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旅人 : 工藤彰乃

北の果て、下北半島の秘湯めぐり

     
 

今回の旅は「温泉めぐり」。仕事でリラックスできるなんて、そんなありがたいことはありません。
喜んで向かった先は、青森県下北半島!!

最初に向かったのは、大畑川の上流にある奥薬研温泉です。
むかし恐山を訪れた慈覚大師が足を踏み外しケガをしたときに、
かっぱがこの温泉に運び助けたという由来をもつ「かっぱの湯」は、露天風呂で混浴というので、
ドキドキしながら見てみると、渓流沿いに温泉が!まさに大自然の中の温泉です。

すぐ近くにある「夫婦(めおと)かっぱの湯」と「隠れかっぱの湯」にも行ってみました。
「夫婦かっぱの湯」は、男女別になっている石積みの露天風呂。さっそく入ってみました。
男湯と女湯の間にある石垣の塀の上から流れてくる温泉が、まるで小さな滝のようです。
目の前の川の水は透明でとてもきれいで、周りの木々の緑は色鮮やか。のんびりと温泉の中から眺めていると、
体はもちろん心も癒されます。

しかも、この時はちょうど誰もいなかったので、温泉を独占!本当に贅沢な気分を味わいました。
私と入れ違いになったお客さんは、遠方からきたリピーターの方。確かに、私もまた来たいと思う心地よい温泉でした。

もう一つ近くにあった「隠れかっぱの湯」は、名前のとおりの秘湯。こちらも混浴で、ちょっと勇気がいるなと思ったのですが、
ご夫婦でいらっしゃる方も少なくないそうです。混浴ということ以外にも気になる秘湯、ぜひ実際に訪れてみてください。

かっぱの湯を堪能した後は、その晩お世話になるお宿「古畑旅館」さんへ。

早速、温泉を見せていただくと、扉を開けたとたんに木のイイ香りがします。青森ヒバを全体に使った総ヒバ造りの温泉で、
お風呂の中にいる間、ずっと香りに癒されるまさにアロマ風呂でした。
湯船はもちろん、床も桶もヒバの手触りがやわらかいのも印象的でした。

そしてお風呂の後は食事です。お風呂と同じように私が楽しみにしていた時間。
ご主人の古畑一雄さんにお話を伺いながらいただきました。古畑旅館さんは、伝統ある旅館で代々、
この辺りの薬研温泉を守ってきている家系でもありました。お話を聞いていて、「薬研」という名は、
湯の湧き出るところが漢方をつくるときに使う薬研という道具に似ているからと聞き、とても興味深かったです。

お料理は、新鮮なお刺身や地元でとれた山菜料理などが並び、どれも、本当においしかったです。
そんな中、初めていただいたのが「岩魚の骨酒」。温かい日本酒の中に岩魚がまるごと入っていて、
その身を崩して飲むのですが、これがまた、おいしいのなんの!!
魚臭さはないのに、飲んだ後に香りが広がる初めての味に大感激でした。さらに驚いたのは、時間がたつと味が変わっていき、後になるほどまろやかになるのです。訪れた人にしか味わえない、おすすめの一品です。

次の日に向かったのは、海を見下ろす高台にある桑畑温泉「湯ん湯ん」です。乳白濁色のやわらかい温泉で、
内風呂もありますが、津軽海峡を見下ろすことが出来る絶景の露天風呂があります。天気のよい日には北海道が見え、また、夜は漁り火を見ることができるという、ここでしか味わえない景色が魅力的でした。
家族や友達に「みて、みて〜!」と進めたくなる、水平線が広がる感動の、まさに絶景の露天風呂でした。

お風呂に入りながら、風間浦村役場の木下弘美さんにお話をいろいろ伺いました。
以前は、ここは小学校だったのだそうです。こんなに景色のよい所にある小学校を羨ましいと思いながら、
通学する子供たちの姿を想像しました。また、この「湯ん湯ん」という名前は、地元の中学生の考えたものが採用されたもので、湯ん♪湯ん♪のように、音符がつくような、ご機嫌な「ルンルンという」気持ちを表しているというのです。
中学生らしい、かわいらしいネーミングもなんだか嬉しくて、心まで温まりました。

そして、旅の2日目に宿泊したのが、下風呂温泉「さが旅館」。
古くから湯元として有名な下風呂温泉は、作家の井上靖さんが「海峡」の最後の部分を書いたということでも知られています。

「さが旅館」に着いて、すぐにお風呂へ。硫黄泉ということでしたが、硫黄の香りも少なく、
湯の花が沈んでいるやわらかいお湯の温泉でした。芯まで温まるので汗が引くまでに時間がかかりましたが、
入った後は体がとても軽く感じました。
女将の佐賀典子さんにお話を伺いながら、お食事をいただきました。
井上靖さんが泊まったというときのお話はとても興味深く聞きました。私が入ったときは、透明に近かったのですが、
日によって、色が違い乳白濁色のときもあると聞き驚きました。
また、アーティストのサガユウキさんのご実家でもあるのです。

お食事は、とても豪華な地元でとれたアワビやウニ、海峡サーモンなどが並び、何から食べたらよいのか迷うほどです。
ちょうど旬のイカは、お刺身はもちろん、いか味噌をからめていただく陶板焼きなど何種類もの食べ方があり、
それだけでも大満足。どれも本当においしかったです。
贅沢な、そして新鮮なお料理がたくさんあって、お腹いっぱい食べつくしました。

今回の「温泉」の旅。私は、津軽半島にこんなに温泉があるなんて知りませんでした。皆さんは、知ってましたか?
いろいろな温泉を満喫し、疲れがとれる旅でした。残念なことに、温泉については私の日記ではうまく伝えきれません。
いえることは、とにかく、気持ち良く、心も体も癒されたということ。
何より温泉は、やっぱり実際に入ってみないとねぇ。ということで、ぜひ皆さん、津軽半島まで足を運んでください。
温泉を楽しみ、新鮮なお食事も楽しめる。特に津軽半島ならではの景色は魅力がいっぱいですよ!