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旅人 : 工藤彰乃

雪原を行く 津軽鉄道ストーブ列車の旅

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YAJIKITA ON THE ROAD 青森担当(といえるほど、青森を旅している)工藤です!
今回は青森県津軽地方をのんびりと走っている列車の旅。その列車が他にはない列車で、
私も話しには聞いたことがあったのですが、想像が出来なかったので、とても楽しみです。さて、どんな列車でしょう?

その列車に乗るために、向かったのは津軽鉄道の始発駅「津軽五所川原」駅。
ここから「津軽中里」駅までの20.7q、約50分、冬の名物列車といわれている「ストーブ列車」が走っているというのです。
列車の中にストーブがあるというのですが、想像できなくて・・・。



舘山さんと一緒に


津軽鉄道本社にあったストーブ列車の模型
でもこれはストーブの付いた客車を引っ張る機関車の
模型で、より想像が膨らみます

初めに、津軽鉄道本社で運輸課長の舘山広一さんにストーブ列車がどんな列車なのかを伺いました。
車内にだるまストーブがついているとのことですが、列車には普通は暖房がついているのに、
なぜストーブなのか聞いてみると、「津軽鉄道のディーゼル機関車には、暖房用の蒸気供給システムがついていないので、
客車に暖房が送れず、どうやって暖めるのかを検討した結果、
その当時、暖房として主流だったストーブを置くということになったのです。」ということでした。
とはいえ、列車にストーブをつけるなんて、想像できません。



津軽鉄道の主流は、このレールバス「走れメロス」号

しかし、そのストーブ列車を維持するのには経費がかさむため、現在は普段はレールバスの「走れメロス」号で運行され、
ストーブ列車は観光のために1日2本のみ運行しているということです。その他、夏には風鈴列車、秋には鈴虫列車など、
季節限定の列車が他にもあると聞き、津軽鉄道ならではの魅力にワクワクしてきました。



ストーブ列車ご対面記念にパチリ! 鉄子です!

そして、いざストーブ列車に乗るため駅のホームへ!!「その前に・・・」と、スタッフに袋を渡されて、
なんだろうと思いながら袋を持ってホームへ向かいました。
ありました! ストーブ列車の外観は、何とも言えないレトロな雰囲気で趣があり、しかも、入り口は手動。
そこを入るとデッキがあり、さらに扉(引き戸)をぬけてやっと客車の中になります。床は木で出来ているし、
荷物を乗せる網棚は名前の通り網で出来ていて、ビックリしました。なんだか、タイムスリップしたみたいです。



網棚は、まさに“網”だなぁ〜!


車内にストーブ! そこから天井に延びる煙突!


ストーブには網が!

そして車内を見渡すと、ありました! だるまストーブです。列車の前よりと後よりに計2台。
私が思っていたより小さいストーブからは、長い煙突が伸びていて、列車の屋根から外へと伸びています。
外へ出てみてみるとT字型の煙突から煙が出ていて、とても不思議な光景です。
走り出すと、その音はガタンゴタンと最近の列車にはない、優しく響く音でした。



旧国鉄から譲り受けたレトロな旧型客車がストーブ列車


屋根を見てみると煙突が付いてて、煙がモクモク!

しばらく乗っていて驚いたのは、ストーブ列車の中がとても暖かいことです。ストーブと聞いて、
少し暖まる程度ではと思っていたのですが、本当にポカポカと心地よく、身体の芯まで暖かくなりました。
暖かいどころか、ストーブの近くでは暑いほどで、しばらくストーブの前にいた私は、汗がにじんでいたほどです。

しかし、なぜ汗をかきながらストーブの前にいたのかというと、行きにスタッフから渡された袋の中身が、なんと!!
スルメとおもちだったのです。しかも準備万全で、紙皿と醤油やマヨネーズ、海苔まで入っています。
一緒にビールまで入っていたら、何をしにきたのか分からなくなるところでした。

これをストーブの上で焼くというのですが、実際、本当にこのストーブの上でスルメを焼いていいものでしょうか・・・。
ドキドキしながら、スルメを焼き、おもちをのせてみました。すると、スルメは早く裏返り、
おもちは端にのせないと中が焼ける前に表面だけ焦げてしまうほど火力が強く、ドキドキよりハラハラでした。
でも、ちゃんと焼いて美味しくいただきました。



スルメがすぐに丸まった!


おもちがぷっくり!

外に見える遠くの山は真っ白、すぐ脇の田んぼや家の屋根には雪がかかっている景色の中、
暖かい列車の中でスルメやおもちを食べていると、本当に幸せで楽しくなりました。
同じ列車のもう一つのストーブでは、観光客が青森名物の煎餅を焼いていました。
また、3人で乗っていた別のお客さんにお話しを聞くと、地元の方で、普段は乗らないけれど、最近は年に一度、
この列車を楽しむために乗っているとのことでした。
現在は運賃とは別にストーブ列車料金がかかるので、地元の方は、ほとんど利用せず、観光客の利用が多いのです。

それから、もう一つ。お弁当も美味しかったぁ。これが「ストーブ弁当」(事前予約制)で、竹の皮で出来たお弁当箱に、
地元でとれた食材を使ったおかずとおにぎり。
ストーブ列車を守りたいサポーターの方たちが作っている心も温まるお弁当でした。

食を楽しみながらストーブの前にいると、車掌さんが何度も周ってきました。
そして、「ちょっと失礼します。」と、私が座っていた椅子の下から、バケツに入った石炭を出し、ストーブの中へ。
車掌さんは、ストーブの火が一定になるように見て周ったり、ドアを開けたり、切符を回収したりと忙しそうです。



車掌さんが石炭をくべにやって来た!

車掌さんにお話を伺うと、やはり他の列車にない手間があるということですが、この列車ならではという苦労の一つは、
ストーブの上で、とんでもないものを焼く方がいて、注意しなければいけないことだとか。以前、干物を焼いていた方や、
焼き肉をはじめた方がいたそうで、車内が煙だらけで大変なことになったそうです。
具体的に、何がという規定はないそうですが、煙がたくさん出るものや汁物などは遠慮してくださいということです。
乗ってみたいという方、気をつけて下さいね。

列車の旅ですから、途中下車もしてみました。

嘉瀬駅のホームには、SMAPの香取慎吾くんがペイントしたという列車が! 
この列車は、残念ながら現役は引退してしまったらしいです…


収録していたらいきなりの地吹雪。寒〜〜〜〜〜いっっっ!!

まずは「嘉瀬」駅。香取慎吾くんが描いた列車も、今はこの駅で見ることが出来ます。
このホームで軽い地吹雪を体験し(収録中に突如猛吹雪に!)、雪国だなぁと思いながら、歩いて2〜3分のところに、
馬肉屋さんがあると聞いて行ってみました。実は、津軽地方は馬肉が有名なのだそうです。
この時まで、津軽地方の馬肉が有名だとは知りませんでした。

すぐに「馬肉」の看板を発見! 大きなお店ではなく、家の近くにあるお肉屋さん、という感じです。
さっそく中へ入ってみると、店頭には炒め物用や鍋物用など何種類かに別れて馬肉が並んでいます。
お店を経営している小田桐産業 専務取締役の小田桐徹明さんにお話しを伺いました。馬牧場を持っているため、卸の他、
精肉店もやっているということです。初めて見たのが馬肉の燻製です。試食させていただいて驚きました。
少しクセがあるのではと思ったのですが、クセもなく贈答用のハムみたいな感じで、
きれいな霜降りの脂がのった美味しいお肉でした。(あまりに美味しくて、スタッフ一同、燻製をお土産に買っていきました)



馬肉の燻製


特別に作って頂いた、さくら鍋


小田切さんと一緒に

しかし、寒い季節に寒い地方で食べる美味しい食べ方はなんといっても馬肉のお鍋(さくら鍋)だそうで、
しっかりといただいて参りました。味噌ベースで、キャベツやネギなどの野菜と一緒に煮てあるのですが、
食べやすく、本当に本当に美味しかったです。身体の芯から暖まりました。ご馳走さまでした。
取材させていただく(いろいろ食べさせていただいている)間に、何人も馬肉を買いに来ていたのをみて、
馬肉が普通に食べられているんだと実感しました。

つづいて紹介するのは「金木」駅。
金木町は太宰治の故郷で、駅の近くには太宰治記念館「斜陽館」があります。
支配人の今幸樹さんに館内を案内していただきました。木造で趣のあるこの記念館は、
太宰治が中学まで実際に暮らしていた生家で、太宰治が生まれた部屋、
広い土間や当時のままの家具が残されている洋間。身分によって使い分けられていたという部屋の格差など、
案内していただいて知ることも多く、太宰治がどんな子供時代を過ごしていたのか、想像が広がります。

そして、その生い立ちが作品に影響を与えていったのかと思うと、今まで読んだことのない作品も読んでみたいと思いました。今さんのお話は興味深く、もっともっと色々なことを知りたいと思いました。本当にありがとうございました。

太宰治ゆかりの品の展示も!(許可を得て撮影しています)


今さんと一緒に

津軽鉄道の始発駅「津軽五所川原」駅前にある「立佞武多の館」も、とても興味深い場所でした。
高さ20m以上の大きなねぷたが展示してあるのですが、下から見上げるだけでなく、上まで行って、
ねぷたの顔を同じ高さで見ることができ、スロープを通りながら隅々まで観察できます。
大きいのに雑ではなく、ひとつひとつの絵がとても丁寧に描かれているのに驚きました。



下から見上げたねぷた


エレベーターで上にあがると顔が真横に!


館内を歩いていると不思議な看板が! ん?


その足元を見てみると、全てのフロアーの床が、
この部分だけ開くようになってる!


ここの部分をロビーから見てみると、壁一面が扉に!
写真でお判りの様に、大きなねぷたを出陣させるため床も壁も開閉式に。すごい建物だなぁ〜!

約1年を通じて製作されるため、すでに製作が始まっていた今年の作品をみせていただきましたが、骨組みだけのもの、
紙の貼ってあるものなど、パーツが細かく別れていて、この状態から、あんなに大きなねぷたになるなんて不思議でした。
しかも、製作の色づけなど誰でも参加できると聞いてビックリ! ぜひ参加してみたいと思いました。

ねぷたの展示を楽しんだ後は、館内にあるお土産屋さんへ。すると、「赤〜いりんご」と書いてあります。
普通、りんごは赤いのでは? と、お話しを聞いてみました。



ロビーの売店にあった「赤〜いりんご」関連商品


実を切ってみると、本当に中まで赤〜い!

すると、なんと! このりんごは「御所川原(五所川原ではありませんよ!)」という品種で、
皮だけでなく中身まで赤いりんごだったのです。身が赤いのは、ポリフェノールが多いという事で、
他のりんごに比べて酸味があるということでした。特別に実を食べさせていただいたのですが、ちょっと酸っぱいけれど、
そのままでも充分おいしいりんごでした。

もちろん、お土産で販売されていたジュースやシャーベットも、そしてジャムもさっぱりとしていて美味しかったです。
これも知る人は知っているようで、「立佞武多の館」の売店では売り切れになっている商品もあったほどです。
珍しい赤〜いりんご、また食べたいなぁ。と、食べる話になると夢中になってしまい、申し訳ありません。
ねぷたのお話しと、赤〜いりんごのお話しを聞かせていただいた、五所川原市役所の佐藤寿美子さん、長内義彦さん、
ありがとうございました。いろいろと勉強になりました。



佐藤さん・長内さんと一緒に

津軽地方には美味しいものや、もっと知りたくなることがたくさんあって、今回の旅では時間が足りなかったくらいです。
だからこそ、また行ってみたいと思うんですねぇ。違う季節に訪れたらきっと、また違う楽しさに出会えそうです。
みなさんも是非、津軽を楽しんでみてください。

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