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旅人 : 中田美香

元気に歩こう! 
春のお散歩・盛岡まるごとぐるり旅A

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「ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」
岩手県の県庁所在地である盛岡の駅前に石碑がある。
石川啄木が東京に住んでいた頃、故郷を思って詠んだ詩だ。
たとえ盛岡出身でなくとも、見事に雪化粧した美しい岩手山を目にすると、心癒され、感謝の気持ちが湧いてくる。
杜と水の都「盛岡」は、石川啄木や宮沢賢治を代表とする多くの文学者の感性を刺激してきた。
文学の目線で、学び多き旅に、いざ出発!



今回の旅のプランもJR盛岡駅長の佐藤年男さんにアドバイス頂きました!

旅の醍醐味は、やはり異文化に触れ、そして学ぶことだ。
まず向かったのは石川啄木と宮沢賢治の青春時代を紹介している「もりおか啄木・賢治青春館」。
とても愛らしく、なんとも素敵な女性、大櫻薫さんが館内を案内して下さった。

盛岡観光コンベンション協会のスタッフでいらっしゃる大櫻さんのお話から、啄木と賢治それぞれの思い、
そして二人が青春を育んだ盛岡の街への愛をたっぷりと感じた。
奔放な生き方をした石川啄木と、生真面目な宮澤賢治の歳の差はわずか十歳。
ともに盛岡中学に進学するため、十代の多感な時期を盛岡で過ごしている。

二人の作風は違えど、ともに作品はわかりやすく、また今読んでも決して古くなく、読む度に新たな発見がある。
混沌とした今の時代だからこそ、二人の作品が人生の指南書的な役割を果たしてくれるのではないだろうかと、フと感じた。

この二人、どこかですれ違っていたのだろうか…。
ともにどんな青春を過ごしたのだろうか…。
その頃の盛岡はどんな風景が広がっていたのだろうか…。
青春館にいると、さまざまな思いに想像が膨らむ。



大櫻さんと一緒に!

青春館は、建物からして素晴らしい。
盛岡出身の建築家 横浜勉の設計で、明治43年に竣工された旧第九十銀行をそのまま活用したものだ。
国の重要文化財に指定されている。
思えば、盛岡の街を歩いていると、あちらこちらに洋風で近代的な建物が立ち並んでいることに気付く。
モダンな建物が、街に違和感なく溶け込んでいる、魅力あふれる場所だ。
プライベートで来た際には、日がな一日ゆっくり散策するのも良いかも。

館内には金賞を受賞した数々のお酒が!

自然豊かな盛岡の街は、水も美しく、水百選にも選ばれている。
そしてもちろん、南部杜氏の名とともに酒どころであることも広く知られている。
続いて我々は、2008年に黄綬褒章を受章された南部杜氏の藤尾正彦さんを訪ね、日本酒を製造している「あさ開」に向かった。
私の大好きな酒蔵巡りだ。

「あさ開」が誇る『OS式全自動発酵プラント』。
この床の下に、巨大なタンクがあるらしい。

南部の酒作りの特徴は、低温でゆっくり時間をかけて発酵する点なんだとか。
そのため味はきめ細かく、奥深い…。
麹菌と酵母菌が元気に育つために、時にはプレッシャーをかけて厳しく育てることもあると、
優しい表情で酒作りについて語る藤尾さん。
彼にとって酒作りとは子育てに近いのだと言う。
実際に、麹菌と酵母菌が元気に育まれる過程を見学させて頂き、時折、味見をさせて頂きながら、
ぐる〜っとお酒が出来上がるまでのプロセスを拝見した。

待ちに待った試飲スタートっ!

そして、待ちに待った試飲タ〜イム!!!
全部で5種類ほどのお酒は、それぞれ特徴があり、味わい深く、美味し〜い。
毎回悩むのは、この微妙な旨みの違いをどう音の世界で表現するかである。
舌と頭をフル稼働させながら、緊張感をもち、いっぱいいっぱい感想を述べていく。
うんうんなかなかの表現力だ〜、なんて密かに笑みを浮かべながら…。
そして、すべて呑み終えたところで、ベテランMディレクターが一言…。
「あ、テープ回し忘れた…」
え?え?え?よりにもよって今回!?
一度ほどけてしまった緊張の糸を再び絞め戻すのは大変なのだー。
ふぅ〜。
果たして2度目はうまくいったのか…。その結果は「旅の映像」をご覧下さいませ…。
はぁ、今回は本当に酔っ払ってしもうた。



酒と私(酔っ払い後)


藤尾さんと一緒に!

石川啄木、宮沢賢治、この二人の共通点は岩手山と北上川というふるさとの山川を愛したこと。
文学の目線から盛岡の町を旅し、いかにこの広大な自然が人々の生活を豊かにし、またその自然によって想像力が膨らみ、文学的な刺激に繋がっているかを感じた。
スローライフ″とか地産地消″など、今現在見直されるライフスタイルの数々は、この二人がずっと前から唱え、
実行してきたものなどだと思う。

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