲気でまさにカフェ。そして店を通り抜けて裏に行くと蔵があって、蔵の中でも食事がいただける。

そういえば小田原の「ういろう」さんにも蔵があった。さすが東海道、蔵が多いなー。

蔵の中でおにぎりをいただくことにした。いろんなおにぎりがあるが、ご当地おにぎりということでうなぎとわさび漬けにしてみた。

さぁ食べようと思ったところで、川村さんがグラスを指して

「まず水を飲んでください」

という。
くせの無いおいしい水。どんな水かと尋ねたら、普通の水道の水だという。蛇口をひねるとこんなおいしい水が出てくるなんてうらやましい。三島では水を買う人はいないんじゃないか。

そしておにぎり。うなぎのタレが濃すぎずふんわりおいしい。そしてピリッと辛みの効いたわさび漬けがごはんに合う。お米も材料もこだわっているそうだ。

店を出て、三島の街を案内してもらう。といっても、案内されたのは住宅街を流れる源兵衛川。小さな川なのだが、澄んだ水が流れ、川を木が覆い、鳥のさえずりが響いている。家の裏にこんな川があったらどんなに気持ちいいことだろう。

でもこの源兵衛川も、高度成長期には水が減り、どぶ川のようになっていたと聞いて驚き。それを、工場で冷却に使った地下水を川に戻したりして清流を取り戻したという。夏には蛍が舞うというから、本当に清流だ。
続いての名物はやっぱりウナギ。

川村さんが案内してくれたのは「本町うなよし」さん。おすすめの特上うなどんと、うなぎハム、うなぎシューマイをいただくことにしたのだが、三島のうなぎが美味しいのには秘密があるという。

「立て場」というところにその秘密があるというのでまず行ってみた。
お店に戻ってさばくところを見せてもらう。うなぎは関東では背開き、関西では腹開きだが、三島は背開き。

うなぎの目の部分に釘を打ち、手際よくさばいていく。しかしまぁ、あんなヌルヌルしたうなぎをよくつかめるなぁと思ったら、うなぎは怒ると身が一瞬硬くなって持ちやすくなるというのだ。やってみたら確かに硬くなる。

そしてさばいたうなぎはわたが汚れていない。柿田川の水を2日間飲むことで、お腹がすっかりきれいになるのだ。
さていよいよ目の前に特上うなどんが。

うなぎをたっぷり二人前使っているということで、ふたからうなぎがはみ出ているではないか。そしてうなぎはふんわりやわらかい。口の中でふわっと身が崩れるのだ。安いうなぎだとゴムみたいな食感だったりするが、もう全然違う。

この特上うなどん、うなぎだけじゃなくごはんもたっぷりなので相当なボリュームがある。お腹を空かせて行くべし。
腹ごなしに川村さんが案内してくれたのは白滝公園。

市の中心部にある公園なのだが、いやに地形がでこぼこしている。なんとへこんだところはもともとは水が流れていたのだが、湧き水が涸れてしまったそうなのだ。

水の豊富な町とはいえ、使いすぎると涸れてしまう。三島の人はそのことを知っているから、川を守ろうとしているのだろう。
こうなると水源の柿田川にも行きたい! と川村さんにお願いしたのだが、お店に戻らなければというのでここでお別れ。一人で柿田川へと向かった。

この川、山から流れてきた川ではない。富士山に降った雪や雨が、地中を通って水となって地表に湧き出て川を作っている。一日百万トンという湧水量は東洋一だとか。

水源のそばは公園になっていて、展望台から水が湧く様子を見ることができる。澄んだ川の底の砂がところどころ激しく動いていて、水が湧き出ているのがわかる。

なんだか神秘的な光景だ。
日本は世界的に見ても水の豊富な国だが、それゆえに水を粗末に使っているかもしれない。 三島の水だって、弥次さん喜多さんの時代にはもっと澄んでいたのだろう。

水を大事にすることの大切さを、三島の旅で教わったような気がする。