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旅人 : 平松真奈美

都電荒川線 東京下町レトロ旅A

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こんにちは。都電荒川線の旅人、平松真奈美です。
今週の旅のスタートは、王子駅前停留所。
JR王子駅と道路をはさんでお隣同士の立地で乗客にとっては便利・・と思いきや、
車輌にとっては実は大きな難所なのです!!
というのも、ここは自動車との併用軌道、かなりの交通量があるのに加え、とっても急な坂があるからです。



王子駅前〜飛鳥山間の道路との併用区間を
一気に駆け上がる都電荒川線


信号待ちも車と一緒

うん、確かに歩いて登るのもちょっとした気合が必要っぽい。
車輌の運行を見ていると、坂下で待機して一気に加速して、まさに駆け上がるかんじ。
万が一にも自動車に衝突してはいけない。集中力が必要なんだろうなあ。昔、雨や雪の日には、
この坂でお客さんたちが車輌を降りて押して登ったこともあるそうな。ええーって感じですけど、
そのへんも都電のあたたかみです。
私がみていた車輌は無事に坂を登り次の停留所へむかっていきました。当たり前のことを当たり前にするのは、
とても労力がいることかもしれないです。

さて、私たちは王子駅前から2つ目の梶原で下車して、商店街入り口にある、都電もなか本舗・明美さんを訪問しました。
「こんにちはー」
「いらっしゃいませ」
落ち着いた店内を見渡すと、ありました! 都電もなか。
早速試食です。

車輌をかたどった手のひらサイズのもなか皮の中に粒餡と、真ん中に求肥が! 
粒餡とは思えないほど繊細で、求肥のなめらかさとあいまって口当たりのいいこと、この上ありません。
このもなかを包むパッケージは、新型レトロ車輌を含め、現在5種類。一個一個がミニチュアのおもちゃのようにかわいいです。
そうそう、このもなかは注文するときは、「1個、2個」ではなく、「1輌、2輌」と、いってくださいね。もなかだけど、都電ですから。
10輌入りは車庫の形の箱入り。多少余裕があって、箱にあいている窓から見ると、
まるで車輌が車庫に到着したように動くんです。小技がきいてる! 食べ終わっても、空き箱で子供たちが遊べます。
中身はママが食べるからね。なんて言ってそう・・
14輌入りからは、平箱入りで紙サイコロがついており、箱の上部にデザインされた「都電すごろく」であそぶこともできます。
もちろん単品でも「ガタンゴトン」とかいいながら都電ごっこができますよ。

「王子の狐」という和菓子も発見!

考案者・伊藤裕規社長は、都電荒川線の等身大の生活スタイルを支えるあり方と、自分の人生を重ね合わせている。
とおっしゃっていました。都電への想いと、そこで生活する人々への愛情の結晶といっても過言ではないお菓子。
そんな想いを知ると、より一層おいしく感じます。

お次は「荒川遊園地前」でおりて、徒歩三分。あらかわ遊園へ、GO!
遊園入り口まで、ピンクや黄色などにペイントされて、かわいい道のり。
レンガでできた門をくぐると・・
派手さはないものの、うわあ、なんだか、ほっとするう。
やさしい色使いの遊具がちょこん、ちょこんと私たちを迎えてくれます。



観覧車からの眺め。すぐ脇を流れるのは隅田川

まずは、全体を把握しようと武田正輝園長の先導で観覧車へ。せまいのかな? とおもいきや、
園内には、いたるところに池があり、そばには隅田川が流れ、緑がいっぱい!
園長さんに、あれはなに? これはなに? と子供のように質問攻めしてしまいました。
園内は、乗り物はもちろん、どうぶつ広場、芝生広場、釣堀、などなど、子供たちが喜ぶものがたくさん! 
荒川区立ですから、お財布にもやさしく、パパママも大喜び!
ともすれば、刺激や怖さを追求しがちな遊園地ですが、ここは、本当に子供からお年寄りまで楽しめる空間。
動物広場ではやさしい目をした牛、ヤギ、ウサギなどの動物と実際に触れ合うことができ、
都会に暮らす私たちに貴重な機会を提供してくれています。この日も平日で寒いにもかかわらず、
小さい子を連れたおじいちゃんや、親子連れが柵のなかで楽しそうに動物にえさをやっていました。

実は、ここに居る動物たちと、私の実家に居る動物のラインナップがかぶっており、
うちの田舎って一体・・と思ってしまったのです。私の実家の環境が現代では異端なんです。はい。
(スタッフ談:平松さんの実家は、普通のサラリーマン一家なのに、山羊や牛をペットとして飼っているらしい。
だからこんな子に育ったんだな!)



早そうに見えるけど、この時、時速15km。遅っ!!

また、遊具では、日本最“遅”のジェットコースターがあります。こちらも、子供や、お年寄りにとっては、
怖すぎない適度のスピード。カップルにとっては余裕をもって“怖いふり”が演出できて二人の距離が縮まる、
なにかとおすすめの遊具です。

あらかわ遊園のしめは、いこいの広場に展示されて、実際に中に入ることもできる都電の昔の車輌のひとつ、 6000形の見学。
深い緑と、クリームいろの車体に、丸いヘッドライトで、一球さんと呼ばれていた車両です。
これもいかつくない、かわいい印象。



6000形都電の車内で武田園長と一緒に

ガラガラ・・・ドアは木製の引き戸。一歩足を踏み入れると床も天井も木で出来ています。窓枠も木で作られていて、
まるで、古い校舎にきたみたい。初めて乗るのに初めてじゃない感覚でした。
そして、現代の都電でも鳴らして走行しているベル。私も鳴らしてみました。
チンチーン♪ う〜ん、音色は軽いけど、古くからの歴史を見てきた音です。



この紐を引っ張ると、チンチーン♪


レトロな都電の車内で柄にも無く黄昏てみました

取材時間があっという間に過ぎました。
皆さんもあらかわ遊園をおとずれたら、園内で何回も、わあ、かわいい! と口にするに違いありません。



このビルの中の薄暗い商店街の奥が三ノ輪橋停留所


商店街の奥にあるアーチをくぐると都電がお待ちかね!
三ノ輪橋停留所の壁には、懐かしい看板や映画のポスターが!

私たちは、始発で終点の三ノ輪橋停留所におりたちました。
そこで、思いもかけない出会いが!!



新型レトロ車輌9000形


側面には丸い窓が!

停留所にあの、新型レトロ車輌9000形がとまっていたのです!!
あの、いつ、どこで走っているか分からないという、レトロ車輌。他の車両より背が高く、丸と角ばったところのメリハリがあり、
赤っぽい茶色とクリーム色の、品のよい車輌です。取材中に遭遇できてラッキーでした。と、スタッフK氏がいない! 
鉄道ファンの彼は、明らかに仕事以外の情熱で9000形の写真をとりまくっていたのでした・・・
9000形の出発を(特にK氏が名残惜しそうだった)見送った後、
荒川区では最後の一軒となってしまったラムネ工場、宮岡商店さんにおじゃましました。



空のラムネビンがズラッと並んで運ばれてきた!


空のビンが右からやってきて中に運ばれる。
左は中から出てきたラムネの入ったビン。
中でどんな事が行われているの!?


中を覗いて見ると、ラムネが注入されている!!


グルッと回ってビー玉で栓をする


ここがゴール! 早く飲みてぇぇぇ〜〜〜っ!!

中に入ると、カンカンという、ビンとビンがぶつかる音と、さわやかな香りが・・
機械の上には、お行儀よく、ラムネビンが並んで出てきます。私の手前にはすでにラムネがつめられて、
検品を待つだけの商品がでできます。
よく見るとビンにはいろんな形があります。きらきら光ってとてもきれいです。
最近主流の飲み口がプラスチックのもの、ガラス製の丸いもの、そして、戦時中からある6角形のもの。
大きくわけてこの3つなんですが、さらに、細かくいろいろな種類のビンがあります。



ガラス瓶のラムネでも色々な種類が!


宮岡さんと一緒に

宮岡茂さんの言葉をかりるなら、6角ビンは女性的でセクシーなんだそうです。
コストの面では、ペットボトルのほうがいいのでしょうが、ラムネはビンが命。かたくなにビンのラムネを守っています。
驚いたのは飲み終わったラムネビンの中のビー玉を振ると・・一つ一つ音が違うんです! 
カランとか、リーンとか、コロコロとか。やっぱり、昔からの6角ビンの音が風鈴みたいできれいでした。

ところで・・ラムネの栓って、どうやってするかご存知ですか?
ラムネのビンは中におよそ4キロの圧力のガスが入っており、外に出ようとするガスの力でビー玉が栓をするんですって。
ビー玉の滑り止めの役割をするゴム部分は手作業で替えたりしていたそうです。まさに職人技。
出来立てのラムネは、なんだか、シュワシュワ感が強くて、これぞ、ラムネだという飲みごたえがあり、
しっかりした主張を感じます。
ビンは出荷するたび数が減ってしまうそうですが、宮岡さんの気概はこの単純な味のなかに、たくさんつまってます。

飲みたい方は銭湯、お祭り、駄菓子屋さんでさがしてみて! といいたいところですが、
なんと、工場の隣のお蕎麦屋さんでこの三ノ輪ラムネがいただけます!! お隣ですから売り切れはないですね。
リポートで乾いたのどをうるおしてもらいました。

都電荒川線・・たった片道一時間のこの沿線には、
おいしいもの
かわいいもの
なつかしいもの
そして古くから守り続けた歴史あるものがありました。
これからも
沿線に暮らす人々に愛され、その生活と夢をのせて走り続けていくのでしょう。
また来たときは、お帰りって言ってくれそうな町並みを
都電荒川線は今日も走り続けます。

 

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