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旅人:アナウンサー 今泉 清保(HPはコチラから

由比〜蒲原 編
弥次さん喜多さんの珍道中に思いを馳せつつ東海道をたどる旅

     
 
蒲原と由比はそれぞれ「かんばら」「ゆい」と読む。どちらも初めて訪れた。蒲原祝と由比宿の間はちょうど一里だ。

てくてくと歩いて由比に入ると、とても大きな門が見えてくる。昔の本陣の跡が「由比本陣公園」という大きな公園になっている。
大きな公園というよりは、もともとの本陣が大きかったということなのだけれど。

公園の中にある「東海道広重美術館」におじゃました。広重といえば、お茶漬けに入っていたカードがおなじみ。誰でも見たことがあると思うのだが、しみじみ見た人はあまりいないのでは。
全然知らなかったのだが、あの浮世絵は芸術作品というよりは、今で言う旅のガイドブックのようなものだったそうだ。
弥次さん喜多さんの時代は旅行ブームで、名所のガイドとしてよく売れたんだとか。

言われてみると、有名なお店が書かれているものがいくつもあって、今の言葉で言うならタイアップみたいなものだったらしい。
ちなみに浮世絵は、いくつもの版を重ねて刷ってあの独特の色合いを出しているのだが、美術館では簡単な版画体験が
できる。いい記念になるのでぜひ。

公園の中には「東海道由比宿交流館」もある。ちょっと休憩できるスペースや、由比宿を再現した展示があり、観光の相談にも乗ってくれる。ということで、交流館の清水さんに由比の町を案内してもらうことに。

蒲原から由比の間は、古い町並みや蔵が残っている。初めて来たのに懐かしい感じがするのはそのせいだろうか。
本陣公園の真ん前には、由比出身の歴史上の人物、由比正雪の実家の染物屋さんが古いたたずまいそのままに建っている。


ちょっと歩いたところにある「春埜製菓」さんで、弥次さん喜多さんも食べたという「たまご餅」をいただいた。

もちっとした食感でおいしい。

清水さんオススメのデートスポット、薩?峠(さったとうげ)に登る。

ここから観る富士山と駿河湾は、広重の浮世絵でも有名な景色だが、ちょうど晴れていてほぼ同じ景色を見ることができた。
まさに絶景。

由比の名物といえば桜えび、ということでせっかくだから食べたいと思ったのだが、清水さんは仕事があるというので帰ってしまい、仕方なく一人で由比漁港へ。

漁港では、新鮮な桜えびを食べてもらおうということで「沖のかきあげ屋」というお店を出している。
これが行列ができるほどの人気。
それもそのはず、こんなに桜えびをふんだんに使ったかき揚げを初めて見た。
かみしめると桜えびの甘味がじゅっと口の中に広がる。おいしい〜。

この桜えび漁が始まったのは明治27年だそうだから結構最近だ。桜えびは昼間は水深300mぐらいの深いところにいて、夜になると70mぐらいのところまで上がってくるのだが、その生態が知られていなかった。ある日、うっかり浮きを忘れた漁師さんが、仕方が無いので網を海に沈めたまま港に帰ってきたら、沈んでいた網にたくさん桜えびがかかっていて、初めてその存在がちゃんと明らかになったのだそうだ。

もし漁師さんがうっかり浮きを忘れていなかったら、私達は今でも桜えびが食べられなかったかもしれない。うっかり漁師さんに感謝だ。
桜えび漁は、捕りすぎを防ぐために漁期が春と秋に決められている。今の時期、由比では生の桜えびがいただけるというので
「料理茶屋 玉鉾」さんへ。

生の桜えびは以前にも食べたことがあるのだが、とにかく甘い。こんなに小さな身なのに、甘さがぎゅっと詰まっている。
生でいただけるのは、朝に水揚げしてその日のうちだけだという。つまり、駿河湾までやってこないとなかなか食べられないということだ。

もちろん、桜えびだけじゃなく、由比は人も景色もいいところであった。でもやっぱりあの生桜えび、もう一度食べたいなぁ。