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旅人 : FM滋賀パーソナリティー 中野栄美子

琵琶湖の魅力 〜水の郷と環境問題〜

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今年のお天気も予想がつかず…、やはり温暖化だな、と実感します。
私、中野栄美子は、勝手に言葉を作って番組やブログでも使っていますが、定着は全くしていません(涙)。。。
その言葉とは…、暖かすぎた冬を《温暖化冬》、夏は異常気象ではなく《人工気象》なんて。。でも笑っていられないですね。
滋賀県では“地球環境を考えるなら、まず琵琶湖から”なんて言います。
なぜなら、琵琶湖は今までいろんな環境の影響を受け、変化し続けてきたからです。
そこで今回は、琵琶湖と琵琶湖をとりまく環境を見つめる旅に出掛けます!!!

私は、滋賀で生まれ育って滋賀大好き人間だと自負しています。琵琶湖や環境にも心が動き、滋賀で行われた
世界湖沼会議や水フォーラムに携わったり、その後も琵琶湖の保全や、内湖や山の保全活動に参加しています。
だから今回の取材も興味深々。とっても楽しみです。

 
内湖や山の保全活動に参加中の私…。

さて、みなさんも琵琶湖のことを知るには、まず出掛けてみてください。
草津市の湖岸に「琵琶湖博物館」という、少し個性的な体験型博物館があるんです。
(琵琶湖にいる淡水魚ばかりが展示されている水族館なんです!)

まずは、こちらの研究部で琵琶湖の魚の生態系などを研究をされている中井克樹さん。
そして、中井さんに紹介して頂いた琵琶湖の漁師さん、大津漁業協同組合の鵜飼広之さんに、大津漁港でお話を伺いました。



琵琶湖の港・大津漁港

中井さんは、琵琶湖に潜って魚を観察して20年。その間の移り変わりを実際に見ている方で、
魚の生態についていろいろ教えてくれました。
琵琶湖に外来魚が入ってしまった…。もともと琵琶湖にいた在来魚と仲良くできるとみんな思っていたんだけど、
そうではなかった。そして現在ではその数が大変増えてしまった。
さらに、その増えてしまった外来魚ブラックバスやブルーギルが、琵琶湖の小魚たちを食べるので、
在来魚がどんどん減ってきてしまったことなど…。



漁港から海を覗くと、ブルーギルがウジャウジャ!

漁師の鵜飼さんも、近年は網にかかる魚の80%〜90%が外来魚だと教えてくれました。
写真は、この日の朝の漁でとれた魚です。見るからにブルーギルばかり。。。



大量のブルーギルの中にブラックバスが!

これらは、自治体が回収して、家畜の餌や植物や野菜の肥料などにされるそうです。
ちなみに、外来魚はだいだいなんでも食べるそうで、お腹を開いてみると魚介類から海藻、
たまにはビニールまで出てくるそうです。

ところで、琵琶湖は世界で3番目に古いといわれ、日本で最大最古、歴史400万年の古代湖です。
琵琶湖に昔から生息している魚介類や湖岸の植物は、合わせると1000以上。中には固有種といって、
琵琶湖だけに住む魚や貝などもいて、その数は現在でも50種類以上だそうです。
例えば、ビワマス(サーモンのようにオレンジ色でとてもおいしい)、ニゴロブナ(鮒寿しに用いる)、ゲンゴロウブナ、ホンモロコ、ビワコオオナマズ…、貝ではセタシジミ…、他にも水草やプランクトンまで固有種がいます。
こうした琵琶湖の在来種が減ってきているのは、何も外来魚だけのせいではないようで、
琵琶湖の周りの環境がかわってきたことも大きな要因だそうです。



取材中に回収業者がやって来てバケツのブルーギルとブラックバスを持って行きました

もともと琵琶湖のまわりには内湖といわれる琵琶湖に繋がる小さな湖がたくさんありました。
そこには葦という水を浄化してくれる植物が生い茂り、魚をはじめ鳥などの住み家となっていて、産卵の場でもあったのです。
でも湖岸に道路ができたり、埋め立てや開発によって内湖は減っしまいました。
開発という人間の手が加えられる前の1940年から現在の60数年間で、16の内湖の一部、場所によっては全てが無くなり、その減った面積は約25平方kmだそうです。そして開発や河川の上流から流れこむ生活廃水など水の汚れが、
きれいだった水環境まで変化を及ぼしました。そういった、様々な要因で琵琶湖の生態は変わってきたのです。
私達が便利に都合よく暮らした代償として、動植物たちが追いやられたのですねぇ。

また、最近、私達が実際に感じてきた温暖化ですが、自然はずっと前からから影響を受けていました。
雪が減ると春から夏にかけて河川から流れ込む雪解け水が減り、琵琶湖の水温が下がらない。
夏の高温で藻などの繁殖が増えるなどなど…。
でもそれに気が付き、今では内湖の復元や葦の保全・環境保全が、
滋賀県をはじめボランティアなどによって行われています。琵琶湖自身だって自分の浄化作用で頑張ってるんですよ。

琵琶湖の代表的な魚(在来魚)と言えば、ニゴロブナ。琵琶湖の特産≪鮒寿し≫になる魚です。そう! 
鮒寿司は、琵琶湖の旅にとっては外せないんです!
そこで、精力的に鮒寿し作りに取り組んでおられる、創業120年・彦根にある「丸儀・植田儀三郎本店」を訪ねました。
外せない…とは言ったものの…。
実は私、食べなくもないけど、そんなに好物ではありません。



「丸儀・植田儀三郎本店」の店構え


店内には鮒寿司以外にもオリジナルの佃煮がたくさん!

『鮒寿し』とは…、数百年の歴史をもった琵琶湖周辺の特産物で、独特の匂いと酸味を持ち「熟れ鮨」とも言われています。
保存食として古来より伝授されてきたもので、丸儀では、鮒を付けてから完成するまで1年半から2年もかかるそうです。
まぁ一言で言ってしまうと、日本の臭い食べ物の代名詞というか…。
よく臭い食べ物を「東のくさや、西の鮒寿司」なんていいますが、まぁ、地元とはいえ苦手な人は苦手と…。



これが鮒寿司!

でも、ここは地元代表のリポーターとして食べなくっちゃっ、といただきましたが、食べてびっくり!!!
さすが改良に工夫を重ねておられるそうで、目の前にずっと置いてあってもそんなに匂いがなく、
食べても独特の臭みが感じられないくらいでした。回りに付いているお米も食べてみたくらいです。
スタッフと一緒にペロッとたいらげてしまいました。この味が絶えないように、
魚の住める環境を取り戻すことが我々の使命ですね。



心から美味しいと思った鮒寿司は初めてかも…

そして最後に訪ねたのは、琵琶湖に程近い集落です。
今もなお、古くからの知恵を生かした暮らしをしている地域・湖西(琵琶湖の西側の少し北)は高島市新旭町の針江。
この町の空気はとても澄んでいました。そして、家々の間の小川に流れる水も澄んでいました。

“生水の郷(しょうずのさと)”と言われる針江地区ののどかな風景


水路には鯉がたくさん!

この町を案内してくださったのは、針江生水の郷委員会の福田千代子さん。
この辺りは地下水が豊富で、それぞれのお宅に井戸水が沸いています。 100軒以上ものお宅が、
その井戸水を台所だけでなく、洗面・お風呂・トイレなどのほとんどの生活用水として利用しているんです。
特徴的なのが「川端(かばた)」といわれるシステム。
「外川端」といって、母屋とは別に川端用の小屋を作っている家もあれば、
まさに母屋の中に川端がある(つまり家の中に水が流れている)「内川端」の家もあるんです。



外川端の外観はこんな感じ


中に入ってみると…


地下から湧き出してくるこの管の部分が「元池」


きゅうりが冷やしてある2段になっている所が「壺池」、
鯉のいる所が「端池」


きゅうりをいただいちゃいました! ん〜冷えてる〜ぅ!


せっかくなのでお水も拝借! ん〜冷えてる〜ぅ!

川端はとても面白い構造で、水が段々畑のように流れているんです。まず、地下水から涌き出してくる部分が、
絶対に汚しちゃいけない「元池(もといけ)」。次に、顔を洗ったり野菜を洗ったりするのに使う「壷池(つぼいけ)」。
そして最後に、町へ流れていく水路〜小川へとつながる「端池(はたいけ)」。その端池はどこのお宅にも鯉がいて、
流れた米粒などを食べ浄化してくれます。だから水路に流れる水はとてもきれい。
各家から流れる水は水路〜小川を通って川下のお宅へ。そして小川から内湖〜琵琶湖へと流れていきます。
だから、どこのお宅も自分の家から流れていく水には責任を持っておられるんです。
いただいた恵みはいただいたように返す。。って感じかな。



こちらは田中三五郎さんのお宅の中にある内川端


川端の上には生活用品がいっぱい! 
台所というか洗面所というか…


内川端の外側を見てみると…、
家の脇を流れる水路につながっている!


三五郎さんの家には立派なかまども!


テレビにも出演して地元では有名人の田中三五郎さん!

どれだけきれいかと言うと、澄んだ水にしか咲かない花でとっても貴重な梅花藻が、そこら中に咲いているんですょ。
内湖だって、こんなに自然豊か。鳥のさえずりとおだやかな空気感で癒されます。



梅花藻


よ〜く見てみると…、梅花藻の白い花が!

こちらは、川端のあるお豆腐屋さん「上原豆腐店」。もちろん涌き水で作り、涌き水で冷やしたお豆腐です。
ご主人は「湧水といっても、豆腐を一般に販売しないといけない為、しっかりと検査しているから安心ですよ。」と
おっしゃっていました。そして「夏は冷たく冬は温かい、一年中変わらない水が豆腐作りにも欠かせない」とも。。。。



梅花藻いっぱいの水路の脇にある「上原豆腐店」


「上原豆腐店」は外川端。あっ! 豆腐か冷やしてある!


店内に入ると、豆を煮る大きなかまどが!


しっかりと目が詰まっているので、こんなに薄く切っても、
ほら立った!!


豆腐をおよばれして、幸せ〜〜〜っ!


スタッフの分まで4つとも喰いそうな勢い。どんだけぇ〜。

では、いただきま〜すっ!!
ん〜っおいしい〜。コシがありますっ!!
冷えすぎていないから、一層、豆腐の甘味がわかります。そのままでもおいしいですが、
塩やポン酢がご主人のお勧めでしたょ。



各家々の川端から水路・小川を通った水は、
緑いっぱいの内湖へ。この先はもう琵琶湖。


針江地区周辺の琵琶湖湖岸には、
まだ葦の生えている場所がありました


ちなみに秋はこんな感じ。葦も黄色く色付きます


減ってしまった葦を人工的に育てて増やす試みも!


ヨシとアシ…。ではなくアタシ…。

琵琶湖を知るには、いろんな角度から物事を見ることが必要でした。私が山に出掛けるのは、琵琶湖の水は山から来るから。でもその間の、里山や田畑・住居地域など、全てがつながっての琵琶湖なんですね。
私達にできること。。
滋賀県では提唱しています。台所に油は流さない、洗剤は無リンのものを、そしてもちろん湖岸のゴミの持ち帰り…など。
それは自然にやさしい暮らし、自分に責任を持った暮らし、ですね。
ホント、琵琶湖の環境は世界につながります。



イベント情報!

毎年8月最終土曜日に、琵琶湖のまわりの大津や草津など8箇所以上で「よしたいまつまつり」が行われます。
幽玄な雰囲気を楽しみに是非観光にお越しくださいませ。

そして、釣り客の方! 琵琶湖では、「Noリリース」!!
釣った外来魚は、琵琶湖に戻さないでください。
琵琶湖に設置した、いけすや回収ボックスに入れるか、10軒ある「ひろめようステーション」に持って行くと
“びわこルールひろめよう券”が貰えて地域通貨のように使えます。詳しくは滋賀県のHPで確認してくださいね!

 
今回お世話になった皆さんです。親切にして下さってありがとうございました!!


大津漁業協同組合所属の漁師さん・鵜飼広之さん(左) 琵琶湖博物館・中井克樹さん(中央)


丸儀 植田儀三郎本店・植田義雄さん


針江生水の郷委員会・福田千代子さん


田中三五郎さん


上原豆腐店のご主人と奥様

 

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